騙し絵の牙のレビュー・感想・評価
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ワイルドな大泉洋が楽しめる
キャスト見れば一目瞭然ですが
男優も女優も実力派揃い。
リアルな演技とドラマ的な派手目の演技を
イイ具合に使い分けられていて、
この人たちの世界を見られるというだけで
映画代を払う価値は充分です。
大泉さんといえば、個人的には
コメディタッチな役や優しい役が
多い印象なのですが
この作品の大泉洋は飄々としながらも
野心満ち溢れる「デキる男」な役どころで
なかなかにカッコいいです。
作者さんが原作書いてる時点で
大泉さんを主人公として
あてがきした作品だけあって
いわずもがなハマリ役です。
中身の感想は
池井戸作品のような業界内での騙し合いをしつつ、
「出版業界」という紙媒体業界の
苦しい現状なども織り込まれつつ、
速水が次々と人を翻弄していく様が愉快でもあり、
最後のどんでん返しも痛快であったりと
見ていて飽きないです。
「騙し」要素は…?!
この作品の根幹に有る近年の日本の出版業界の厳しい状況は、その世界の人間ではない私にでも容易に想像できる。
読書を愛する者の一人としても、この物語が提示している諸問題は非常に心を傷めているし、未来を考えると暗澹たる気分に成る。コメディではあるが、この部分だけは真剣に私達が突き付けられている課題だと思った。
さてそれはさておき、大泉洋主演、大泉洋の為に作られた原作だが、実質的に松岡茉優さんが主演と考えて差し支えないと思う。
本を愛して、生真面目に突っ走る新米編集者役の彼女は出色の演技。
最近は「ど真ん中の主役」が減ってきた感が有るが、彼女の実力を過小評価しているテレビや映画関係者には、怒りすら憶える。
また脇役も手堅いキャストで、國村隼さんや小林聡美さん等、大いに笑わせてくれた。
…と、ここまでベタ褒めしてきたのですが、星三つの理由は「騙し」の要素が薄過ぎること。
騙し展開が全く無いとは言わないが、良く整理された脚本のお陰なのか、かなりスムーズに物語が展開するため、「ホホ~ゥ」と話の捻りを楽しんでいる内に「おしまい」。
「アッと驚かされる展開」を期待してきた自分としては、正直エンドロールで「これで終わり?!」と呟いてしまった。
その点だけが残念…。でも、茉優ちゃん、これからも頑張れ!!
日本映画は死なず。
予想以上に良かった。
以下良かった3つの理由。
1.丁寧な作り
撮り方。画角とかに細かいまでにこだわっている。
演者の背景も小ネタを挟みつつ観客の目に止まるように計算して自然に目に入るように撮っている。細部に神は宿ると言いますが、プロットからかなり肉付けをして詰めた内容になっていると感じられるまで仕上げていて、昔気質の職人芸が感じられる内容。
2.キャスティングへのこだわり
大手芸能事務所やテレビ局の政治を廃したキャスティング。売出し中のアイドルが出てくる時間てそこまで緊張感があった濃密な映画時間だったのに変なスカスカ空気が漂いませんか。そういう時間がない映画。安定感抜群のキャスティング。安心して映画の内容に入り込める。松竹角川が主導の制作が為せる業か。
3.実力ある役者陣の魅力
リリー・フランキーの絶妙な配役。差込み方に脱帽。出演タイミングピッタシ。
松岡茉優という女優について。
この人、凄い。
無精な女性役やらせたら同世代女優No.1だと思います。間違いなく演技巧い。あまちゃんから演技の成長が見られた万引き家族から、更に演技上達してる。
多分日本アカデミーで助演女優賞取るんじゃないかな。松岡茉優を撮りたい監督多いのではないだろうか。アイドル売りから立派に女優に脱皮しておじさん嬉しいよ。
佐藤浩市。
目元がますます三國連太郎になってきて、時の流れを感じました。
以上、ただの映画好きおじさんの感想文でした。
思ったよりマイルド ~カレーに例えるならバーモント中辛~
小説は未読ですが、たぶん小説のほうがいいんじゃないのかなぁ?
