「奇想のオリジナルとは別種の奇想」サスペリア バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
奇想のオリジナルとは別種の奇想
閉ざされた学校を舞台にシュールかつ筋の通らない恐怖シーンのオンパレードで、ゴブリンの異様な音楽と原色の映像美によって「なんだかすごいものを見ている!」という興奮状態に陥れられるオリジナルの怪作っぷりとは趣向を変えて、外の世界(社会)と関連する裏設定をわんさか放り込みつつ、シュールであることは変わらないというアプローチは、本作なりのオリジナルへのリスペクトなのだと思う。
ただ、前衛舞踊を取り入れたことでビジュアル的に強烈なインパクトを与えようとした意図は感じつつ、悪魔崇拝や悪霊憑きというよりも単に「スゴい前衛舞踊パフォーマンス」だと思ってしまった。シーン単体としては非常に面白いが、世界観を広げるにはちょっとパフォーマンスに頼り過ぎという気もする。
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