「テーマ的には浮上せよ?」ハンターキラー 潜航せよ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
テーマ的には浮上せよ?
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よくある色恋沙汰も家庭のゴタゴタも持ち込まないし引きずらない、ひたすら硬派な男たちの戦闘サスペンスは貴重ですね、いわば十割そば。 Uボートものは嫌いではないがズーッと海の中では観ている方も息苦しい、本作は巧みに視点を変え、ペンタゴン、潜水艦、地上の特殊部隊で同時進行するので飽きさせない。
グラス艦長(ジェラルド・バトラー)のような子連れの鹿は撃てない情に熱い型破りの艦長像を嘘っぽいと感じるか、真の英雄、知将とみるかで評価は分かれよう。普通ならジェラルド・バトラーは特殊部隊のリーダーの方が適役、艦長はハリソンフォード風かもしれないところを起用したのも型破りの面白さかもしれない。(もっともロシア大統領を救ったら「エンド・オブ・キングダム」かよと言われかねないので固辞したろうが・・)
「眼下の敵」、「クリムゾン・タイド」、「レッドオクトーバーを追え」などのおいしいところを連想はさせるがよく練り上げられている、ありそうでなっかた潜航シーンでの司令室の傾斜撮り、所狭しと並ぶ最新装備や計器の数々、魚雷やミサイルの複雑な航跡など細かい描写にもUボート映画の進化が見て取れる。
唯一微妙なのは迫る敵ミサイルに他力本願で祈るところ、もっとも反撃したら全面戦争の引金になりかねないので自己犠牲を覚悟で耐えたのだろうが被弾しなかったのは奇跡に近い。サスペンス感を盛り上げるためにハードルをあげるのは良いのだが運だのみで落としては芸がない、頭で考えれば説明はつくのだが全体にうまくゆき過ぎるように見えなくはないところがやや残念。
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