タイトルの「牙」から、かなりシリアスな作品をイメージしてたけど、
ちょっとほんわかした雰囲気なので、牙のイメージが伝わりにくかったです。
一応「上司に牙をむく」ところが牙なんですね。
なんにしても、インドカレーの店に行って日本のカレーが出てきちゃった~
みたいな、期待したよりマイルドな味でした。
雰囲気的にも、展開にしても
でも、ストーリー的には好きな方です。
出版業界の実情にも少し触れられて新鮮に感じたのと、
メルヘンチックなオチも気に入りました。
評価点は3.5か4.0か迷うところですが、
松岡茉優の普通女子役が自然でなかなか良かったし、
普通っぽさがかわいかったので4.0にしよう!
大泉洋の新しい見せ方、、、それ魅力!
コテコテしてるがしっかり楽しめる娯楽作
どこで騙された?
予告に騙された
騙しも牙もないことに騙されました。
敵も味方も騙し騙される企業内コンゲームを期待していたんですが、大泉洋のとぼけたキャラに周囲が振り回される企業再建ものでした。フツーに観ている分には面白いんだけど、脚本の掘り下げが浅く、表面的にストーリーをなぞるだけなので、盛り上がりにイマイチ欠けるし、タイトルにあるような『騙し』もないのが残念。それでも最後まで観ていられるのは、何があっても懲りない編集者のしたたかさを演じた大泉洋のキャラに負うこと大ですね。
面白かった。
面白いけど
大泉洋がふざけてない
悪しき伝統とおもしろいアイディア
日本は大手企業、スポーツチーム、国会などの、悪しき伝統にとらわれ、革新的なアイディアや提案が乏しい組織で溢れている。
主人公の高野は冒頭から悪しき伝統の中に潜む革新的アイディアにきずき、自分の考えを持ちながら仕事に打ち込む
もともとあった、自分の中の固定概念に疑問を持ち、速水という上司から良い部分を盗む
設定はルーキーだが、ビジネスマンとして最高の人材であり見本だ
過去の物は、新しい建物が建ち並べば、すぐに思い出すことはできず、常に記憶はアップグレードしていく
悪しき伝統はすべてが悪いわけではない、
古びた本屋にも、人間が知恵を使って築いてきた良い部分があり、現在の『面白い』アイディアと融合して革新しなければならない
今後は、固定概念にとらわれず、常に『面白い』アイディアを追求して仕事をしていきたい
追記
エンドロールについて、書籍をテーマにした映画はたくさんあるが、この映画のそれのアイディアはとても『面白い』と感じた
また、本屋に行ってトイレに行きたくなる気持ちに共感、この映画鑑賞中も行きたくなった
大泉洋が出来過ぎ
もしTVドラマだったら
元々胡散臭い業界の中の胡散臭い人達と真面目な人達
現在社会の文化論として見ても、とても分かりやすく面白かったです。
原作は少し前に観た「罪の声」塩田武士で未読ですが、この人はかなりのストーリーテラーのようで、本作も予告編とは別の意味で嵌められました。
私が昔から出版社(だけではないが)に対してヘンだと感じていたことを面白可笑しくストーリーに絡ませて、今のメディア論に繋げて行き、最後は現在社会の“仕事のあり方”に対する問題に展開して行く流れは見事だと思いました。
更に普段からそういうことに無関心な人でも分かりやすい物語(それも娯楽作品として)が構築され、凄く上手ですね。
しかしネットって、まさに現在の黒船ほどの衝撃があり、社会を大きく変える出来事だった筈なのに、出現から既に何十年も経っているのにも関わらず、新聞・書籍・雑誌などの出版業界や、テレビ・音楽・映画業界などもこの映画と同じ問題を抱えているのに、明治維新の様な社会的大変革にならなかったことが、私としては残念だし不思議な気がします。
恐らく、この業界が政治などと密接な関係があり、そこで様々なパワーバランスをとる為の機能(歯車)の一部を担う業界であるからかも知れません。
それに、こういう業界は人間の“衣食住”など生死に直接的に関わらない職種だから、業界外の人間からするとジワジワとした少しの変化しか感じられないのだろうと思います。
本来ならもっともっと潰れる会社が出て、新しい形態のシステムが出来ても良い筈なのにと思いますが、現実社会では私が望むような大改革はまだまだ起きないようです。
上記した出版業界で私が昔からヘンだと思っていたことは、崇高な芸術的・哲学的なものや高度な学術的なものを扱っていると思えば、同じ会社内で超低俗(例えばゴシップ雑誌の様な)なものまで扱い、清濁関係なくどの様な社内理念があるのかも分かりませんが、まるでカオスのような業界で利用はしても、胡散臭く決して心から信じることの出来ない業界であり続けていました。
でも、本作の様に上位の部署の方が下劣で、下位の部署の方が真理っていうケースもあるのかも知れないというのが、本作の目の付け所の面白い部分でした。
本作のラストはこういう業界の一つの理想的なサンプル例でしたが、現実社会ではまだまだ遠い世界の様に感じられました。
追記.
