「魔都ロサンゼルスの最新レポート」アンダー・ザ・シルバーレイク バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
魔都ロサンゼルスの最新レポート
正直、この映画を理解した気はまったくないし、事細かに読み込もうという欲求が起きたわけでもない。いくつかのネタや引用は知っているし、それ以上にまったく知らないネタがわんさか散りばめられていて、そりゃあ知っている分だけお楽しみも多いだろうが、ディテールのひとつひとつを追い込んだところで、全体像が分かる気がしない、というのもある。
では詰まらないかというと、そんなことはまったくなくて、あらゆるシーンが面白いし、古さと新しさがごっちゃになった酩酊感はクセになる。
そしてなによりも、ハードボイルド映画の伝統と呼ぶべき「魔都ロサンゼルスめぐり」の物語であり、カラリとした空気と太陽に照らされた街がなぜか禍々しい迷宮であるというモチーフは、得体が知れないからこそ魅惑されるものがある。「ヘンな街だなあ」と実感するためにもちょっとでもいいからロサンゼルスに住んでみたいと、まんまと思わされた。白旗。
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