影踏みのレビュー・感想・評価
全69件中、1~20件目を表示
様々な要素が不気味に立ち上がっていく前半部は見応えあり
主人公は言葉数が少なく、感情を表に出さない。笑顔もなければ、人前で泣いたり、苦渋の表情を浮かべることもない。朴訥とした無表情ぶりゆえ、彼が腹の底でいったい何を考えているのか推測しにくい部分が多いのだ。翻って、山崎まさよしがスクリーンに映し出された時、その「感情の読めなさ」といった点がよく表せているように感じた。彼の経歴などが少しずつ紐解かれていく点も、役者として山崎まさよしがそれほど消費され尽くしていないからこそ、興味深い「得体の知れなさ」となって観客の興味を募らせる。とりわけ山崎と竹原ピストルが交わす演技は、それが俳優としてのセオリーを超えているからか、巧さではない旨さがある。
なかなか事件の全貌が掴めない前半は、様々な登場人物が入り乱れ、どこに向かって進むのか分からぬゾワッとする面白さがあったものの、それが後半、ややありきたりの展開に収まってしまったか。魅力はあるのにどこか惜しい。
ギュギュっと詰め込み面白かった
ストーリーの流れに沿って解説じみたレビューを書こうかと考えていたが、とても文字制限内に収まりそうもなかったのでやめた。
それだけ上手く時短して約二時間の枠に収めた作品だったと思う。
修一が乗り越えなければならないことは、弟、母、自分、そして久子だ。それらを事件の捜査に乗せてほどいていく。
一番分かりやすいのがスタンガンを持った誠との場面で、その状況で久子は全く関係ないのに誠のセリフで久子のことが頭をよぎるはずだ。
そんな感じで事件の究明と修一の変化を同時にこなすのは本当に上手くやったと褒めるしかない。
終盤、修一は久能に対して自己弁護にもなるセリフを吐く。そうすることでやっと自分が20年つまずき続けていたものに気付き、エンディングに向かう。
母のことも弟のこともしこりのようにしてしまっていたのは結局自分なのだ。
過去を乗り越え歩み出す感じは、鶴見辰吾演じる馬渕との会話にも表れる。「あの時は正義だと思ったよ」と、過去形だった。
そして20年止まったままだった時が動きだし、ラストシーンになる。
だいぶ遅れてきた青春。そう青春映画だったね。
不満点としては、まず、多くの方がレビューに書かれているように、何故に主演が山崎まさよし?だ。
滅茶苦茶演技が下手だとは思わないけれど、特に上手いわけでもなく、作中で歌うのかなとも思ったが、歌わず(エンディングは歌ったけど)よく分からない。
山崎まさよし主演で集客が見込めるとも思えないんだけど、そんなことないのか?
まあ、くたびれた感じの役のイメージには合っていたとも思うのでそのせいかな。
次の不満は、時短の影響をモロに受けて、久子の掘り下げが足りなかったどころかほとんどなく、よく分からない謎女になっていたことだ。
半端な描写をせず、むしろいさぎよい気もするし、物語の中心である修一と少しズレる部分なので、どうでもいいと言えばどうでもよかったが。
あとこれは不満ではないけれど、映画でしか知らない横山秀夫ではあるが、自分が考える横山秀夫作品とちょっと違うなと感じた。
本作が軟派だとは言わないが、もっと硬派なイメージの作家さんだったから。
ネタバレを避けるためにところどころ曖昧な書き方になった。意味がわからなかったらごめんなさいね。
盛り過ぎかなあ
双子だけでなく兄弟姉妹でも出来の良し悪しあるよね!
ながら見してたら?になって
ストーリーを理解するのに時間がかかった
しっかり鑑賞すればいいのについスマホを触ってしまう
録画していたので何度か気になるところを確認してやっと理解できた
キャストを確認せず観たので、小さな驚きがあった
暇つぶしにはよいと思う
気分乗らないから歌うのヤーメタ‼️❓この主演と脚本がミステリーだぜ‼️❓
生きて向き合え、残された者のつとめ
犯罪者では世間は通らない
双子にしか分からないもの
シンガーソングライターの山崎まさよしが、久しぶりのスクリーンでの主役を務めた、横山秀夫原作のクライム・サスペンス。
夜な夜な民家に忍び込み、盗みを働く『ノビ師』とよばれた真壁修一。そんな彼が、なぜこんな盗みを働くようになっちたのか、彼が抱えてきた20年前の出来事へのトラウマにスポットを当てて描いている。
ある夜、県会議員邸に真鍋が盗みに入った際に、そこの妻が自宅への放火現場に居合わせ、制止する。それをきっかけに、真鍋は逮捕されるのだが、拘留中もその女の事が気にかかっていた。それと同時に、20年前の自分の身に降りかかった出来事が覚醒し、その忌まわしいトラウマと対峙していく。
双子には、双子にしか分からない阿吽の呼吸を感じ合えるのと同時に、同じ思考による相互への反発や敵対心も生まれる。そこを、本作品の柱としながら、なかなか面白いシチュエーションで、啓二役の北村匠海が、大切なキーパーソンとなって描かれていく。また、真鍋を心から慕う、健気な女・久子を演じる尾野真千子の役割も、とても大きい。
また、久子への一方的な思いを寄せる文房具屋の久能を演じる滝藤賢一や真鍋の仕事仲間の大室を演じる中尾明慶なども、サスペンス要素を盛り上げる役柄を演じている。その他にも大竹しのぶ、鶴見慎吾、竹原ピストル、中村ゆり、藤森涼子等、演技派の俳優が脇を固めている。
久々に出くわした感じ
原作読んでからが良かったかも
わかりにくいなぁ…と思いながら観てたら、文具屋でやっと『そう言う事...
泥棒が刑事の真似をするなんて・・・お前はルパンか?
篠原哲雄監督作品は結構好きなのですが、サスペンスは似合わない気がした。序盤の忍び込みのシーンはうまいけど、その後の警察や刑事たちの雰囲気がどうも緊迫感が足りないと感じました。竹原ピストルも棒読みっぽい感じで・・・
主人公「ノビカベ」こと真壁修一(山崎まさよし)に付きまとってる弟分・啓二(北村拓海)が実は20年前に死に別れた双子の弟だということがわかる。似ていなくても十分わかる最初の驚きでしたが、この弟の死因についても徐々に明らかになってくる。そして「影踏み」の意味とは何なのか・・・弟が泥棒だったという事実!
もうこの設定だけでお腹一杯になり、幼なじみの刑事・竹原ピストルを誰が殺したのかもどうでもよくなってくる。事実、犯人が判明しても「ふーん」といった感じで、興味が失せてしまった。それよりも元恋人・久子(尾野真千子)の心の移り変わり、求婚をストーカーのように迫ってくる遠藤憲一の狂気の方が物語を面白くしてくれるのです。
一卵性双生児の心情や、放火殺人という恐怖に母親の愛情、と登場人物の心も色々と対照的であったり、尾野真千子と中村ゆりという貧乳・巨乳の対比もお見事。しかし、暴力団関係ではシノキという人物が登場しなかったりして、裏の社会の描き方は不自然だし、社会悪に対する批判要素もなかった。最も悲惨で共感できたのが、焼死体を火葬場で焼くという不条理に怒りを見せるところだったでしょうか・・・北村拓海がここでもいい演技だったなぁ。もちろん大竹しのぶの演技も強烈でした。
後半が、、、
全69件中、1~20件目を表示