若おかみは小学生!のレビュー・感想・評価
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ポロポロ泣いてしまった
様々なサイトの感想を見て、「本当に感動するのかな?」と半信半疑で行きましたが、とても良かった。映画で泣いたのは久しぶりです。
最初はおっこが両親の死をあまりにも簡単に受け入れている?と思っていたのですが、ストーリーが進むにつれ、おっこはただ両親が死んだことをまだわかっていないのだと。
そしてそばにいる幽霊たちは、命の大切さを教えてくれます。
前半は衝撃から始まり、のほほんと。おっこの成長が描かれますが、最後にかけては本当に引き込まれて、涙がポロポロ零れました。
生きることって何か、すべてが込められていると思います。
あと、料理が美味しそう!(笑)時間帯もあってかお腹が空きました。
大人子供問わず、観てほしいです!
2度目はより泣けた
文部科学省推薦の映画を観たなんて40年ぶりくらいかも
テンポがいいし、絵が生き生きとしてオッコの旅館修行を追体験しているようだった。
自分はめったに映画やドラマで泣いたりしないが、この映画には思いっきり泣かされしまった。
2度目は、宇多丸さんの解説を聞いてから見たのでより感動が深まった。現在のおっこ(あかね)をはげまし、未来のおっこ(グローリー水領)に癒やされ、過去のおっこ(翔太)との決別という作りて側の意図がわかった上でも心の琴線が震わされてしまった。
ウリ坊とみよちゃんととは悲しい別れではなく、see you againとして新たなる旅立ちとしてそれぞれが明るい未来に向かっていくところでスパッとエンドロールになったので心地よい余韻に浸ることができた。
“他者”を受け入れるということ
1.アニメとして純粋に面白い!
正直言って観る前は「いかにも児童向けアニメって感じの絵柄で嫌だなぁ……」と思っていました。ノーマークだった劇場版アニメが意外な傑作だったというケースは、過去に何度か経験していますが、さすがにこれはないだろうと。まぁ、要するに完全にナメていたというわけです。
実際に本作を観てびっくりしました。まず、アニメとして単純にすごく面白い。ストーリーは、「小学6年生の“おっこ”が、新人若おかみとして旅館の仕事を手伝いながら、様々なお客さんたちと出会い、成長していく」という明快なものなので、小学校中学年以上であれば、子どもでも十分に理解できる内容だと思いますし、大人であれば、そこに込められた深いテーマとメッセージを読み取ることができるはずです。
また、アニメーションとしての動きの表現が非常に豊かで、純粋に観ていて楽しいです。監督の高坂希太郎さんは、スタジオジブリの『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』、『ハウルの動く城』、『風立ちぬ』などの数々の名作で作画監督を担当された方です。本作でも何気ない身体の動きや表情の変化一つ取っても、アニメーションとして抜群に面白く、観ていて心地好いです。先ほど「絵柄が好みじゃない」と述べましたが、しばらく観ていると、そんなことは全く気にならなくなります。
ストーリーもアニメーションも素晴らしいと思いますが、本作の凄みは何と言っても、深いテーマ性と作品が伝えてくるメッセージの素晴らしさにあると思います。以下に、本作の大きな2つのテーマである「“他者”を受け入れるということ」と、「深い悲しみを受けとめ、乗り越えるということ」について詳しく述べていきたいと思います。
2.“他者”を受け入れるということ
おっこは両親とおばあちゃんから「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない すべてを受け入れて癒してくれる」という花の湯温泉の理念を教わり、この教えを若おかみとして実践していきます。「春の屋」には、身なりがボロボロの父子や怪しげな占い師など、数々のクセのあるお客さんたちが訪れますが、おっこはどんなお客さんであっても、心からもてなし、難しい要望にもできるだけ応えようと奮闘します。
このようなおっこの姿を観ていると、本作を観る前に自分が抱いていた偏見さえも見透かされているようで、背筋が伸びる思いです。「絵柄でアニメを判断してはいけない」ですね。
