「恐ろしいほどのバカバカしさ」スターリンの葬送狂騒曲 にっしんさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしいほどのバカバカしさ
スターリン体制後の権力争いのバカバカしさが史実に基づいているところが、怖い。どうしても昨今の粛清と呼ばれる恐怖の権力が浮かんでくる。「過去に恐ろしく愚かで悲しい人間がいた」ではなく、現在も似たような世界があるのではないか、人間として誰もが「生きること」が認められているはずが、支配者の価値観次第で抹消されているのではないか、「リスト」に載らないようにただただ、おびえながら支配者の意にそぐわないように息をするだけの人生が今でもあるように思ってしまう。監督のアーマンド・イアヌッチは政治風刺で評価されている人。ここでも昨今の嫌な空気に警鐘を鳴らしているはず。
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