空母いぶきのレビュー・感想・評価
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佐藤浩市以前の問題
かわぐちかいじは「沈黙」以来のファンです。単なる戦争ものに留まらず、日本の立場を考え抜いたストーリーと登場人物はいつも唸らされます。
そうした原作の深さが、申し訳ないですけど、ほとんど感じられませんでした。佐藤浩市の発言で話題になりましたが、それ以前の問題です。
おそらく映画化にあたって中国をどう扱うかが最大の問題になったと思います。そして、ここを改変したことがすべての問題の元凶だと思われます。
まずタイトル。そもそもの前提を改変するなら、そのまま空母いぶきではまずいでしょう。サブタイトルをつけるなりして、原作から離れた設定であることを言わなきゃ、観客は原作を期待してきます。
前半に音楽をつけなかったことに意味はあるのでしょうか。音楽がないので、場面場面をどう見ていいのか迷いました。現場の緊迫感とコンビニの日常感が混ざり、逆に緊迫しているはずの場面が、間が抜けて見えています。リアリティーを追及という名の失敗した演出だと思います。
それから初島に向かい、拘束された自衛官の救助という当初の目的が途中からほとんど語られません。撃たれても撃ち返すか迷うという判断が最大のテーマですが、そればかりに終始して、例えば初島まで何キロとか、リミットまで何時間とか、見る導線を作って、そもそもの前提である救助に急ぐ中での判断を見せないとストーリーになりません。
それから敵や初島の状況に全く触れないのはなぜでしょうか?
マスコミやコンビニの場面を入れるくらいなら、そうしたかわぐちかいじの真骨頂である、相手との心理戦をきちんと描いてほしかった。
相手も空母いぶきに脅威を感じており、そうした軍拡競争と心理的恐怖が戦闘の原因であるという心理が全く見られません。
記者が垂れ流した動画で世界が動かされたみたいな安易なストーリーははっきり言って辟易としました。ひどいリスク管理だし、そこを狙うのが空母いぶきの艦長の役割でしょうか。
佐藤浩市の下し気味演出も上手くいっていませんね。気弱な首相が成長する演出にしたかったのかもしれませんが、最初は緊張感がなく、彼の背景が分からないだけにただ眠いだけにしか見えません。
そうした提案を役者にさせたのも貧弱なストーリーと演出が危機感を役者に与えたからではないでしょうか。
文句はまだまだあります。
アメリカがアジアにおける軍事プレゼンスを下げようとする一方、中国の驚異が強まっている現在、そうした中で日本にも空母いずもが就航するこのタイミングで、この漫画を映画化する意味合いは極めて大きい。素晴らしい目の付け所だと思います。
だったら、フィクションだとうたって、原作通り作ればよかったんですよ。どうせどこかの誰かが弱腰になって、圧力に屈したんでしょう。そんな作品、面白いわけがない。
自分は原作を改変することに抵抗はありません。ただ結論やメッセージが違うなら、別物として作ればいいと思います。
今のままなら、かわぐちかいじ、空母いぶきをエサにした駄作だとしか言えないでしょう。
チープすぎる
原作無視もいいところですね。
中国軍という設定が東亜連邦って新興国に変わって中国が日本の領土を侵害して始まる大国対日本の構図もこれじゃ台無しじゃないですか。
いまの世界情勢を鑑みて描かれてる世界観とか緊張感がここで先ず削がれてしまってます。
映画としてみても脚本そしてテンポがチープすぎますね。
これじゃ俳優さんたちがかわいそうです。
佐藤浩市さんの演技も原作の厳しい状況に決断をしていく感じが出ていない。真逆のキャラクターとしか思えなかった。
とても残念。
佐藤浩市さんが何と言おうとここは演出としてキッチリとこういう意図があって脚本が作られてるんだと強く出てほしいと今作では思いましたね。
映像的にみてもチープなCGでしたしこれじゃダメでしょって突っ込みたくもなります。
もう一度原作を読み返して作り直して欲しいと思ってしまう様な内容でした。
俳優や原作からは期待してはいけない。
2時間に12冊ほどの原作が入らないのは理解した上で鑑賞したがまさかの幕切れだった。俳優陣は揃っているのに活かしきれていない薄い内容の映画になっている。原作の対中国の内容を斬新に書き換えてあるとのことで、ワクワクしながら鑑賞に言ったはずが、DVDや地上波テレビで充分。特に戦闘シーンはCGがクソすぎるくらいのレベルで学生の課題で作るレベルで醒めてしまう。日本映画が好きな私ですが、同じ脚本、俳優でハリウッドで映画にしてほしかった。
ここまで曲げては観る価値はない
