「個性が詰め込まれた作品集」ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間 ゆぅいさんの映画レビュー(感想・評価)
個性が詰め込まれた作品集
スタジオポノックが描く3つの短編集。作品を観ていると、3人の監督それぞれがスタジオジブリの監督や作品をリスペクトしているのが伝わってくる。3作品以外のOPや作品の繋ぎ目、EDといったちょっとしたシーンも手が込んでいる。少し物足りなさを感じるが、短い時間で温かさがぎゅっと詰まっている作品集だった。
1作目『カニーニとカニーノ』
ちいさなカニをの兄弟の冒険を描いたお話。大きな滴や巨大な天敵は『借りぐらしのアリエッティ』を彷彿とさせる。台詞こそ少ないがカニーニやカニーノの表情が豊かに表現されており気持ちが伝わってくる。冒険でできたハサミの傷は英雄の証。大きな自然で生きるちいさないのちを感じる作品だった。大きなお魚がこわい…。
2作目『サムライエッグ』
卵アレルギーを持つ主人公のシュンが卵と向き合うお話。絵はまるでたまごのような柔らい雰囲気。個人的にシャトルランの場面の音楽がまるでシャトルランのようでお気に入り。お母さんのダンスシーンからはアレルギーの息子を守る力強さと包み込む優しさを表現しているように感じる。
3作目『透明人間』
1作目、2作目と比べて少し暗い雰囲気で始まる。誰からも認識されない主人公を見ていると少し怖いような悲しいような気持ちになる。透明人間は赤ちゃんを救った英雄。赤ちゃんは透明人間を救った英雄。色々と考察することができ、もう少しじっくりと観たいと感じる作品だった。
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