「白石和彌監督が誰よりもこの時代と物語に憧れている」止められるか、俺たちを ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
白石和彌監督が誰よりもこの時代と物語に憧れている
スクリーンから熱が迸る傑作青春映画。若松プロのことは何も知らない自分でも最高に楽しんだ。門脇麦を主演に据え、繰り返される「お前は何が撮りたいんだ?」という問い。女性神話のゴールとして、彼女が「自分=真に撮りたいもの」を見つけるのだと思っていたら…驚いた
若松プロにおける両親的な立場の井浦新と山本浩司が不在の時に、若手だけで語り合い、夜中のプールに潜る(『卒業』オマージュ?)一連のシークエンスが、門脇麦にとって子供でいることを無条件で許される最後の時間だった。結果的に大人になることを拒否する彼女が繊細に描かれる様に心を打たれた
井浦新が完コピで演じているという若松孝二の魅力もよく表現されていて、彼を中心に彼等の時代と物語が動いていたんだろうということが感じられる。それはきっと白石和彌監督自身が誰よりもこの作品で描かれるものへの憧れを抱いているからではないか?と思う。そりゃ面白くなるよな
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