たとえばこれは、「太平洋戦争(大東亜戦争)」と称して、朝鮮半島軍がなぜか爆撃機を運用できて、広島・長崎の町に原爆を落として物語が始まり、翌日には米ソが日本を助けにきて解決するようなもの。
そのくらい「おい話が違わねぇか?」ってなる。観ていられなかった。
楽しめてる人には悪いけど、原作を意図的に貶めた者を賛美しているようにしか映らない。
ファンタジーとして観ようとしても、まぁつまらなかった。
なによりあの船が「いぶき」と呼ばれる度に、大事な作品が小馬鹿にされるような、悲しい気分なった。
消化不良
コミックの内容からどんな映画にするのだろうかと思っていたが敵対する勢力の顔が殆ど出てこない不思議な映画でした。時間の制約が有るのは分かるけど戦争の起こる経緯や感情の描きかたが浅いように思います。人間対人間の闘いが戦争なのだから侵略者の側も少しは描いて欲しかった
まあ評価出来ます
原作は読んでませんが、映画自体は脚本もそう悪くないと思います。
原作を読んでる方の酷評が凄いので、面白くないのか?と思ったけど、そんなことは無かったですよ。
ここ数年日本のSFXも進歩してきたようで、昔のビデオゲームみたいなCGからは格段に良くなったと思う。自衛艦の水上走行シーンとか艦首のアップシーンとか、迎撃ミサイル発射のシーン、戦闘機の空中戦闘の場面、潜水艦の場面など。アメリカのILM社から見たらまだまだですが・・・。相手のミサイルを全弾命中とか話がうますぎるのも有るけど(笑)やったあという達成感は伝わってきますね、音響も昔の安っぽい破裂音からは進歩してる。
ただ敵の死者の数を心配ばかりするアホな副長!こんな奴は真っ先に撃たれて死ねばいいと思った。こちらが譲れば相手も譲るかもというのは日本人だけの発想であり、中国人は一切譲らないから 譲る=弱さとみる中国人には通用しない。しかしなんで中国とはっきり表現しないで"東亜連邦"などとごまかすのか?
仮に中国から抗議受けたって その中国自身毎年毎年 日本を名指しした反日映画を大量に作っているのだから逆に抗議すればいい話で
一番おかしいと思ったのは先にレビューでも指摘のあった護衛艦に旭日旗が見当たら無いこと どんな戦争映画でも護衛艦でもっともアピールすべき旭日旗を写さないというのは中国に遠慮したのか韓国に遠慮したのか情けないと思う。実に嘆かわしい事。
そのラストに登場する国連軍の潜水艦にはなんと中国の国旗が・・・・ここまでやると映画制作費には中国からの資本もあったのかという疑問も出てきますね、自衛隊からの協力は無かったそうですが旭日旗を映さないなら協力は出来ないという内情もあったのかと思う。
来たる2021年には日中戦争が起こる訳だから、むしろ中国軍の残虐さを徹底的に描いた方が自衛隊に対する支持率が高まる。現実に平成25年に"石垣島、宮古島上陸訓練"を行ってる人民解放軍、同じ年、習近平独裁者は全軍に対して日本との戦争に備えよ!と檄を飛ばしています。平成27年には戦略爆撃機6機を紀井半島沖まで侵入させておりいずれ東京空襲を実施するつもりだ、いま中国国内ではいかにして日本人を殲滅させることができるか、軍人レベル学者レベル一般レベルで議論が活発だ。
いぶきの副長の考える相手をおもんばかって、軽微な被害にしてやろうなんてこれっぽっちも思ってない。
また観たい
原作のファンで、心待ちにしてした公開日に観に行きました。
国際的なテーマを扱っている為、映画化するあたり難しい問題が多々あったかと思います。
それでも映画化を実現してくださった製作陣やスポンサーの方々、迫真の演技を見せてくれたキャストの方々に敬意を表します。
映画の感想としては残念ながら、演出の甘さを感じました。冒頭の、日本の領土が不法に占拠されたという事件だけでも、もっとキチッと演出して欲しかった。ここが致命的に甘く、何に対して戦っているのかという部分がボヤけており、物語全体の緊張感が欠けてしまっている気がしました。
ネタバレですが、いぶき甲板上の捕虜とのシーンは、若干無理があった気がします。。捕虜を誰も取り押さえないし、負傷者の救護はきちんと為されていたのか、この隊員の動きの悪さはなんだと、正直苛ついてしまいました。
色々書きましたが、決して面白く無い映画ではありません。役者さんの演技も素晴らしく、戦闘シーンも迫力があり、あっという間の2時間強でした。国防について、平和とは何か、考えるきっかけになります。
映画を通じて伝えたい何かは、色濃く出ていたと思います。原作のファンであるがゆえの、個人的な期待とのギャップはありましたので、原作とは違うストーリーであることを前提に観ると、良かったのかもしれません。また改めて観てみたいです。
原作を読まれていない方が、この映画を観て原作に触れるきっかけになってくれたら嬉しいです。本当に面白い作品なので!!
