ペンギン・ハイウェイのレビュー・感想・評価
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森見登美彦ワールド
予告で気になってはいたけど公開日知らず。
ツイッターで話題になってたのを見て思い出したので鑑賞、原作未読です。
映画が始まるまで知らなかったのですが、森見登美彦さん原作の様で、
彼の持つ独特な世界観がそのまんまスクリーンに現れているような印象。
四畳半神話大系とか夜は短し歩けよ乙女とか、よくアニメ化できるなぁと関心したものですがこの映画も負けておりません。
アニメの表現力ってすごい。
物語としては序盤からよくわからない展開で、
中盤もよくわからない展開、さらに終盤までもよくわからない展開で、
全体的に何が起こってるのかわかる部分のほうが少ない印象なのですが
物語のテンポの良さやキャラクターの魅力、世界観の表現等でグイグイ引き込まれてしまう映画でした。
訳がわからないけど何か面白い、そんな世界観にっぷりと浸かれる映画。おすすめです。
少年とお姉さんと一緒に楽しむ不思議な夏
序盤からいきなり不思議な謎を突きつけられます。そして、解明するためのヒントもないまま、新たな謎が次々に提示されるわけですが、このあたりのテンポが実によかったです。そこに、主人公の少年の小学生らしからぬ科学的な目と思考と落ち着いた語りが加わり、ぐいぐいと物語世界へ引き込まれていきます。少年の声を当てている北香那さんは声優初挑戦らしく、明らかにプロ声優さんには劣る演技だったとは思いますが、本作においてはそれが少年のキャラにマッチし、良い方向に働いていたと感じます。
また、謎を研究する子供たちがとてもいきいきと描かれ、少年がまとめているノートもたいへん興味深く、大人である自分も童心に帰って夏休みの自由研究に取り組んでいるような気分になりました。加えて、少年と深く関わるお姉さんが、蒼井優さんの演技と相まって、不思議な魅力を放つキャラとして印象的に描かれていました。もちろん、物語のカギを握るペンギンも、見た目も動きも愛くるしく描かれ、その行動はまさに謎でした。
こうして不思議な謎が増すばかりなのですが、やがてそれらが結びつき、少年の立てた仮説へと収束していきます。これで謎に対する答えが与えられたわけですが、それでも解明されない謎が残ります。しかし、その答えは観客の一人一人が自由に想像すればよく、なんなら答えなんかわからなくてもよく、そこにモヤモヤした思いはまったくありません。むしろ、すがすがしささえ感じましたし、心が温かくなりました。でも同時に、大切なものを失った切なさや寂しさのようなものも感じました。それはきっと少年も同じでしょう。そして、その思いが少年を少しだけ成長させてくれたのではないでしょうか。
過ぎ行く夏を惜しむ今の時期にぴったりの作品でした。
摩訶不思議でふわっとしたファンタジー
小学生に戻ってもう一度観たい
アニメ以前に芸術作品
結局わからない
少年の心。すごい
自分はすごーく好き!
多少まだるっこしく感じた前半も、後半一気に引っ張り込まれるために必要だったんだろうと、終わってみれば思えてしまうほど、後半は心地よいリズムだった。
これを小説に書いた森見登美彦の才能には、あらためて頭が下がる。変な人なんだろうな。よくこんな話を思いつくよなぁ。
アニメ的な面で自分が気に入ったことは、全編を貫くペンギンを(もちろん愛らしくもあるのだが) 記号のように描いたこと。「人」という柔らかいというか、感情をもち、刻々変化するものと、「世界」という記号化されたもの。それは「海」であり「ペンギン」であるわけだが、その対比を自分は感じた。
そして変な言い方かもしれないが、記号化された「世界」が「人」に憧れというか興味を抱いているような感覚を覚えた。
ここらへんが、何人かの人が「海」を「惑星ソラリス」の海と似ている、と評している理由なのかな。
そして登場人物の魅力。兎にも角にも一貫している「僕」の姿勢。嫌味を感じずに見られるのは、自分も理系だからなのだろうか。
彼ならきっと「海」を解明しお姉さんと会うだろう。…って書いても、観てない人には何が何やらだよね。お姉さんの声の蒼井優にも感心しました。
今年「バケモノの子」的な少年の成長物語の部分を期待して細田守「未来のミライ」を観に行った人は、満たされなかった面を、この映画で堪能してほしいな。
ただし、話はわけわかんないです。でも、最後にはきっとわかった気になれるから、ちゃんと最後まで観ることをお勧めします。
温かく、そしてワクワクする映画だった。一緒に劇場で観てた人の9割が男性だったのも、なんだかうなづける。
やはり暗い館内の明るいスクリーンで観る映画は最高だ
2019/10/21追記
原作者 森見さんだったのか。知らなかった。
理系小説家の面目躍如ってわけですね。
2022/10/6追記
森見さんがこの話を書く上で重要なインパクトになったけいはんなの思い出が、下記で読めることを教えてもらった。いい感じ。
国立国会図書館月報 737/738号 2022年9/10月
「学研都市の思い出」森見登美彦
(リンクは禁止なので、検索してみてください)
昨今のアニメーション映画の黎明期たる作品かと
『ペンギン・ハイウェイ』を観てきた!
