「丸ごと全部召し上がれ」アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
丸ごと全部召し上がれ
どこまでもハッピーで笑いの多い中にも深く心に刺さるテーマがあって、スッキリした気分で劇場を出た帰り道に少ししんみり考え込んでみたり。
ラブコメとしてもお仕事ムービーとしても楽しめた。まず設定が面白い。
ポヨンポヨンボディで「絶世の美女になった!」と狂喜乱舞するレネーにアチャーと思いつつ、バチバチにキメて自信満々に過ごす彼女に惹かれてワクワクしてくる。
物語が進むと自分の愛し方は変わるけど、それがとても素敵な形になるのが本当に嬉しく、勇気が湧いてくる。
男女美醜問わずきっと誰の心にも響くあのスピーチには熱い涙が溢れた。ありがとうレネー!
ただ、気付きのシーンはもう少し時間を割いて重要に扱って欲しかった。
いざ自分に置いてみると、なかなかこうもいかないだろうとも思ってしまう。
美への執着は無いと思うけど、毎朝鏡を見て自分の外見が可愛かったら…と空想してしまうのはなかなか止められない気がする。
美人になるのが夢なんて悲しすぎる、との言葉に心臓を突かれたような気持ちになった。
上手くいかないことも多いけどバッチリ化粧して好きな服着て背筋伸ばして生きていきたい。そう思っていいのかな。
自分の好きな部分も嫌な部分も丸ごと愛してみたいし愛されてみたいな、なんてグルグル考えた。
結果ポジティブな気持ちになれたのでオールオッケー。
しかしレネーの自信満々の性格とパフォーマンス、もし本当に超絶美人だとしたら果たして周りに受け入れられていたのかな、というのも疑問ではある。
結局人を判断するのに外見が大きな要素になっているのは紛れもない事。その良し悪しは置いといて。
そこを自分なりに上手く磨いたり利用したりして良い方向に進んで行きたいけど。
とりあえず圧倒的な美を持った人の気分は一度でも味わってみたいものだな、と結局現金な考えにもなったりする。
悪い人のいない登場人物一人一人が魅力的。
絶対に乳首を隠したいイーサンが可愛い。「怖すぎる…」の言葉に笑う。たしかに。
イーサンに向かってマウント取りまくるグラントの中途半端な立ち位置がニクい。かっこよかったな…。
セレブ育ちで庶民感覚に疎いエイヴリーの純粋さと人の本質を見抜く力、ハイトーンボイスがとてもチャーミング。
ずっと気になっていたのが、ナイスバディになった(と思いこんだ)のに服のサイズはそのまま着ていて疑問に思わなかったのか、ということ。
自分の体型に合わせて手持ちの服も変化して見えたのかな。なるほど羨ましい。