本作が真に素晴らしいと思うのは、この価値観がおっこの言動の全てにおいて貫かれているところです。おっこは、様々なお客さんだけでなく、ユーレイのウリ坊や美陽、小鬼の鈴鬼といった不思議な存在たちにも出会っていきます。ウリ坊が初めて目の前に現れた時には驚いたり、嫌がったりするそぶりを見せていましたが、その後に美陽や鈴鬼が目の前に現れた時には、すんなりと彼らの存在を受け入れています。鈴鬼に庭の草むしりをさせ、美陽に窓ふきをさせて、いっしょに掃除をする姿はなんともたくましく、微笑ましいです。
また、同級生の“ピンふり”こと真月とは、たびたびケンカをしていますが、これも思っていることをちゃんと言葉にしてぶつけ合っているという意味では、決して“拒絶”ではありません。最終的におっこは真月の「お客さんに喜んでもらいたい」という熱意を理解し、ある大事な場面で彼女に助けを求めます。これも「“他者”を受け入れる」ということの一つの形ではないでしょうか。このようにおっこの言動は、「誰も拒まない すべてを受け入れる」という作品のテーマときちんと一致しているのです。だからこそ、本作のメッセージは強く心に響くのだと思います。
3.おっこの深い悲しみの表現
私は本編の内容をほとんど知らずに観に行ったので、冒頭わずか3分ほどのところで、おっこの両親が交通事故で亡くなるという展開に、かなりの衝撃を受けました。よく見ると予告編でもナレーションで「両親を亡くしたおっこが……」とはっきり言っているのですが、予告編ではこの部分を巧妙に隠しているようにも見えます。「おっこが両親の死を受けとめ、それを乗り越えること」が、本作のもう一つの大きなテーマとなっています。
このテーマは終盤まではっきりとは見えてきません。それは、おっこがあからさまに落ち込んだり、泣き崩れたりする場面が出てこないからです。終盤の“ある時点”まで、彼女は一度たりとも涙を流しません。
しかし、彼女は決して両親の死から立ち直っているわけではありません。時折、おっこが空想や夢の中で“まるで生きているような”両親と会話をする場面が出てきて、ハッとさせられます。彼女はまだ両親の死を現実として受けとめられていないのです。
さらに、ユーレイのウリ坊や美陽の存在が、生と死の境界線を曖昧にしています。ウリ坊や美陽のように、おっこの両親もまだこの世に存在しているのかもしれない……そんな気がしてきて、おっこが空想の中の両親と会話する場面を観ていると、楽しいのか悲しいのか分からない奇妙な感覚にとらわれます。
また、最初から最後までおっこは旅館の仕事に前向きに一生懸命取り組みますが、これも彼女なりの“喪の作業”なのではないでしょうか。
「悲しいから、落ち込んだり泣いたりする」のではなく、「その悲しみが大きすぎるから、受けとめきれず、泣くこともできない」──なんと深く生々しい悲しみの表現なのだろうと気付いた時には鳥肌が立ちました。
※これ以降、物語終盤や結末部分の内容にふれています。重要なネタバレを含みますので、ご注意ください。
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4.深い悲しみを受けとめ、乗り越えるということ
これだけの深い悲しみをどうやって受けとめ、乗り越えればいいのか?──本作が提示する答えは、実に明快で感動的です。
物語の終盤、おっこはふいに両親の死と向き合わなければならない場面に直面します。しかし、この時彼女は一人ではありません。胸騒ぎを感じたグローリー水領が旅館に駆けつけ、同級生の真月も、春の屋をサポートするために駆けつけています。グローリー水領が車内で「でも、おっこ あなたは一人なんかじゃないわ」と言います。別段強調されているセリフではありませんが、これまでおっこが様々な“他者”を受け入れてきた姿を観ているだけに、この言葉は強く心に響きます。
一人で受けとめきれない悲しみは、そばで支えてくれる人たちといっしょに受けとめればいいのです。
両親の死を受け入れる覚悟を決めたおっこは、自分よりも幼い翔太を抱きしめ、ここにいていいのだと伝えます。そして木瀬一家を“若おかみのおっことして”旅館に受け入れるのです。
「深い悲しみを受けとめ、乗り越えるということ」と「“他者”を受け入れるということ」──本作の2つのテーマが重なり合うクライマックスには、感動のあまり目頭が熱くなりました。
「“他者”を受け入れる」ということは、これまでも数多くの作品でくり返し語られてきたテーマだと思います。しかし、「子ども向け」であるとか、アニメであるということを抜きにしても、これだけ明快かつ感動的にこのテーマを描ききった作品は稀なのではないでしょうか。
今年一番のダークホース。文句なしの傑作だと思います!
