「芸術と戦争」この道 フライトキャットさんの映画レビュー(感想・評価)
芸術と戦争
クリックして本文を読む
詩を愛し、音楽を愛した2人が「道具としての芸術」を作ることは本当に辛いことだっただろうと思いました。
目が見えなくなってしまった北原白秋に、軍服を見られなくて良かったと告げる山田耕筰。2人で夕焼け空を見上げるシーンでは思わず目が潤みました。
北原白秋・山田耕筰の他にも「弟よ」で有名な与謝野晶子、北原白秋の弟子萩原朔太郎や室生犀星など、戦争で苦しんだ作家たちが多数登場するのも面白かったです。戦争の気運に従った作家、反した作家、反し続けることができずに転向した作家。作家たちのなかにも様々な生き方がありました。
誰にとっても辛かった時代を文学者たちはどう生きたのか。作家同士の絆や思いやりがよく描かれていて、あたたかい気持ちになりました。
重苦しいタッチではありませんでしたが、これも一つの戦争の姿だったのかなと思いました。
コメントする