劇場公開日 2019年4月12日

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「無難な潜航のジェラルド潜水艦アクション」ハンターキラー 潜航せよ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0無難な潜航のジェラルド潜水艦アクション

2019年10月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

潜水艦モノで、ジェラルド・バトラー主演。
男子なら萌える要素が詰まった、鉄板と娯楽のミリタリー・アクション!

ロシア近海で、米ロの原潜が消息を絶つ。
新任艦長グラス率いる原潜“ハンターキラー”が近海に向かい、沈んだロシア原潜から艦長を救出、捕虜にする。

その頃、米特殊部隊の情報により、ロシアでクーデターが起きた事を知る。
ロシア大統領が首謀者の大臣の人質に。

海と陸に下されたインポッシブルなミッション。
海では、ロシア艦長を案内人にロシア海域に潜入。
陸では、ロシア大統領の救出。
そして合流するという、海陸共同の救出作戦。
それは危険で、困難を極め…。

まず、海。
米原潜として初めてロシア海域に。
ロシア艦長の案内があるとは言え、全くの未知の海域。
至るところに水中兵器トラップ。
絶対に音を立ててはならない無音の潜航、深海の密室のスリル、そして敵の攻撃による危機…潜水艦映画の醍醐味はたっぷり。
ハラハラドキドキ、爆音の連続!

陸。
少数精鋭で、侵入し救出。敵の攻撃や猛追は激しく、それに応戦。
が、犠牲が一人、また一人…。
敵地で、ほぼ孤立無援状態。
こちらも迫力の銃撃戦、緊迫と決死の状況が続く…。

ハンターキラーの乗組員たちにとって、沈んだ米原潜には知り合いも多い。故に、ロシア艦長に穏やかではない感情が。
しかしそれは、ロシア艦長とて同じ。ハメられ、多くの部下を失った。
陸の特殊部隊たちも。任務とは言え、祖国にではなく、ロシア大統領救出の為に命を落としていく者も。
葛藤しながらも、それでもやり遂げようとする男たち。
ロシア艦長を信じるグラス。
ロシア艦長は自分に忠実な部下たちを説得する。
特殊部隊はロシア大統領救出後も負傷した仲間を見捨てない。
命令や軍規などの正論より、己の正義。
このミリタリー作風にぴったりな、熱い男たちの信念。

ハリウッド潜水艦映画の定番はロシアと対する場合が多いが、
本作もロシアと対しながら、ロシア艦長と信頼し合い、ロシア大統領を救出するという、単なる対する敵国と描かれていないのが現代的。(と言うか、配慮…?)
ジェラルド・バトラーはいつもながらの漢気溢れる役回り。
ゲーリー・オールドマンはステレオタイプな政府高官でちと残念だが、本作が遺作の一つであるロシア艦長役のミカエル・ニクビストは渋い印象を残す。

全米では興行・批評共に沈没したが、日本では好評で、本サイトでも絶賛レビューや高採点。
つまらなくはなかったが、自分はそこまででは…。
目新しさに欠け、数々の潜水艦映画の寄せ集め。
客観的に見れば荒唐無稽で、ツッコミ所も多々。
熱い男たちのドラマと言っときながら、忙しい力推しな印象も否めない。
まるでゲームのようなCGの粗さも気になった。
よくあるジェラルド・バトラーB級アクションの類いの一つ…。

まあでも、外れナシ潜水艦映画の醍醐味はあり、安定のジェラルド・アクション映画として無難に楽しめる。

近大
かせさんさんのコメント
2024年4月4日

潜水艦モノは呼吸苦しくなるような描写が多いですが、この作品はとても軽やか。

かせさん