空母いぶき
少し前からやっているハンターキラーと比べると物足りなさを感じてしまった。メインは空母ということで海自と空自の現場を再現してなら特殊効果は素晴らしかった。しかし、初島に敵が上陸し占領されて海保が捕虜になってしまったというならば陸自の第1空挺団がパラシュート降下で夜な夜な侵入して敵の占領したアジトを破壊工作して海保を救出し奪還するようなシーンも欲しかったです。敵の捕虜に簡単に撃たれてしまうシーンは頂けない。そこは自衛隊の格闘シーンアクションなどの見せ場が欲しかった。これではまだまだ洋画に勝てません。
自衛隊の、素晴らしい映画がどんどん出て来ることを願っています。
回避する強さ
原作未読
島嶼国家カレドルフが周辺国と結束して設立した東亜連邦という国家共同体が、海上保安官を拿捕した上に波留間群島の初島なる島を占拠。
海上警備行動で派遣された戦略的空母いぶきを含む第5護衛艦隊と武力衝突する話。
専守防衛、戦闘と戦争の区別等、有事に於ける葛藤と判断が如何にも原在の日本らしく設定・展開しリアリティがある様に感じるし緊迫感があって面白い。
戦闘シーンも迫力はあるのに淡々としているハイテク感とかなかなか見ごたえあって良かったんだけど…。
前線や政府の緊迫感との対比や身勝手さの表現というのはわかるけれど、吞気なコンビニの描写を頻繁に入れられるのはジャマくさいし、内戦や紛争という意味では現在も世界中で戦争が続いている訳でエピローグの記者絡みの件は白々しいし。
エピローグはほぼいらなかったかな。
おまけで1.5レベル
久々、映画館で見て損したレベル。
緊張感0%
テンポの良さ皆無0%
無駄なシーン75%。
間伸びシーン、ほぼ全体95%
チープな脚本、ほぼ全体99%
今の現実が分かっていない度100%
マジでこの脚本は原作に失礼。小学生レベル。
最後のシーンは、マジでひどくしばしフリーズします。
全くつまならい作品に仕上がってました。
残念につきる。
外国人は観ないでほしい、国益に影響するやばいレベルです。
漫画のいぶきファンは絶対行ってはダメです。
チャラい映画、現実感皆無の 中身はチープなショートムービーです。
全体的にまあまあ楽しめるのでは
見おわった印象として、
・新興国が空母含めた軍隊維持出来る訳ない。
・現代の戦闘では攻撃側が圧倒的有利なのに専守防衛を盾に
敵側を思いやるのは危険極まりない。
・映画製作の予算不足で艦内設備をピンボケでごまかしてる。
・味方の危険を顧みず相手を思いやる佐々木蔵乃介演じる副長が
うっとおしいが、もっとうっとおしいのはコンビニ店長中井貴一
といっても、戦闘シーンは一杯あるし、国家が本来的に有する自衛権に基づく戦闘(右)、国連中心主義・武力以外の紛争解決(左)といった左右いずれの主張も程よく混ぜて、まあまあ楽しめる作品に仕上げたなという印象。
ちなみに佐藤浩市が演じる首相には特段の問題はない。
原作は殺された。長く苦しい時間だった。
始めの30分で「あぁ...もう十分、早く帰って原作読み直したい...」という気分になりました。
とても残念な作品です。
劇場版ってのは、原作をここまで変えることが出来るんですね。
全くもって、「空母いぶき」でやる必要はありませんでした。もうオリジナルでやってくれれば良かったのに…
楽しんで観てこられた皆様には大変に失礼ですが、この物語の流れにリアルを感じられたなら、私は貴方がたと距離を置きたい。
特に、「最後には国連が駆けつけて助けてくれる!」という脳内お花畑な設定に切り替えたのが反吐がでそうです。ウーマン村本氏じゃあるまいし。
そうしないと映画として尺が足りないのは分かりますが、ならば無理に映画としてまとめる必要はないわけで...