絵は気に入っていたがどうだろう🤔
と思っていたが、私的当たりである!
見解難儀な所あれど、とても面白く観覧有意義なり!!
ただ言うなら
「良いおっぱい」であった!
人物から風景の描写に至るまで透明感があり
重く暗い話でも、ストーリー性も合いまりどこか突き抜ける爽快なものがあった
タイトルにもある通り、話の鍵はペンギンであった
作中にも細くはあるが、あのペンギンの在りようをどう判断するかで、この映画は見所が変わる気がした
主人公が年齢若き小学生というところで思うところはあるが
それゆえの
荒々しさや純粋さ、素直になれなさがこの作品の良きスパイスであるように私は感じた。
詳しくはブログにてhttps://ameblo.jp/diana69/entry-12399876035.html
ペンギン・ハイウェイを見つけに行こ
森見登美彦さんの作品は、何冊か読んでいるのですが、本作は未読で、映画化を楽しみにしてました。
一言では、言い表せない、友情、初恋、学園、SF、ファンタジーなどのいろんな要素がてんこ盛りの作品。森見作品ならそれもあり。
でも、一番のテーマは少年アオヤマ君の成長…、それがペンギンハイウェイなのかな…。
どちらかといえば、大人向けの内容だと思いますが、それでも、
ペンギンは何だったの❓
うみは何を表してたの❓
お姉さんの正体は❓
などなど、観終わっても❓が残り、スッキリとはしませんでした。
その分、アオヤマ君のひと夏の成長は、とても爽やかに伝わってきました。
お姉さんのオッパイは、アオヤマ君でなくても、男の子ならみんな憧れます(笑)
原作、また読んでみようと思います。
子供向け風大人アニメ
森見登美彦作品らしい不思議な世界観&超良質なアニメーション
鑑賞直後で、うまくレビューには書けない気が…。
とにかく、すごく大好きな作品。
不思議で素敵で心地よい空気感の続く傑作といっていい作品ではないでしょうか。『カメラを止めるな!』を観た後はこの作品もオススメです!
宮崎駿のようなテーマ的な重さというか重厚さや多層性にはまだ及ばないですが、ポストジブリは細田監督や新海誠監督ではなく、石田監督に期待したいと強く思いました。
とりあえず、鑑賞して印象に残ったところをパラパラと。
石田監督の短編作品『フミコの告白』から一貫した絵に命が宿り躍動する、アニメーションの運動の喜び。
キャラクター達の魅力。
お姉さんの色気と魅力、主人公と仲間達の可愛らしさ、2人のお父さんのかっこよさ。
ペンギンの動きや猫、賢い子供たちの夏休みの研究、ディテールへの愛おしさ。
お父さんの教えのメモや蔵書による演出をもう一度観て確認したい。
赤瀬川原平の缶の中に閉じ込めた世界など、美大出身の監督だからか、直接質問したり聞いてみたいこともいくつかあった。
奈良県が舞台とのことだけど、常滑の焼酎瓶が並ぶ道があった。本当にある場所なのかな。
知多半島出身監督の石田さんと作画の柴山さんの遊び心か?
繋がりがわかりづらいところもあるけれど、原作を読んだり繰り返しみたらわかるかもしれないから、その点は保留。
ファーストシーンからときめいた! ペンギンのいるシュールな風景から...
現代版星の王子さま
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