「とにかく元気が出て勇気がわいた」アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング 天秤座ルネッサンスさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく元気が出て勇気がわいた
日本では2年前に交際されたエイミー・シュマーのコメディ映画「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」を観た時に思ったことが、そのまま「アイ・フィール・プリティ」として映画になった!とでも言いたい気分だ。
「エイミー、エイミー、エイミー!」を観た時に、決して美人ではないし容姿やモデル体型とは程遠い現実的なボディを、悲観するどころか堂々とミニスカートを履いてヤリマン女を演じたエイミー・シューマーのことを実に痛快で爽快だと思ったし、彼女が堂々としていればいるほどに愛らしくそして美しく見えたものだった。そちろん彼女はそれを笑いに変えながら。
そしてそれはそのままこの映画のテーマに通じていた。人がハッピーになるかどうかは容姿で決まるわけではない。自分に自信を持ち、胸を張ることこそが、自分をハッピーにさせることだし、美しささえも、自分らしく自分を磨いて自分を愛している人を(少なくとも良識のある人は)美しいと感じるものだ。俯いたまましかめつらでは確かにだれも魅力を感じない。顔を上げて胸を張って笑顔でいればその人は確かに魅力的だ。理屈ではわかるけどさ・・・と思っても、それをエイミー・シューマーが見せつけてくれると、なんだか本当にそうだと信じられてくる。そして勇気が湧いてくる。見終わって素直に元気が出たのを実感した。別に容姿にコンプレックスがあるわけでもないけれど、それでも生き方として勇気がわいた。今日一日辛い仕事を乗り切るためにお気に入りの靴を履いたり、頑張った自分へのご褒美に服を買ったり、自分に自信を持てるように体型維持を頑張って、誰も見ていなくてもそれでも自分を好きでいるためにそんな自分を諦めないで生きてる。そんな私を肯定してもらえた気になった。
美人=性悪で、そうでない人=善良みたいな短絡的な解釈ではなく、美しく生まれた人にもコンプレックスがあったり、モデル体型ではなくても「美しい」と言ってくれる人がいたり、主人公レニーの変化も、美しくなったと思い込むことで自信を持つだけでなく、かつて自分を卑下していたものが他人を蔑む感情へ変わっていくなど、なかなか幅広い価値観を描いていてそれにも好感を抱いた。こういう「質」というよりも「好感」という意味で「面白かった!」と感じられる作品もあっていいし、コメディ映画ならば寧ろそっちの方が大事かもね?なんてことを思った。☆は3.5にしたけど、好きですこの映画。
あとは、今まで見せたことのないような演技を見せる実力派ミシェル・ウィリアムズも見所です。