何でこんな作品にしたぁ!私は悲しい!
原作に比べ酷い出来
ひどい内容。終始それに尽きる。
まず海保の船、武装してるよ?馬力もすごいよ?
燃料の積載量も漁船に比べたら桁違い。甲板の高さも違う。簡単に乗り込めないよ?
当然船自体が武装しているだけでなく、乗組員丸腰じゃないよ?
どうやって偽装(武装)してるとはいえ漁船に拿捕できるんだよ?
全力で逃げることもでけるだろうし想像できないよ。
もはやファンタジー
で、盾のシーン、魚雷は水の抵抗受けるしスクリューだから遅い。
魚雷着弾訓練を普段からしている自衛官。
死者2名、重軽傷者15名、軽傷者多数。うん、納得。
さてさて冒頭のいぶきの甲板ど真ん中にミサイル着弾、回避の余裕も何もなく着弾。
死者ゼロ?何それ?どんな奇跡?
この時点で防衛出動だろ?
艦を離れるといった直後に看板に出た記者、戻るわって何もなく?何それ?
100社から2社が選ばれて…他のシーンもひどい有様、おバカ発言連発。
こんなバカな記者行かせないだろ?
政治家相手には政治記者、自衛隊に同行する記者がこんな馬鹿なわけ無いだろ?間違ってる?
芸能人の一日〇〇みたいな客寄せパンダなキャラじゃないよね?
コンビニの平和ボケ演出用の店長。
役者の無駄遣い。違和感しかない。
もっと必要な演出あったろう?
格納庫でF35を二人で眺めながら会話する艦長。
イヤイヤ周りは必死に穴が空いた甲板とエレベーター直してるはずですよ〜?
静かすぎて記者も艦長も観客も「着弾して改修中」なの忘れてません?
記者さん〜貴方が出た看板はてんやわんやの大騒ぎのはずですよ〜?
ほらほらトップニュース撮れますよ〜
着弾した被害はその程度かよ。どんな甲板だよ。
大和じゃないよ?
撃たれた自衛官、イヤイヤイヤイヤ…周りの自衛官含め諦めんなよ。
延命措置しろよ。死んでてもその対応はないだろ?
覚えてないか?秋〇原の事件、必死に延命措置してたろ?
ニュース映像にも心打たれたよ…
血まみれになってそれでも助けれませんでした!って演出なら解るよ?
キレイな制服で言われてもねぇ…
何それ。
原作のオマージュを注ぎ込みたいのもわかるけど。
もう少し練り込もうよ。
後、終始淡々と盛り上がりもなくただただ淡々と。
盛り上げようよ。感情移入できないよ。
起承転結って知ってる?
音楽もさ…何なんだろうね。
最後国連?何それ結局平和ボケで他国任せの日本で終わった。
ジパングのアニメみたいに完結できなくて、むず痒くても嫌だけど、こんな終わり方はないわ。
ジパングはアニメがきっかけで全巻読んだわ。
結果的に良かった。
今作は「映画のみ」ツッコミどころが多すぎて多すぎて…
お金返して。レンタルで良かったよ
ジパングのアニメ監督に撮影依頼したほうが良かったんじゃないの?
