「監督の目がとても残酷」ともしび お転婆さんさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の目がとても残酷
クリックして本文を読む
賑やかな刺激など一切ないけれど、落ち着いた日々を過ごしていた初老の女性。そんな彼女の暮らしに僅かのヒビが入り、それがどんどん大きくなっていく。曇り空の下、そんな時間が澱みながら進んでいく様子を描写するカメラがとても陰鬱で怖い。
さらに、監督の目はもっと残酷。しょっぱなから老いたシャーロット・ランプリングのアップから物語が始まる。美の化身のようだったひとの、皮膚の皺、関節の弛み、艶の無さ…そんなものどもを情け容赦なく細かく撮っていくカットのひとつひとつも、物語の残酷さをいっそう強めている。
コメントする