劇場公開日 2021年3月26日

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「やっぱり、めちゃくちゃ面白いです」騙し絵の牙 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5やっぱり、めちゃくちゃ面白いです

2021年3月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

※追記 2021年3月29日 2回目の鑑賞
※追記 2021年11月26日 Netflixにて3回目の鑑賞
※旧タイトル:騙しじゃないことに騙された

予告の出来が素晴らしく、今年1番期待していた作品。9ヶ月も延期をしてしまい、ついに待ち望んでいたこの日がやって参りました。
ついに3月26日がやって来るのかと、昨日からワクワクドキドキでした。何度予告を見た事か。
映画を見る際にここまで緊張するのは「コンフィデンスマンJPプリンセス編」ぶり。かといって、期待しすぎるのも良くないと思い、ある程度はハードルを下げて鑑賞。でも、ハードルって一度高くなったら下げるの難しいんですよねぇ。

面白い。面白い。面白いんだけど...
予告の出来が素晴らしいというのを訂正させてください。予告は大袈裟すぎます。キャストを目当てに〜とか、原作が好きだから〜、とかの人は純粋な気持ちで楽しめるかもしれないが、正直私は予告を見て観ようと思ったのでショックです。。。

雑誌編集社・薫風社の社長が急死し、社内は派閥争いが繰り広げられる。そんな中で、看板雑誌の「トリニティ」の編集長に任命された速水(大泉洋)は、廃刊の危機を逃れるため奇策を提案する。

役者、音楽ともにピカイチ。
ここまで全ての役者が適役という映画は未だかつて無い。大泉洋も松岡茉優も國村隼も小林聡美も木村佳乃も佐藤浩市も佐野史郎も、全員素晴らしい演技で最高だった。音楽もその場に一番適したものが流れ、テンションは上がり楽しくてたまらなかった。

ハラハラドキドキ1秒たりとも目が離せない展開には拍手喝采。テンポの良さは秀逸で飽きるどころかもっと見たいと思えた。かなりのボリュームで見応えバッチリ。3時間ぐらいの長尺でもっと丁寧に見たかった。病みつきになる脚本で、これは何度見ても面白いだろう。

人間模様の描き方もとても良かった。
今作の主人公は速水では無く、高野(松岡茉優)だったんじゃなかろうか。積極的に話しかけ、成長をし続ける彼女はカッコよく見ていて応援したくなった。
社長・常務・次期社長・編集長と多くの役職を綺麗に組み込んでどれも愛らしく、欠かせない存在だった。特に佐藤浩市演じる機関車トーマツこと東松のコラ画像は笑いました笑 ちゃんといいねもリツイートもしているんだから笑

べた褒めじゃないのと思われると思いますが、評価は★3.5。のこりの★1.5はどこに行ったのやらというわけですけど、欠点はたったひとつだけです。

それは、〈騙し〉要素が薄いということ。
最大の欠点です。あってはならない欠点です
謳い文句として、「速水が仕掛ける大逆転劇」「登場人物、全員嘘をついている」「ラスト15分を見逃すな」とありました。これが嘘です。
まず、速水が仕掛ける大逆転劇。逆転はありました。お!?となり、これからこんなのが続くのか...いいやん。と思ったら、それだけ。騙されはするものの、そこまで大きな騙しじゃない。どんでん返しまではいかないので、思ってたんとは違うってのが率直な感想です。
そして、登場人物、全員嘘をついている。これは嘘です。ややこしいですけど、この文が嘘です。全然、全員嘘をついてないです。まぁ、これに関しては想像通りですけどね笑 2時間で全員嘘をつき、真実を並べるには時間が足りなさすぎる。
次に、ラスト15分を見逃すな。んー、なんなんだよって感じ。この映画で1番微妙な所はラストです。

大どんでん返しを期待していたので、盛大な肩透かしを食らった気分で非常に残念です。
しかし、映画としてはかなり面白く先入観を無くしたら素晴らしい映画です。ですから、予告で上記のような謳い文句を言わず、タイトルも変更して、観客を無理やり呼び込みしようとするのをやめて、「出版社で起こる大騒動」ぐらいにしとけば私は★4.5をやりました。
今年1位候補だったんですけどねぇ。。。

これから見ようと思っている方は、豪華キャスト目当てにだとか、クスリと笑いにいこうだとか、ハラハラドキドキしにいこうだとか、そういう気持ちで見て頂きたいです。悪くない作品なので、騙されたと思って見てみてください。予告であなたは騙されてますけど。あら?そうゆうことか?