『永遠のゼロ』以来、誰もが観て何かを感じてほしい素晴らしい映画。
豪華過ぎる俳優陣とそのテーマでぜひ観たかった初日舞台挨拶上映に参加。佐藤浩市さんの問題発言炎上で今回登壇自粛という上映前から物議を醸しだ話題作。戦後の日本とは?憲法とは?日本の子供たちにとっての未来とは?そして平和とは?と痛烈なメッセージとともに起こり得るかもしれない臨場感に吸い込まれる物語。日本が置かれた現状と闘う人々の深過ぎる台詞に終始、涙が止まらなかった。『永遠のゼロ』以来、誰もが観て何かを感じてほしい素晴らしい映画。
福井さん絡みでしたかー
やれ原作、やれ佐藤浩市、やれ本田翼(ん?)と言われていますが、原作を知らないもので結構入り込めました。後はアレかな。元自衛官だからもあるかな。
佐藤浩市の総理、良かったと思えました。コンビニやらも入り口こそは「うへ~」でしたが、メッセージカードでOK。惜しむらくは、飛行甲板の一件位かな。エンドロールで福井さんの名前を見掛けて、それも「あぁ…」とはなりましたが。
専守防衛の難しさとそこを突き詰めた練度の高さ、一見後手後手に見える行政機関の対応も大変さが垣間見えた様な気もしますしね。
それでも原作ファンはキツイとは思いますが、観て感じて語れば良いのかな、なんて思いました。
最後に必要なのは冷静の先にある冷徹さ
【ビッグコミック 5/25号のP7のインタビューより一部を抜粋しました】5月27日追記の追記になります。
※近くの本屋さんで返品前の在庫があったので読むことが出来ました。昔ながらの個人経営の書店があって助かりました。
私は、原作との比較とか中国に対しての向かい方等について、何かを語るだけの知識も見解もありません。ただ、佐藤浩市さんのインタビュー記事についての多くの批判的なご意見について、色々な意味合いで恐怖心が拭えません。
最たる恐怖は、真実は誰もわからないのに、ある筋の解釈が一定数の総意となって、防御機能を持たない特定個人への過激で一方的な攻撃となることです。
私という書き手の恣意性(意図的な解釈)が疑われるかもしれないので、余分なコメント抜きで著作権に触れないと思われる範囲で、記事からの一部引用を記します。
「安部首相への揶揄(笑い物にする)」「ある難病を患っておられる方がたへの差別」にあたるような内容なのか、ご意見をいただけたら幸いです。
❶『ーー総理大臣は初めてですね。
佐藤 最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね。でも、監督やプロデューサーと「僕がやるんだったらこの垂水総理をどういうふうにアレンジできるか」という話し合いをしながら引き受けました。そしてこの映画での少し優柔不断な、どこかクジ運の悪さみたいなものを感じながらも最終的にはこの国の形を考える総理、自分にとっても国にとっても民にとっても、何が正解なのかを彼の中で導き出せるような総理にしたいと思ったんです。』
❷『ーー総理は漢方ドリンクの入った水筒を持ち歩いていますね。
佐藤 彼はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうって設定にしてもらったんです。だからトイレのシーンでは個室から出てきます。』
❸『ーー劇中では名実ともに「総理」になっていく過程がえがかれます。
佐藤 これはある政治家の人から聞いたのですが、どんな人でも総理になると決まった瞬間に人が変わるっていうんです。それぐらい背負っていくものに対する責任を感じる、人間というものはそういうものなんですね。』
以上❶❷❸の順でインタビュー前半を終え、後半は映画を観る人へのメッセージだけです。
私にはこれらのくだりから、現首相や特定の難病患者を揶揄する(笑い物にする)、という意図は窺えなかったのですが、感覚的におかしいでしょうか。
お腹が弱いこと、漢方ドリンクを服していること、現首相。
この3つの要素が揃うと、その難病のことを指す、というのが世間知として一般的なのかどうか私には分からないのですが、仮に常識と言えるほどの関連性があるのだとしても、映画の中での描かれ方において、笑い物にしている、ということはなくて、寧ろ、ストレスフルな状況の象徴的な意味合いで描かれていました(少なくとも私にはそう見えました)。
もしかしたら、この難病の方にとっては、頻繁にトイレに行くことなどを大げさに騒ぎ立てられたりして、学校でいじめられた経験などがあり、不快な思いや辛い経験を想起させられることもあるのかもしれません。そのことに関して何かを語る資格は私にはありませんが、映画を見る限り、病気や患者の方を揶揄する意図は制作スタッフにも佐藤氏にもなかったと思います。
垂水総理は、体質的なストレス耐性の弱さを克服して(症状が治ったわけではありませんが精神的に、という意味です)最後は自衛隊の最高指揮官(法令上の名称として正しくないかもしれませんがご容赦ください)としての責務を果たし、国民の平和と安全を確保した自負に溢れていたわけで、先入観なく映画をご覧になった方にとっては「現総理への揶揄」という意味がなんのことかよく分からないと思います。しかも、最後にはあと3年この国の舵取りを総理に負託する、とまでこの映画は宣言しているのです。もし、現総理のことを模しているのなら、積極的な支持の表明ということになりませんか?