しかし『ノマドランド』でも本作でも、“Amazon”が今の時代を現すシンボルなのですね(苦笑)
あとこのコロナ禍、大きなスクリーンに5人だけの鑑賞でしたが、この様な面白い作品でもこの程度の人数しか集まらないのに、繁華街なら無目的でも多くの若者が集まり感染者を増やしている、この皮肉。
騙し絵とかじゃなくて、これは現代経済の・・
なぁんか、伏線を色々ひっくり返して騙して見せてくれる? ってつもりでみたら、
ん?
だからこその前半のあれこれ、
っていうか、いきなり、あぁ、K社ですか、わ、小説家といえば、T氏ですか、と、(彼ならパロディにしても本人が喜ぶだろうしね 書いちゃおう、筒井康隆様~風貌が、ですよ、ワインとか、そうじゃない、と思う多分ww)って言うのに加え、松岡茉優が、東大生として、クイズやプレバトで実力をみせつけてくれてる、鈴木ひかるちゃんにしか見えない!
アメリカに、って、おいおい、今のあの御方みたいで、どうなん、って勝手に良くはない想像させるのも、うまいね~~ww
(ちなみに、エンドロールで、KADOKAWA って出てきて笑っちゃった ww)
ま、前半、たいくつだったんですけどね・・
彼がでてきて、会社を案内、っていうとこから、もう、あ、これは、と思っちゃったから、彼の正体は、予想どおりだったんだけど、 へ? リリーさん、っていうのは、予想外でしたよ ww
そんなこんなで、なぁんか、臭いセリフ、そこまでやる? ってのが、
あ~~~わざとだったんだ、っていう、その先、ここぞの、逆転
ただね、逆転って、騙しとは限らないから、これは、予告宣伝が、騙しでしょ、と。
ここも、鈴木ひかるちゃんくらいの頭脳なら、できるかも、と勝手に納得してしまいました。w
アメリカ帰りのご子息が、意外というか、頭いいキャラで、ほぉ~~~~www
たまたまこの日、「ノマドランド」を観た後だったんで、アマゾンが現代経済構造の新手の象徴、というか、マジで、新構造のひとつの要なんだな、と。 つくづく
ってことで、この映画の主役は、実は、彼女・・・ 松岡、だし、小林聡美だし、 ブレないのって強いね、って話になるのよね、自分がどういう仕事していくか、っていう場合。。。
つまるところ、この映画は、 これからの時代に、どう対応していくの? っていうホントに、ためになるお話しだった、とワタシは思います。 編集者も、本屋も、だけど、あなたも、どういう仕事をしてるの? 生き抜かなきゃいけない、そのために、どうしていかなきゃなんないのか、という。。
結果、楽しかった映画でした。 ワタシもガンバロっ w
派閥争い。なの?
観る予定のなかった作品。時間が~原作は未読です。
何故か。引き込まれなかった。どうしてだろう。出演者たちは良かったのに。?
出版会社の生き残こりを掛けて挑んでいくが……。これからはネットを使い世界に展開していく。
と。思っていたら
ちいさな本屋さんで編集出版を兼ねた売れる本を出した。速水から知恵をもらった戦略。
勝者は誰。
最後 出版業界が生き残りをかけての展開を示されないまま終わってしまったので
残念。
本に限った事ではなくて音楽の世界もその一つ。
今や(BTS)のようにネットを使って打って出ないと時代に遅れをとってしまう。
今の時代は先が読みずらい世の中、失敗すると命とりになってしまう。最後に感動が…… 待っていなかった。
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