「中毒性のある映画でした」パラレルワールド・ラブストーリー ちかえさんの映画レビュー(感想・評価)
中毒性のある映画でした
初めは、2つの世界が目まぐるしく入れ変わり、今はどちらの世界なのかを把握するのに必死だった。しかしそれが主人公の困惑を共有し、早く真実を知りたいという焦りにも似た思いを抱かせるストーリー展開は見事だと感じた。
俳優陣の魂のこもった演技も印象に残る。それぞれが苦悩と憂いを、体当たりで演じていて、気迫を感じた。特に主演の玉森くんは、普段の爽やかで綺麗なイメージとは違い、顔を歪ませ苦悩し弱っていく姿はとても痛々しいのに、どこかとてつもない色気を感じた。理屈ではなく見ている人を惹きつける力を感じた。また吉岡さんは明るい陽のイメージがあったが、色んなものを背負った抑えた演技、言葉が少ない中たたずまいでしっかりと演じていた印象。染谷さんは見事な演技力でしっかりとしたキャラクター像を演じきっていたと感じた。
鑑賞後1日が経った今、鑑賞直後よりもその演技、表情が頭から離れず、すぐにでももう一度見たい、あの感覚を味わいたいという思いが溢れる。
制作側、そして俳優陣の細かなこだわりは一度見ただけでは味わい切れるものではないと感じた。
何度も見たくなる、クセになる映画だと思う。
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