「隠されたメッセージ」アンダー・ザ・シルバーレイク ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
隠されたメッセージ
映像と音楽は60年代か70年代、ストーリーの展開は、古いロールプレーイングゲームのようで、アイテムを探し出したり、ナゾを解いたりしながら展開していく。
僕たちの世界には、秘密結社のようなものがあって、陰謀や策略で大多数の人を操っている…というような、半ば信仰や妄想のようなものがあって、これは、そのアメリカのショービジネス版なのだろう。多くのヒット曲がたった一人の人間が作ったものだとか、そんな場面も滑稽だ。
君は、そんなところに居て良いのか?自己啓発本のセリフのような問いが、サムからサラに向けられる。サラは、もうここから出られないから、ここで精一杯生きていくの、と答える。自分と自分の置かれた状況の中でもがくサムに向けられた、狭い世界から出られなくなったサラの言葉は、実は逆説的だ。自己啓発本を読みあさって、雁字搦めになった人の心は、実は不自由だったりするのだ。
僕たちの世界は、フリーメーソンに操られている…と言った話を聞くことがある。古代エジプトのホルスの眼がチラッと映されるが、あれは、フリーメーソンの紋章の眼の元になったものだと言われている。そんなところからも、現代社会への皮肉が感じられて楽しい。
ビッグデータや、個々人のSNSへのいいねや、オンラインショッピングの履歴で特定された情報が、それぞれの人に優先的に届き、「本当の」フェイクニュースには気付かず、個人の客観性が磨かれない世界こそ、実は背筋が寒くなる、恐ろしいものだといったメッセージもあるように思える映画だった。考えすぎだろうか。
ワンコさんの素晴らしい御高察に目からうろこです・・・
そんなことまでは全く思いつきませんでした。
フリーメーソンの陰謀というのも、日本じゃあまり関心がないからかもしれませんね。しかし、まぁネトウヨときたら・・・
自分たちを被害者扱い、印象操作、陰謀論、今までと違い、逆手をとった論法を使って幅が広がってきましたねw