「なぜ「空母いぶき」の名を冠したの?」空母いぶき 勝手にエロクマさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜ「空母いぶき」の名を冠したの?
佐藤浩市の演技が当時の総理を揶揄とか難病を侮辱してるとか、なんかイデオロギー絡みの場外乱闘が繰り広げられているけれど、そんなことは見当はずれの空論だ。
実際そんなこと、言われなければわからないし、言われたところで「これが彼なりの反体制の?」と訝るくらいどうでもいい。
問題なのは空母いぶきを騙っておきながら似ても似つかぬ作品に仕上がっていることだ。
敵が中国から架空の国にすり替わったことを、マーケティングの上で仕方ないとか弁護している人がいるが、そんな言い訳しなきゃならない時点で駄作だと思わないか?
表現の自由を守れだの、反体制だの、安全な相手には威勢が良いが、圧力かけてくる相手には自主規制して尻尾を振る。
そこまでして作りたかった「空母いぶき」なんだろうが、観てみると原作との乖離が酷くて、空母いぶきを作りたかった理由と言うのが見えてこない。
いわゆる原作レ◯プと言うやつなんだが、この原作はこうすればもっと面白い、という信念に基づいてやってるんだろうけど、これがさっぱり面白くない。
原作人気に乗っかって、自分が考えた最高のシナリオを披露したかったのかもしれないが、原作のファンからしたら詐欺としか思えない。
もはや日本では、才能ある人間は漫画やアニメに行ってしまって、実写映画界には出がらししか回って来ないのだろう。
その証拠に、日本映画の歴代興行成績を見るとトップ10のうち7作品がアニメ、今回鬼滅の刃に10位の踊る大捜査線が押し出されるだろうから8作品がアニメになる。
実写映画を作ってる方々には申し訳ないが、自分達は面白い脚本が書ける!なんて自惚れは捨てたほうが良い。1から勉強しなおしたほうがいいだろう。
最後に一つだけ。
首相を揶揄して(いるんだかいないんだかよくわからない演技で)反体制を表現するくらいなら、毅然とした立派な指導者を演じて「さすが佐藤、あの総理の演技はシビれるね〜。それに引き換え本物は…」と唸らせるのが、俳優としてのレジスタンスではなかったか。