劇場公開日 2018年8月24日

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「正直物足りない」ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間 よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5正直物足りない

2018年8月25日
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鑑賞方法:映画館

単純

昨年、メアリと魔女の花で長編アニメ映画デビューを果たしたスタジオポノックが今年は短編集を劇場公開。メアリが中々惜しい作品だっただけにポノックには期待しており、短編集とは言え観ないわけにはいかない。

まずは【カニ】だが、小さな川に住むカニを擬人化したお話。なんて事ない小さな川底が、小さなカニ目線だとまるでファンタジー世界のフィールドのように見える演出はお見事。
同監督作品である『借りぐらしのアリエッティ』などもそうでしたが、普通の風景を人間と違う目線の主人公視点で見せる事で異世界に頼らずファンタジー世界っぽさを出すのが上手い方です。
映像面もジブリを思わせる手描き風の美しい背景。今後もこの方向で続けて欲しいです。
時間が短いので内容的には超絶シンプル。登場人物は全員カニ語を話し、日本語は一切でないのですが、殆ど名前を叫ぶだけで強引に会話を成立させており、どうせならもう少しカニ語を作り込んで欲しかったですね。

2本目の【タマゴ】は卵アレルギーの男の子の話。ファンタジー要素は一切無しで、アレルギー持ちの子供のお母さんは大変だなぁという話。正直『ちいさな英雄』はさすがに大袈裟なテーマだと思う。

3本目は【透明人間】の生活を描いた作品。透明である事以外に色々特性があるようですが説明は一切無し。まぁ観ていれば大体分かります。三本の中で一番、短編はキツそう。時間が足りない。

三本とも各監督の個性が出ていて中々良い出来だったと思うけど、三本合わせて1時間未満という短さもあって正直映画館で観る作品では無い。動画見本市とかのイベントで公開するような作品という感じ。
次はまた長編アニメを作って、その次も長編アニメを作って、いつかジブリの後継となって欲しい

よもぎ