「終戦の日に、平和について考える」空母いぶき 第三砲塔異常ナーシ!さんの映画レビュー(感想・評価)
終戦の日に、平和について考える
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8月15日に、不戦の誓いを守り続ける我が国を誇りに思い、その最前線で日夜訓練を続け、時には世界の安全に寄与する自衛隊の架空の葛藤を描いた作品を観てきた。
戦前と戦後で、日本の仮想敵は大きく変わったが、変わらない国もある。ロシア、中国だ。中国とは尖閣の「領土問題は存在しない」というのが一貫した我が国の見解だが、あれだけ毎日海上保安庁が船を出さないと奪われかねないのなら「領土問題は存在している」という考えもできるのだろう。京大などリベラルの学術施設がそう認識し、入試問題の答えを「領土問題は存在する→正解」とした件が社会問題となったことは、記憶に新しい。
すなわち、尖閣は国家単位でこそ問題視していないが、リベラルから見れば中国が睨みを利かせて領土的野心を隠さずに迫っているのを、その都度でかい船を寄越して圧倒し、何とか守っている場所である。その船の燃料は我々の血税である。中国はハッキリ言って我が国の防衛費を嵩ませ、経済的に弱らせている敵だ。
それなのにこの体たらくはなんだ。北西には中国がいるから、南から攻めてくる敵をつくりました!という発想への切り替え、中国は存在するけど尖閣を狙わない!という特殊な設定。どれをとっても原作からの改変は、2時間ちょいに納めるためのものではなく、中国相手にビビって譲ってしまったものだ。(厳密に言えばロシアにも、だ。最後に潜水艦よこすには、ロシアも合意してるはずだからね。)
あの国々がそんな良心的に日本のためにうごいてくれるという幻想がまず自衛隊の葛藤を描く作品として、適切ではないと思う。観ていてマヌケだなぁと感じてしまった。呆れてしまう。
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