「エル・ファニング!!」メアリーの総て たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
エル・ファニング!!
とにかくメアリーが母親の墓石にもたれかかってノートと鉛筆を手にしているメインビジュアルにやられた。今からちょうど200年前の1818年に出版された「フランケンシュタイン」の作者メアリー・シェリーの伝記映画である。この映画が埼玉では新都心のMOVIXでしか上映されていないことがそもそもおかしい。19世紀の初頭であるから夜の室内の灯りは基本ロウソクで、画面の半分が黒くつぶれていたりする。でもそれが映画なのだ。多分一般受けしないだろう、という理由で幾多のシネコンはこの映画を買わないのだろうが、多様性こそがシネコンの存在価値では無いのか。とにかくメアリー役のエル・ファニングが同世代の等身大の役柄を演じていて素晴らしい。可愛く毅然としていて美しく自由で過激。女性監督が撮った女性のための映画なのだが、自堕落な二人の詩人バイロン卿とパーシー・シェリーが退廃的で良い。しかも「吸血鬼」がまさに同時代の仲間によって書かれていたとは!
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