インタビューの中で佐藤氏は、総理というものを語る一面について、ある政治家の人に聞いた、と言ってますから、もしかしたら、現首相が漢方ドリンクの水筒を持ち歩いていることをその政治家から聞いて、リスペクトの思いからこの映画にも取り入れた可能性もあるのではないでしょうか。
いずれにしろ、ビックコミックのインタビュー記事の部分的な印象、或いは誰かの解釈を真に受けてしまった方が、佐藤氏に関する批判をあれこれ〝断定的〟に語るのは決して褒められたことではないと思います。
以上、5月27日追記➕5月29日一部加筆削除。
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なんだか一般的な映画レビューに比べて随分感情的なコメントが多いのでびっくりしました。
私は原作も佐藤浩市さんの発言のことも知らぬままに鑑賞、単に映画から受けた印象だけですので、お断りしておきます。
最近観たばかりの『ハンターキラー』とつい比べてしまいますが、アクションヒーローものではない分、状況設定や起こり得ることについてのリアリティはこちらの方があったと思います。ただし、ミサイル迎撃の精度などがどこまで事実に近いのかは判断しようがないので、現役の自衛官の皆さんのご意見などをお伺いすることができれば嬉しいのですが、どなたか投稿していただけないでしょうか。
この映画が一番訴えたかったことは、国民の命を守るために必要なのは、何よりも冷徹で合理的な判断だということなのではないでしょうか。
戦闘現場の自衛官も、外交交渉に臨む政治家も、正義や理念や熱い感情の昂りもモチベーションとしては大事だが、国民の命を守る方法としては交渉相手のこと、次の展開のことなとすべてを総合的に判断したうえでの最適な選択肢を選ぶことが必要だということなのだと思います。
総理の病気のことを揶揄しているというご意見も多いようですが、本当にそうだとしたらとんでもないことですが、それだけのプレッシャーの中でさまざまなことを判断していることへのシンパシーという可能性はまったくないのでしょうか。真実は分かりようもないですが。
とってつけたような青臭くて、ある意味ベタな正論的内容の会話も確かに多いように感じましたが、我々が普段の生活の中では気恥ずかしくてとてもじゃないが言葉にしないことを敢えて言語化して聞かせるために仕組んだのだとしたら、なかなか技巧に優れた脚本ということですね。
生半可でもいいから、たまには憲法や平和や戦争における人命(憎たらしい敵の命だからといって、単純に攻撃していいのか?)について考えてみようではないか‼️
そう問われていると思って観れば、なかなかに味わい深い作品です。
これが日本の戦闘 (海と艦の話)
自衛隊を全力で肯定しています。専守防衛とは何なのかを極めてリアルに見せてくれます。かつ、その限界も教えてくれます。総理も官邸もメディアも、各々の立場で正しく行動します。安保理が平和維持行動を取ります。この映画の何処にも、間違いを起こす日本人は出て来ません。
この映画を、人々に見て欲しくない人達が多い様子。だいじょぶです。私達日本人が持つ武力は、どうあるべきか。一つの意見を、しっかり見せてくれる映画でした。
本田翼を、初めて可愛いと思ったのと、深川麻衣がキュートだったんで★一個オマケした!
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5月26日 追記
「人殺しをしない自衛隊」「人間くささがあり独裁者じゃない総理」。これは特定の活動家の皆様にしてみれば、気に入らない内容でしょうよ。
相互確証破壊(MAD)と言う「化石的概念に基づく長期戦略」に従って海洋進出と侵略を止めない中国は助けに来る訳ない?イヤ、喜んで来るでしょ。で、居坐わる。
国防の最前線で起きそうな事。専守防衛の現実。国防に於いての「平和憲法」の無力。などなど。あくまでも、一つの側からの解釈と予想として、見る価値は、ある。
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