劇場公開日 2019年5月31日

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「ドキュメンタリーとして素晴らしい」氷上の王、ジョン・カリー くにさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ドキュメンタリーとして素晴らしい

2019年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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知的

豊富な映像、写真、本人の手紙、関係者の証言を丹念に積み重ねて伝説のスケーターの輝かしい足跡とその裏の壮絶な葛藤、苦悩が描かれるが、何と言っても貴重なパフォーマンス映像が素晴らしい。「男が華やかに踊るなんてみっともない」と言われた時代にこんなに美しくエレガントな演技をするスケーターがいたとは。競技者時代は当時ジャッジの何人が東か西かで勝敗が決まるといわれた不公平な採点、スケートにかかる費用や練習場所の苦労、プロ転向後はフィギュアの芸術性を追求したカンパニーの赤字、リンクを取り囲む無粋な広告などカリーが直面したフィギュアの諸問題は現代にも通じていて興味深く、これを見ずしてフィギュアは語れない。

くに