評判通りの良作
えらい評判が高いので何事かと思い鑑賞
ストーリーは全く頭に入れないまま見にいったところ、絵柄からは想像のつかないハードな冒頭にビックリ 両親の死 というのは幼い主人公の境遇としては昔ながらによくあるパターンではあると思うのだけどそのシーンの容赦なさというか抗いようのない感じにすごく驚かされた このシーンだけでもこの映画が悪い意味での 子供向け 映画ではないということがよくわかる
しかもこの映画、これまた興味深いことにその悲劇がそのあと取り立てて表面に押し出されて取り扱われない
別に無視されているとかではなく むしろ間違いなく話の根幹にこの悲劇はずっと横たわっているんだけど、それだけが前面に出ているのではなく飽くまで日々の生活や人との関わりの中でじんわりと主人公の想いが浮かび上がってくるような作りになっていて、凄く抑制されている
別に大げさに騒ぎ立てないから良い と言うわけではないけど、今回語ろうとしている感情に対してのアプローチとしてはとても誠実だったなぁと感じた
後は最初に書いたことと繋がることだけど、終盤宿にやってくるある家族 本当にビックリした
子供向け映画 どころか 大人向け映画でもここまで主人公を追い込む というか 揺さぶってくるような展開中々ないのではないだろうか
自分が主人公の立場なら彼らを受け入れられるのだろうか… と思わず想像せずにはいられないが、主人公の成長と絡めてなんとか回収できていたと思う
というか、子供が主人公の子供向け映画 という前提(実際そうなのかは別にして)がなかったらこの展開を入れることで一気に映画のトーンが崩壊してたかもしれない (大人の方が子供より与えられる赦しの余地 が少ないという事を大人は知ってるいるので…)
正直 評判を聞かなければ間違いなく見にいってなかったけど、キチンと見ておいてよかった
カメラを止めるな! にしろ 少し前の この世界の片隅に にしろ、口コミというのは信用できるなぁ
と改めて思った一本だった
素晴らしい!
絵柄で完全にナメてました。
おっこに降りかかる出会いと別れがこれでもかと詰め込まれ、劇中何度もうるうると。
両親を急な事故で亡くしてまだ1カ月の序盤のおっこが、極力それを「考えない」ようにしつつも、度々両親の夢を見てしまうのはまだ死を受け入れられていないから。それが終盤、真正面から受け止めざるを得なくなった時には、それまで溜め込んでいた涙が一気に噴き出したように号泣。しかしそれでも立ち直れたのは、おっこ自身の若おかみとしての経験あればこそ。無駄な部分のない、非常に良く出来た脚本でした。
マイナス0.5は、やはりあれだけの話を詰め込むには尺が足りなかったか、おっこ以外のキャラの描写がやや淡白に感じたこと。ただ、だからといって全部を深く書いたら何時間あっても足りないし、削れそうなエピソードもないし、仕方ありませんね。
色々な人年代層に見て欲しい映画
うまく書けませんが、人としての大切なとこがたくさん盛り込まれている気がします。世界の色々な方に見てもらって感想、どんな感じ方するのか興味が湧きました。
日本的な感じ方や、霊を見えたり、神の存在があると思うので、その辺他の宗教、人種の違う人はどう思うんだろう。
人としてに感じ方はほぼ共通だけど、霊とか神が出てくると多少受け取り方が違ってくるのかな。
ひさびさに泣きそうになるシーンもあり、また見たい映画でした。
若おかみというか、少女の成長譚の要素が強い。 両親を亡くした女の子...