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4月見たい映画が山ほどあるってのに2回目見ちゃいました。何故か癖になるこの映画。日が経つほどまた見たいと感じてたまらなくなったので、鑑賞することに。
2回目ということで、予告のことを忘れて生き残りバトルを楽しみつつ、1回目じゃ気づけなかったものを聞き逃さないようにすることを意識します。

やっぱり、めちゃくちゃ面白いです。
本当にこの映画の最大の欠点は「予告」。
素晴らしい映画だから予告に騙されず、これから見る人は楽しんで欲しいです。

忘れられないセリフやシーンが盛り沢山で、見ている時も見た後もずーっと楽しめるガッツリボリューム。
機関車トーマツもいいですけど、ワインや記者会見の後のシーンも良いですよねぇ。リアリティがあるというかかなり真面目な映画なんだけど、笑えるシーンも多くありユーモアが効いているので非常にバランスのいい作品だなぁと感じる。

2回目だと「このセリフも繋がっているのか」とか「ここから思い立ったのか」とか、ラストを知っているからこそ見えてくる部分があって面白い。1回目よりも2回目の方が断然面白い。コンフィデンスマンJPのような分かりやすい伏線回収はしないけど、2回目で気づくという面白さがあるのでこれはこれで悪くない。

まぁ、予告以外にも気になる点は少しあって。
宮沢氷魚は何故そこまで注目の的になるの?とか初っ端の電話は伏線じゃなかったの?とか。あと、ラストの失速感が気に入らない。うお、なるほどなと思わせるような演出が欲しかった。

でもですね、最高な映画なんですよ。
ということで星評価をプラス0.5させていただきます。
細かくつけるなら★3.6→★4.1ですね。
ここまでいい映画だからこそ、悔しいです。
無駄に期待させる予告禁止令を発令したいです。

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やってまいりました、3回目の鑑賞。
Netflixで配信されると知った瞬間思わずガッツポーズ。もうこの時点で気づきました。今年のベストワンは東京リベンジャーズだけど、今年1番好きな映画は何ですかと聞かれたら騙し絵の牙と答えるほど、私はこの映画が好きなのだと。愛してやまない傑作です。

というもの、2回目見てから原作の小説を購入して完読しまして、騙し絵の牙愛が一層増したわけです。
3回目見て思ったのは、やはりこの映画はすごい。
キャラクター数が多く、重圧で、濃厚かつ大胆で完璧な原作からよくここまで作り替えられたなと。

確かに、かなりカットされている。
2時間未満の映画なのでもちろん当たり前のことなのだが、個人的に好きな相沢が映画ではチョイ役でしか登場しておらず、ちょっとショック。久谷ありさももっといい味出しているし、もっと重要キャラいるんだけど...と言い始めたらキリがない。

でも、それが凄い。
高野恵との愛人関係や家族の破綻、速水の過去などの本筋とはズレている部分は思い切って全カット。取捨選択がパーフェクトで、更には映画オリジナル要素をたんまり詰め込んで原作の良さも最大限活かしつつ、新たな「騙し絵の牙」を展開している。吉田大八監督の秀逸さに驚くばかり。原作を読んでからの方がその凄さに気づける。本当にすごい。監督は心の底からこの作品が好きなのだろう。世界観は完璧に再現。だけどもストーリー展開も内容もラストも違う。それでこんなにも面白い。脱帽です、頭がありません。

