「ケーキ」ジュディ 虹の彼方に ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
ケーキ
ジュディは、あの時はじめて、ケーキを食べたのかもしれない。
どんなにか美味しかったことだろう。
「虹の彼方へ」は、世界で最も知られた曲のひとつだ。
単曲だったら、ビートルズの曲をも凌ぐかもしれない。
子供から大人、お年寄りまでに親しまれた「オズの魔法使い」の主題歌だからだ。
僕が幼い頃、シェリーさんがドロシー役のオズの魔法使いのテレビ劇(テレビで舞台のように物語が進行する)をやっていて、その中で、5分か10分くらい、赤と緑のフィルムの貼ったメガネをかけて観る、立体テレビという場面が設けられていた。
今の3Dみたいな進んだものではなかったが、とてもワクワクして、メガネをかけて準備していたことを思い出す。
その主題歌も、虹の彼方へだった。
アメリカのショービジネスの過酷さはよく知られたことだ。
若くしてドラッグなどで若者が命を落とすのは珍しくない。
「27クラブ」は、その代表のようなものだ。
MJもそんな犠牲者のようなものだと思う。
だが、あんな少女にまで、それほど歳も重ねていない少女にまで、過酷なトレーニングや、食事制限、薬の服用を強要していたとは夢にも思わなかった。
そして、使い捨てのような後半生。
でも、自分の子供に自由を認めて、ジュディはひとつ前に進めたのではないか。
同性愛のカップルと邂逅と共感。
シアターの人々が歌う虹の彼方へは、きっとジュディの心の奥に光を届けたのではないか。
虚構の世界に生きたとはいえ、ジュディは世界中の人々に愛されたのだと思う…、オズの中で語られるように…「どれだけ愛したかではなく、どれだけ愛されたのか」
昔、ロックシンガー27歳寿命説というのがあった。
ただ、ロックシンガーに限らず、27歳で亡くなるミュージック・アーティストが非常に多いことから、そうしたアーティストを不謹慎にもカテゴリー化して「27クラブ」と呼ぶようになった。
中でも有名なのは、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ(ギタリスト)、ジミ・ヘンドリックス(ギタリスト)、僕の大好きなドアーズのジム・モリソン(ボーカル)、ここ数年で映画化されたのでは、ニルヴァーナのカート・コバーン(ボーカル)、女性のシンガーにはジャニス・ジョプリンとエイミー・ワインハウスがいるし、スタートレックの若返ったチェコフや昨年公開のサラブレッドのティム役のアントン・イェリチンは不慮の事故で亡くなったが、実はロック・グループのギタリストだ。
ただ、医学専門家によると、こうしたミュージック・アーティストは、作品を生み出すことへの自分自身や商業主義のプレッシャー、現実と虚構の格差、自身の指向の変化とファンの求めるものの差、才能への疑問が膨らんだり、ストーキング行為などで常にエッジに立っているような状況で、アルコールや、違法なドラッグに逃避する傾向は高く、また、周りとの軋轢で暴力事件に巻き込まれることも少なくない等の理由で、若くして亡くなる傾向は他の職業に比べてかなり高いのだそうだ。
しかし、同時にこれは、27歳に限らず、若くして亡くなるアーティストは多く、ジュディも例外ではないし、MJや、ジャズのチェット・ベイカーも割と長く生きたとはいえ、薬物から逃れることは出来なかった。
おそらく、これからもミュージック・アーティスト達の、才能を搾って搾って、更に搾り出すような苦悩が、続く一方、ショービジネスは華やかさだけを伝える続けるのだろう。
そして、ジュディは、これからも色々な形で残り続けるのだ。
第4期ディープパープル、ジェイムス・ギャングのギタリスト、トミー・ボーリンなんか25歳だもんなぁ。名前の当て字で「富墓林」とジャケットにかいてあるLP持っています。本人意味わかっているのかな~と、当時も思ってました。それが最後のアルバムになりました。
トミーが参加したビリーコブハムのスペクトラムも持ってます。名曲ぞろいでしたが、今や、ジェフベックにカバーされちゃってます。
私も33歳ぐらいで逝く予定だったんですがねぇ。少なくともコージーパウエルの51歳ぐらいで。
クラプトンはすごいですね。
薬物克服して、クロスロードで社会貢献してる。
子役の人とロックミュージシャンは比較難しいかなぁ