若おかみというか、少女の成長譚の要素が強い。
両親を亡くした女の子が出会いと別れを繰り返して大人になっていく…。
ひとつひとつのエピソードはいいのに、繋げ方が強引すぎて、もう少し掘り下げるなり描写を丁寧にするなりすればいいのに…と残念に思った。
ラストエンドロールの手書きのテイストであればもう少し良かったかな…。
全体的に色やタッチがアニメ要素が強くて、
それぞれのキャラクターも強烈で、絵のタッチが違えば、この世界の片隅に、まではいかないとしても空気感が違ったのではないかと思う。
親子三人のベッドのシーンはとても良かった。
本年度ベスト級
本作は高坂希太郎監督という名前がなければ恐らくスルーしてたであろう。いかにも子供向けという絵柄やストーリーかと思っていましたが、良い意味で期待を裏切られました。
なんという傑作アニメなんだ。90分という上映時間とは思えないほどの濃厚なドラマに震えました。TVシリーズ、原作未鑑賞でしたが全く問題ないです。子供向けアニメという体裁を守りつつ、大人の鑑賞にも耐えられる素晴らしい脚本・編集・演出です。
高坂希太郎監督の作品は「茄子 アンダルシアの夏」、「茄子 スーツケースの渡り鳥」と観てきました。
高坂監督の作品では登場人物が車から降りる時に頭をぶつけたりとか(本作でいえば身体をスーツケースにぶつけて倒しそうになる描写とか)の描写があり、キャラクターが生き生きとしているのでとても好きだ。一見必要ないように見える描写ですが、あれをやることによってキャラクターが作品の世界で本当に生きているように見える。作品世界の中に嘘がない。ストーリーに没頭できる。
話の構成の上手さや、3組の重要なお客さんと主人公おっことの対比などはパンフレットで高坂監督が語ってくれていますので、そちらを是非ご参考に。
また、劇中に何度か出て来る料理や食事の豆知識は正直私は不勉強でしたのでとても為になりました(笑)さすが文科省推薦作品。なんと劇中の温泉プリンのレシピがパンフレットに載っています!
"料理のシーンや食事シーンがよく描けている作品は名作である"という名言があります。(すいません、実はただの私の持論です。)
本作がきっかけでTVシリーズを見始めました。キャラクターデザインは少し違いますが、声優も一緒で違和感なく観れそうです。こちらも楽しみです。本当に本作のストーリー、キャラクターに夢中になってしまいました。
よかった
イオンシネマでは15分くらい予告があるので安心していたら、すでに始まっていて冒頭少し見逃した。お祭りの後、高速道路ですぐ事故が起こるがどのくらい見逃したのだろう。
主人公が労働力として頑張りすぎな気がするのだが、健気で応援したくなる。事故で霊能力が備わり、友達が幽霊ばかりなので心配になる。親切な幽霊ばかりでよかった。同級生のピンフリもいい子だった。主人公が家に来た時に必死で読書している体を装うところが可愛らしかった。
占い師のお姉さんが富裕層。
自分が実際に、あのような温泉旅館に泊まりたいかと言えば。高そうだから無理だ。オレはふだんカプセルホテルしか使わない。どのくらい所得があれば平気で利用できるようになるのだろう。
喪われたものへの想い
ジブリで宮崎駿の右腕として活躍した高坂希太郎監督作品。「ナウシカ」や「ラピュタ」では原画を、「もののけ姫」「千と千尋」、「風立ちぬ」では作画監督を務めたのだから、これはもう筋金入りである。
主人公は死者を想う。幽霊が出てくる。死者も幽霊も、生きていたのは「過去」である。
