「大杉漣さんの辞世の句…のような映画」教誨師 still_ontheroadさんの映画レビュー(感想・評価)
大杉漣さんの辞世の句…のような映画
クリックして本文を読む
まず,“教誨師”という言葉を初めて知った。
『おくりびと』を観た時に,“納棺師”という言葉を知ったのに似ている。
死刑囚が,悔い改めて,心穏やかに,死刑執行の日を迎えられるように面談を行うのが,その役割だが,囚人の経緯も様々であれば,現在の心境も色々,宗教だって,一般の日本人だとすれば,仏教,あるいは神道,キリスト教位で,無宗教だというものもいるだろう。
主人公の教誨師はプロテスタントの牧師であり,ミスマッチも多いと考えられる。
“死”,“死刑”を前にした人に,聖職者であれ,向き合うことは,とても難しいことだと思う。
犯罪を犯し,死刑を前にして,いかに死に向き合うかというのは,簡単に答えの出るものではない。
そのように促すことは,自分自身の罪悪感(原罪)の記憶を呼び覚ます。
有限の存在としての人間,死刑制度,人間の業,深く考える間もなく映画は終わったが,答えは見つからない。
ところで,映像の中でよく倒れる卓上カレンダー,ここ数年,自宅で使っているものとそっくりでびっくりした。Quo Vadis製かと思ったが,自宅のものと比べると少し横長だったので,違うものだったかもしれない。
でも,大杉さん,良い役者だ。
ご冥福をお祈りいたします🙏
コメントする