劇場公開日 2019年1月18日

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「岡崎京子の怪作」チワワちゃん 茉恭(まゆき)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0岡崎京子の怪作

2020年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

上映期間に観忘れていた作品でしたが、超えられない壁、岡崎京子原作作品ですな。
彼女の脳内はいったいどんなことになっているのか、岡崎世代の私には、
もっとも興味のあるところなんですが、
このチワワちゃんはその最もを表現した作品だと思います。

ネットが氾濫する現代に於いて、
相手の本名や家族構成すら知らないなんてフツーのことで、
ただ、亡くなったということで安易に傷ついたふりをして見せる…。
もう、本当に虫唾が走ります。
彼女との関わりを掘り下げて初めてわかる事実が、
仮に生きた状態であったとしても、誰かが手を差し伸べられたのか。
ただただキラキラした虚空の世界で、逃げることしか術を知らず、
この先の未来に怯え、頭を使わずにできることしか選択しない彼らこそ、
あぁ、いるいると劇中、頷いてばかりでした。

そういった世代の深い部分を、
どうして50を過ぎた岡崎京子が表現できるのか(当時は30代でしたねw)
未だもって謎です。ホントに謎。

原作はさておき、
キャステイングもよく出来た作品と思いました。
門脇麦が老けて見えるなんて、これまでない立ち位置でした。
彼女のスタイルは目を見張るものがあったはずなんですが、
それ以上のスタイルのチワワちゃん、お見事でした。
そしてクズをやらせたら日本一の池松壮亮の次世代を、
成田凌がしっかり受け継いでいますなw
どうぞ全女性から嫌われてくださいw

劇中の、
「女の子は気を遣って疲れるし、男の子は消耗する」のセリフ、
すごく響きました。

と、スマホの見せ方が秀逸で、この監督すげーなとも付け加えておきますw

茉恭(まゆき)