「なんでもありの”ごった煮”感が満載。イタリア版アカデミー賞受賞作」愛と銃弾 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
なんでもありの”ごった煮”感が満載。イタリア版アカデミー賞受賞作
冒頭にナポリの全体像を映し出し、そのままの流れで地上の教会を見下ろすという重厚なカメラワークにビックリ。クレーンなのかドローンなのか分からないが、出だしの一発で「おっ、なんかやってくれそうだな」と期待値が高まる。
このまま骨太な展開が続くかと思えば、今度は棺の中の死体が歌い出し、他の登場人物たちも感きわまるとすぐに歌い出す。それでいてドラマはコメディやメロドラマの系統を組み、だがノワール風の暗黒街映像になると途端にスイッチが入って、セリフの中で『ゴモラ』などの映画やドラマを引き合いに出すほどの黒光りなタッチに。
つまり、なんでもありの全て詰まった福袋的な怪作なのだ。正直、日本人にとってクセの強い映画とも言えるが、これにノレるかどうかはもう観客次第。インド映画を堪能するような気分で臨むのがちょうどいいのかも。これほど現地でイタリア人に囲まれながら見てみたいと思わせる映画も他にないだろう。
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