「ファンタジーと人間ドラマのナイスなブレンド」Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジーと人間ドラマのナイスなブレンド
ダウントンアビーのマシュー(ダンスティーブンス)がディケンズ、
クリストファープラマーがスクルージっていうのにひかれてみました。
で、てっきり字幕だと思っていたら、京都では吹替しかやってなくって、
チケット買ったら(吹)となっていて、ひぃって思いましたが気を取り直してみました。吹替悪くなかったです(普段海外ドラマは吹替派なんだから、映画だって吹替でそう悪いわけじゃないってわかってるんですが、映画では少し吹替を差別しちゃってよくないなって思いました)。
現実と虚構がごっちゃまぜなんだけど、不思議と混乱せず夢中で見ました。かなり面白い部類かと思います。
わたしは、あのお父さんにやさしくできないです。
お金にだらしないくせに見栄は張る。そのしわ寄せは全部息子に押し付けながら、自分はにんきものおじいちゃん。
もちろん悲しみもたくさん隠しているんでしょうが、それだったとしても、やさしくできない。
チャールズも結構気分屋だし、お金に困っているわけだけども。
スクルージが現れてから、小説の住人がだんだん増えていって、舞台劇の様相になっていくあたりが面白く、
また、チャールズの闇の描写も胸に突き刺さる映画でした。
9歳で一人だけ働きに出させられるって、それは嫌だよ。
クリスマスは昔っから盛大に祝っていたのではなく、クリスマスキャロルの流行の後に流行ったんだっていうのにびっくりです。
伝統行事とか宗教行事も、興隆があるんだなっていうか、
結局信仰というよりは、流行でありレクリエーションなんだよねーって改めて思いました。
スクルージはチャールズの闇を移す鏡なんだよね。
そして観客の闇でもある。
父の悪いところだけでなく、よいところ、与えてくれた良い影響を見出すことで、チャールズはもやもやを克服し、クリスマスキャロルをハッピーエンドにできた。それはそれでいいんだけど、そんなスパっと行くかね?とは思いました。
過去の幽霊と同じひとだったメイドちゃんがかわいらしかったです。