「家族関係の難しさを描く」ナポリの隣人 Rosaさんの映画レビュー(感想・評価)
家族関係の難しさを描く
数年前に旅行したナポリが舞台というだけで観に行ったが、家族の問題を扱ったかなり重たいテーマの映画だった。ヨーロッパ的な作りの映画で、台詞や人の表情、行動、風景や街の雰囲気などを通して、間接的に観客に多くのことを感じさせ、考えさせようとするような映画。結末も、アメリカや韓国の映画のような、ドラマチックだったり、明確なオチみたいなものがあるわけではなく、静かに、しかしじんわりと観る者の心に伝ってくるものがある。普段は韓国映画ばかり観ている私ですが、これはこれで大好きな雰囲気の映画でした。
主要な登場人物である、主役の老人と娘、隣人家族などを演じる俳優さんたちの高い演技力、存在感、印象を強く残す表情など、素晴らしい役者さんたちだと思った。
原題の「La tenerezza」の意味を調べたら「優しさ」でした。人と人が関係を保っていくには、それが家族であっても(むしろ家族であればこそ)、相手の弱さや過去の過ちなども含めて、全てを受け入れる優しさ(受容性)が必要だということが、この映画の伝えたいメッセージだろうか。
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