「この世に隠し通せる秘密などない」誰もがそれを知っている とえさんの映画レビュー(感想・評価)
この世に隠し通せる秘密などない
これはとても面白い映画だった!!
アルゼンチンで暮らす主人公ラウラ(ペネロペ・クルス)が、妹の結婚式のために帰省したスペインの小さな村で起きた誘拐事件を描くサスペンス
結婚式という晴れの日を迎え、幸せそうに見えた家族
しかし、誘拐事件が起きた途端、彼らの日頃の思いが噴出する
その家族には、誰にも明かされたことのないある秘密があった
しかし、その秘密について、人々はいろいろと噂話をしていた
その噂話には、恨みや妬みが盛られ、その思いが積もり積もって、ついに誘拐事件を引き起こしてしまう
そこから見られる「村人たちの素の人間性」がとても面白い作品だった
それは、私たちの身近でも、よく起きる話だ
「○○さんの家には遺産があるらしい」とか
「あの人は派手な暮らしをしているから金持ちに違いない」とか
近所で、そんな噂話がされるのはよくある話だ
そんな噂話をどこからか聞きつけたのか、泥棒に入られてしまうことだってある
この映画を観ていると、そんな「噂話好き」は日本だけでなく万国共通だということがよくわかる
つまり、この映画は田舎の小さな村というミニマムな社会を舞台に、ある秘密と、それにまつわる噂話と、その思い込みに踊らされる人々を描いている
その様子を観ていると、この世には隠し通せる秘密などないことがよくわかるのだ
人を妬むのも、噂話が事件を引き起こすも、そして秘密を隠し通すことができないのも、人間の闇が引き起こすことなのだと思うと、なんだか切なく悲しくなる作品だった
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