「アリんこでも眺めていた方が有意義」空母いぶき 工業さんさんの映画レビュー(感想・評価)
アリんこでも眺めていた方が有意義
なんかすごい両極端なレビューの映画だった。
前情報をわかりやすくまとめてくれてた人のレビューを見る前に読んだので、何人かのそれをなぞるような評価しかできないのが情けないところだが・・・。
・病弱な垂水首相
原作ではその設定はなく、安部首相の難病の症状を暗喩しているとも言われる。
体制側の人間を演じることに抵抗のあった佐藤浩市さんは、これでしっかりと体制側を演じる気分に持っていけたそうだ。しかし、演じて見せたのは終盤まで情けのない首相だった。あれでよかったのか?
そして、体制側への反発をインタビューで話し、自分を納得させるために原作の設定を改変したと紙面でぶち上げたこと、小学館のアフナーフォローが不適切であったことがアダとなり、思想的なモノを映画に持ち込んだとして映画公開前に炎上した。このためだけに、彼は大切な舞台挨拶にも出てこられなくなったそうな。
この難病の暗喩を怒る人たちはアベサポといわれ、そんなものはない!と庇う人たちはアベガーと言われるそうだ。
しかし、どちらに付く気もない。何も感じなかったというのが正直なところだ。ほんのわずかなシーン改変だ。それで満足したなら、そんな些細なことを何故公言したのだろう。そのせいで炎上して舞台挨拶雲隠れとは、口が商売の俳優としては失格である。
・謎の標的の準備
尖閣諸島という設定は変えず、侵略国の名前だけを変えた。謎の標的に変えたが、もともとあった侵略国はキチンと存在する。するものの、尖閣諸島に戦略的野心を燃やしていない。なぜだ?太平洋に出て行くためには尖閣はきみたちにとった必要だろう?なぜ野心がないんだ?
むしろその国は日本の同盟国よりも仲間意識が高い。もはや親友、兄弟だ。
映画関係者たちね、その国を相手に果敢に戦った、君たちのご先祖様にどう顔向けするんだい?私が英霊なら君たちの枕元に仲間を連れて総立ちするよ。震えて眠れ。
・本来の侵略国が、24時間したら仲裁にやってくる
上記の「謎の標的」が目的もなにも不明なまま暴れ、空母いぶき艦上から発せられた愛のSNSが日本を救ってくれる。いぶきが、ではなく、世界(国連)が救うのである。ならもうタイトルは亡国の空母いぶきにしといてくれ。
いくら完結してない作品だからって、この終わらせかたではいぶきが浮かばれない。(浮かんではいるけれども。)
この映画におけるいぶきは、ただ護衛艦に
守ってもらうばかりのSNS発信箱、すなわち無用の長物になるじゃないか。
あ、もしかしてタイトル艦が活躍してはだめだとドコかから圧力でも受けたのかい?
・肩章は日本国旗、自衛隊旗は見せない
彼らは・・・JAXA職員かな?調査船ちきゅう船内じゃあるまいし、作業服に国旗はおかしいだろう。映画関係者は海自艦内を見たことがないのかな。肩章はごく当たり前に旭日旗ですよ。
旭日旗ダメって喚く国なんて一つしかないって防衛省のホームページに書いてあるよ?たった一国の不可解なわめきちらしに配慮する必要ってあるのかい?この映画はその国の原作じゃないんだよ?
バッサリ言うと防衛省の、日本国の方針と真逆の認識でいるんだよね。この海自ものの映画は。
それでも配慮したってことは、これはネットゲーム「world of warships」のやってる配慮と同じものになるね?
映画関係者の旭日旗に対する認識は、元ソ連領のベラルーシに籍をおくネットゲーム会社と同じ程度なんだね?
映画関係者とこの映画をよくわからずに擁護してるレビュアーさん。君たちは私と日米の敵と見なしてもいいかい?その程度には不愉快だったよ。
・コンビニシーンの挟む頻度
中井貴一は大好きなんだ。声が良い。だからこそ、今回はすっこんでいて欲しかった。 思うに、コンビニシーンは0回でよかった。全く持って心に響くものがないよ。
クリスマスなら戦争が終わるのかい?無慈悲にも終わらなかったから歌や曲になったんだよ?
・安っぽいCG
沈黙のステルスでもそこまで同じシーン使い回さなかったんじゃないかな。海自に発射シーン借りてきた方が安上がりだったろうに。まぁこの構成では貸してもらえんのは目に見えてたんだろうけどさ。
・我の強い演技派俳優たちのバラツいたままごと
個人をほめたたえるレビューは沢山みた。私は俳優の演技はあまり気にせず楽しむ。酷評だった「青鬼」でも気にならない程度にニブチンだ。よほど棒読みでない限りはあまり着目しない。それなのに上記が気になるもんだから俳優にまでケチがついてくる。
ニヤニヤ艦長、グズグズ記者、ムニャムニャ店長、メリークリスマス店員。あ、「いてまえー」連呼厨も忘れずに。あれは何回もやられるとすごい不快だったよ。俳優やってるなら気づかないものかねぇ。プロじゃないよ彼ら。もしくは嫌がらせのプロだ。
幼稚園児~児童くらいまでならば微笑ましくて許せるだろうけど、あれでお金もらったらダメでしょ。
映画は、見る人の中で何かがひっかかったらそこで止まってしまう。終わってしまうのだ。
そのことがよくわかった。
・こんな映画にIFなどもったいないが
私が謎の国の海軍の偉いさんなら、日本なんてやっかいな相手を敵にせずに、もっと軍隊の弱そうなアジア小国を狙うね。まぁ、そうしたら空母いぶきですらなくなってしまうが、もともと既にコンナモノ空母いぶきじゃないし、いいんじゃないかな。
・結論
こんなに時間がたつのがゆっくりな映画はそうない。しかも、身につく感動が皆無なのが許し難い。
イヤなら見るなって言葉もあるだろうが、面白いから見ろっていったのはお前等だからな?
この時間は、アリさんでもぽけーっと眺めてた方がよほど有意義だった。