ゆえに、一貫して「もう帰らない、喪われたものへの想い」がかき立てられる映画である。
エピソードの寄せ集め感がないわけでもないが、それぞれのエピソードは破綻なく収斂していき、1本の映画としての完成度は低くはない。
職業、というか、「はたらく」ということへのリスペクトが厚い(という点では魔女宅に似ている)。そうして、主人公の必死さがストーリーを動かしていく。
小さい子供を主人公にして、その両親が死んだ、という設定は、なんと言うかズルいわけで。でも本作は、そのズルさに甘えず、安易なお涙頂戴を避けたフェアな演出を志向していて、好感が持てる。
宮崎駿譲りの飛翔シーンや食事シーン、舞台となるところの建築や地形の面白さなど、見所も多い良作。
中途半端であっさりな感動。
「若おかみは小学生!」鑑賞。
*概要*
交通事故で両親を亡くし、祖母の経営する旅館に引き取られた小学6年生のおっこは、旅館に古くから住み着いているユーレイらと知り合い、ひょんなことから若おかみの修行を始めることに。不思議な仲間たちに支えられながら、次々とやって来る個性的なお客様をもてなそうと奮闘しながら、少しずつ成長する物語。
*声の声優*
小林星蘭
*感想*
今回は辛口レビューです。ご了承ください。m(_ _)m
原作は未読。観る前は興味がなかったのですが、評判がめちゃめちゃ良いし、感動すると知ったので、観ましたが、個人的には非常に惜しかった。感動すると言っても号泣までにはいかなかった。
何て言うんだろう…変な言い方かもしれませんが、もっと前半を重くして欲しかった。
交通事故で亡くなり、葬式とか、おっこが号泣するシーンとか悲しむ描写が1シーンでもあれば、おっこの感情移入がすぐに入り込めたかもしれない。ユーレイのウリ坊におっこを助けたというのは分かるけど、次のシーンは、おばあちゃんが営む旅館の若女将を引き継ぐから、なんかあっさりしてた。
あっさりに関しては、他にもあります。
おばあちゃんとウリ坊のストーリー。おばあちゃんは、幼なじみのウリ坊が亡くなったことを知らず、後に新聞を見て、初めて亡くなったことを知るんですが、ちょっとあっさりしてた。
また、真月と姉みよちゃんのストーリーも浅く、真月が泣くだけじゃなくて、もっと過去のエピソードを描いて欲しかった。
小鬼もエピソードもざっくりしてたなぁ~(笑)
ウリ坊、みよちゃん、小鬼といった個性豊かなユーレイたちに支えながら若女将の仕事を奮闘するという点では、ファンタジー要素が強い感じがするけど、アニメだからそこは仕方ない。
旅館にやってきたお客様も皆ワケあり。
母親を亡くしてからひねくれ者になった少年とその父親、彼氏にフラれた占い師、そしてある家族たちと言った客が次々にやってくるんですが、解決方法があっさりしすぎてて、ツッコミ所が多い。
最後の家族は、おっこの家族と深く関係してて、そこは、グッときましたが、あまりおっこの感情移入が出来なかったので、泣けませんでした。
感情移入が出来なかった理由については、冒頭でも記しましたが、最初の両親との思い出をもっと掘り下げて、少し重くすれば、感情移入がすぐに入って僕は泣けたかもしれませんね。(^^;
総じて、期待してましたが、まぁまぁです。全然泣けないって程でもなく、グッとくるシーンが1つだけあるだけ。
おっこ役の小林星蘭の声がめちゃめちゃ上手くて、本物の声優さんなんじゃないかと勘違いしてしまう程上手かったです。
出だしが良すぎた!!