文芸の素晴らしさ、出版業界の厳しさ、人間関係の複雑さ、全てが相まって最高のエンターテインメントとなっている。予告の大詐欺が無ければ、もっともっと高く評価されていたはずだ。ここまで満足感が得られる作品はそう見られない。1から100まで本当に面白い。3回見てもまだまだまだ面白い。3回見ても衝撃的。何度だって見たい。いくらでも語れるこの映画が私は大好きだ。

個人的2021年ベスト映画ランキングではランク10位圏外に入れていましたが、やはりめちゃくちゃ面白い映画でしたので、ランク5位に大昇格しました。本当にこんな最高の映画を作ってくれてありがとうございます。吉田大八監督、もっと映画を撮って下さい。あなたは邦画界に必要な人です。

サプライズ
サプライズさんのコメント
2021年4月17日

コメントありがとうございます!
ですよね〜。予告によって観客を増やしているのに、予告で損してますよね。面白いだけに残念...

サプライズ
サバさんのコメント
2021年4月17日

私も予告見て楽しみにしてたんでめちゃくちゃ同感です。
確かにすごく面白かったんですが、予告は大袈裟すぎましたよね。

サバ
サプライズさんのコメント
2021年4月12日

コメントありがとうございます!
ある意味騙されましたよね笑 こういう映画ならそう宣伝すればいいのに、何であんな作りにしてしまうんだろうか...。勿体ない

サプライズ
ikuzou0999さんのコメント
2021年4月12日

私も同感でした。真面目な映画だったから、予告とのギャップにまさに騙された⁇のかなぁ!

ikuzou0999
サプライズさんのコメント
2021年4月3日

コメントありがとうございます!
明らかに場所が違ったので別のシーンを繋げたんだろうなぁとはなんとなく思いましたけど、やっぱりあって欲しかったです笑
かなり真面目な映画でしたね。私はこれはこれで結構好きでしたが、予告からだとコメディを期待してしまう人も多いかもですね

サプライズ
ゆたぼーさんのコメント
2021年4月3日

人を騙してそんなに面白いですか!
めちゃくちゃ面白いですって、それぞれ別のシーン!!予告を見る限りコメディみたいな感じだったけど業界の裏側の争いを描いた平凡な普通の話?

ゆたぼー
サプライズさんのコメント
2021年3月30日

ですよね〜笑 え?こんだけ?って感じです

サプライズ
サプライズさんのコメント
2021年3月29日

騙し合いと聞くとどうしてもコンフィデンスマンJPを想像してしまうので、自然とハードル上がっちゃいますよね笑

サプライズ
rimiaeさんのコメント
2021年3月29日

僕も「コンフィデンスマンjp」のような映画を求めていましたが、全く騙し合いしてませんでしたね。

rimiae
サプライズさんのコメント
2021年3月28日

ですよね笑 ハードル上げすぎです笑

サプライズ
kossyさんのコメント
2021年3月28日

予告は煽りすぎでしたよねw

kossy
サプライズさんのコメント
2021年3月27日

ホントそうですよね。無駄に期待させるのは返って逆効果でしょうに。
あ、そうなんですね!初耳です。だから監督の意図とは違う予告が生まれてしまうんですね。納得。映画館の予告だと見ない訳にはいけないので、やむを得ないですけど出来ることなら予告ってあんまり見たくないですよね笑
もうこれから騙しを謳い文句にするの禁止にして欲しい!

サプライズ
だるまんさんのコメント
2021年3月27日

まったく、、、最近の映画って予告で台無しですよね。
最近知ったのですが、予告は監督が作るのではなく、予告を作る職業があるらしいです。大風呂敷はこのせいですよね。
YouTubeなどの予告は観ないでいくのですが、他の映画の前に流れる予告は観てしまうので、残念です。
特に「あなたは騙される」って予告は、「騙されないぞ」と思ってしまうので最悪です。

だるまん
すなぎもさんのコメント
2021年3月27日

ほんと同じ感想です。もっと尺の使って丁寧に補足やら心情やら描いてほしかったし『騙し』要素がね〜😰
それでも面白かったと思えたから余計に残念でした。
ほんと予告って上手く作られてる😄

すなぎも