「映画の力を教えてくれたレジェンド」止められるか、俺たちを 財団DXさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の力を教えてくれたレジェンド
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事実が基になっているため、一つの物語として起承転結に乏しいのは仕方がない。だが、決してインテリでない若松監督がオリジナリティに怒りと憎しみと自身の思いを込めて、映画をこの世に残した姿は、一生自分の胸に残り続けるだろう。
時には売れるためだけの映画を作る。時には世間に対する怒りを込めた映画を作る。若松プロは映画に助けられ、映画に殺され、映画に生きる。単純明解でない人生が描かれている。パンフレットで井浦さんが語っているが、『こんな人たちでも作れるなら俺にも出来る』と(失礼かもしれないが)不思議な勇気をもらえたのも事実だ。
門脇麦山本浩二・毎熊克哉・藤原季節・満島真之介といった絶妙な布陣が、若松プロは の無二の空気を醸し出していたように思えた。
めぐみが『何千何万という言葉じゃ伝わらない思いが映画のワンカットに写ってしまう。映画ってすごい。』と言っていたように、かつての誰にも止めようのない若松プロが永遠に刻まれた映画だった。
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