序盤は泣きましたが、接客というより召使が機嫌を取っているだけに感じてしまい、冷静になってしまいました。大女将の厳しく暖かい指導で成長するという事もなく、子供に判断させ昼夜問わず働かせすぎて、次第に学校に行かなくなって気になりました。3番目のエピソードはお客の心情的にそのまま泊まれるはずがなく、察した大女将がフォローし、レシピの恩義もありますが助け舟を出してくれたピンフリの顔も立てて欲しかったです。占い師を出してしまった為、大女将と心の距離を感じます。起承転結の結が弱く、え?これで終わり?という感じで残念です。幽霊3体の描写に気を取られて、おっこを見守ってくれる渡瀬恒彦的ポジションのスタッフいなくて寂しいです。春の屋の物語としてはとても薄かったです。あかねのお母さんが「かしこま!」のポーズをしていて良かったです。
素敵で最高な若おかみ
・おっこの苦難を乗り越えて行く素敵な成長物語に胸を打った。
・幽霊達が可愛いくて、良いキャラしていて楽しい。
・ラストの若おかみであることをチョイスしたシーンが素晴らしい。大人でもこんなこと耐えられない出来事なのに、偉いなって感動した。
TV版が視聴済みだった人がまた見ても問題なし!
TV版で見たぞコレ、と言う話もあります。
が、これは総集編ではありません。
平行世界で別の切り口で纏められていました。
TV版も良かったけど、両親影薄かったな。
とか大事故にあったわりには立ち直り早いなというのが引っかかっていた人に直球を投げてきたのが良かったです。
予告では触れてない真のテーマ
これは「PTSD克服」がテーマなんです!!
主人公のおっこちゃんは、トラックの横転事故により両親を亡くすのですが、すぐに“イマジナリーフレンド”の両親が出てきます。おっこ自身も「な〜んだ生きてたんだね!」と言ってしまうのです。(現実逃避なのか、ガチでそう思ってるのかは不明)
また、映画のおっこちゃんは何度か過呼吸になります。事故の事をフラッシュバックしてしまいます。
そして最後、イマジナリーフレンドであるはずの両親が「ごめんな、そばにいてやれなくて。おまえが生きている事が嬉しいんだよ。(要約)」と今生の別れを言って消えてしまいます。
おっこは取り乱してしまうものの、「消えてしまった訳ではない。天に昇っても、そこであたしを見てるんだ!」と立ち直ります。
これはフィクションなので極端かも知れませんが、「親の死を受け入れて立ちなおる」ことを真正面から描いてます。絶対避けられない身内の死、ボクもおっこちゃんのように向き合えるようになりたいです。
別れで始まり別れで終わる作品
公開日の初回で観てきました。人入りは平日の午前中ということで1/3程度の席の埋まり具合でした。
若おかみは小学生はTVアニメの方で観ておりましたが基本的なストーリーは原作、TVアニメの劇場尺用への再編集と設定、セリフの変更といった内容でした。その変更を加えた脚本が素晴らしく原作や、TVアニメでのおっこは負けん気が強く、前向きな明るいキャラクターとしてコメディタッチに描かれていますが、劇場のおっこではより血の通ったキャラクターとして描写されており、幼い子が両親を失うということがどれほど人生にとって大きな出来事でその両親の死とどのように向き合ってゆくのかというおっこの喪の仕事にフォーカスされた内容となっていました。
特におっこの心理状態が折々挟まれる両親との思い出の想起や夢での再会を通して、新しく始まった忙しい生活に手一杯で表面的に明るく前向きに見えても内面では両親の死を受けいれることが出来ず苦悩しているという二律背反の状態を巧みに表現されています。
それからうり坊、神田くん、水領さん達との関係を通してすこしづつおっこが変化してゆく様が、細かな描写で作中終盤の両親、うり坊たちとの「別れ」のシーンまで一貫して描かれていて、おっこのこれまでの変化とこれからの成長を感じさせる終わり方でした。
脚本以外のアニメーションもスタジオ・ジブリで長く原画、作画監督を務められていた高坂希太郎さんが監督をされていて一癖あるクオリティの高い表現をされており、なおかつ背景美術も思い出のマーニーの美術を描いていたでぼギャラリーが参加されていてかなりの意欲作だと感じます。
今作は児童書が原作となったアニメーションということで大人の方はそれだけで敬遠されてしまうかもしれませんが、大人が観ても何か子どもたちとは少し違ったメッセージを受け取り持ち帰ることが出来る作品だと思います。初回の人入りは正直まばらでしたが多くの人に観られることを心から祈っております。素晴らしい作品でした。
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