「王道の青春映画♪」ライ麦畑で出会ったら マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
王道の青春映画♪
「ライ麦畑でつかまえて」は実は未読で、「攻殻機動隊 S.A.C.」の中にこのタイトルが出てくるので知ってるぐらいですがw
「ライ麦畑で…」に感銘を受けた少年が、舞台の脚本にする為の許可を得る為に作者のJ.D.サリンジャーを探す旅をするお話しに牽かれて観賞しました。
感想はと言うと面白い♪ 良い作品です。
主人公のジェイミーが作品に感銘を受けて、“この作品を舞台化したい!”と言った感じの思いは10代の頃に大好きな作品に出会った事がある方なら、1度は思う衝動ではないでしょうか?
勿論、それを実現するには知らなかった現実にぶち当たって断念する事が殆どですが、大人になった今から思うと世間知らずな行動だったけど、真っ直ぐな熱い思いだけで行動した衝動は本物で、それが青臭くても甘酸っぱくて懐かしい思いでもあります。
そんなジェイミーに共感します。
演じるアレックス・ウルフがなんかさえなくも真っ直ぐな男の子を演じてますが、アレックス・ウルフって実は41歳なんですね。実年齢を知ってビックリw
ステファニア・オーウェン演じるディーディーがとても良い女の子♪
真っ直ぐだけど、結構無鉄砲なジェイミーを確りと支える女の子で素朴で可愛い。そしてちょっとオマセw 自分だったら、我慢は無理だったかなとw
サリンジャーを探す旅を達成出来たのもディーディーのおかげといっても過言ではない。
若い頃にこんな子と付き合いたかったなぁw
クリス・クーパー演じるJ.D.サリンジャーは人付き合いが嫌いで少し変人に描かれてますが、言ってる事は物書きの人とすれば至極全うで、厳しい言葉の真意に小説家としてのプライドと相手への思いやりがあって、作品に必要なスパイスになってます。
作中にサリンジャーが出てなかったらただ青臭いだけの作品になってたと思うので、ジェイミー以上にディーディーとサリンジャーは必要不可欠ですね。
結果的に「ライ麦畑で…」を舞台化してしまった事にその落し前をつけにジェイミーが直接サリンジャーに再び会いに行くシーンは個人的に感動しました。
別に言わなければバレないのに、怒られる事に逃げずに改めて会いに行く姿勢は昨今の“著作権なんか知ったこっちゃねえ!”と言う輩に爪の垢を煎じて飲ませてやりたくなりますw
ラストのシーンで脚本が車から落ちて、結果的にJ.D.サリンジャーが受け取らなかった脚本がサリンジャーの家前に置かれていたのは、置いてきたも同然なのでジェイミーの嫌がらせに見えなくはないかな?と個人的に思ったりしましたがw
最近観た「500ページの夢の束」もスター・トレックが大好きでオリジナルの脚本を届ける為に旅をすると言うストーリーでしたが、夢に向かって行動すると言うのは好きなんですよね。
いろんな事を思い出して、共感して、懐かしく感じますし、頑張ろうと言う気持ちが沸いてきます。
半世紀前のアメリカの綺麗な風景と心地好いBGM。真っ直ぐなストーリーと可愛い女の子。
10代の男の子の夢と希望と現実と恋愛がギュッと詰まった素朴な良い作品です。
改めて観たい気持ちもありますが、その前に「ライ麦畑でつかまえて」を読んでから再観賞したいと思います。
お薦めです♪