劇場公開日 2018年7月14日

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「難病と闘いながらもどこまでも朗らかな子供たちを見つめる優しいドキュメンタリー」子どもが教えてくれたこと よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0難病と闘いながらもどこまでも朗らかな子供たちを見つめる優しいドキュメンタリー

2020年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

重い病気を患っている子供たちに寄り添うドキュメンタリー。主人公はアンブル、イマド、シャルル、テュデュアル、カミーユの5人。肺動脈性肺高血圧症、腎不全、表皮水疱症、神経芽種といった大人でも耐えがたいような難病を日々戦っているが彼らには悲壮感が全くなく天使のように朗らか。冷たい病院の廊下でもキャッキャと跳ね回っているし、普通に友達とじゃれ合ったり立腹して罵ったりもする。普通の子供たちだけど背負っているものが他の子たちとは違うし、決して逃げることは出来ない。幼いながらも彼らはそれをちゃんと理解し受け入れているがゆえに元気に生きている。時折辛い症状に苛まれても次の瞬間には病室を外に飛び出していく。難病を扱う作品にはどうしても悲壮感が漂いますが、これにはそれが全くない。そこがとにかく清々しくて、胸の内があったかくなりました。

監督はアンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンという方。二人の娘さんを難病で失うという悲しい経験をお持ちで、自身の体験を綴った本がベストセラーになっているそう。映画は本作が初監督。奇を衒ったところは何もなく、静かに子供たちを見つめる優しさが感じられる映像がとても印象的でした。子供たちはみんなとにかくキュートでしょうがないですが、彼らの周りにいる医師、看護師、両親、兄弟みんながとにかく愛情たっぷりで子供たちと向き合っている姿も美しくて、ニコニコしながらも瞼は腫れ上がってました。地味ですがジンとくる作品です。

よね