「ストーリーがわかりにくく盛り上がりに欠ける」ペンギン・ハイウェイ eigazukiさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーがわかりにくく盛り上がりに欠ける
少年が他人の大人の女性を異性として意識し始めることを表現した作品と思われるがオチがわからなかった。主人公の男子小学生「アオヤマ君」が仲良くなった歯科助手の「お姉さん」が近くにいるときにだけ町にいるはずのないペンギンが異常発生することに気が付く。アオヤマ君はなぜペンギンが異常発生するのか調査を開始する。やがてアオヤマ君の住む町に不思議な現象が起こり始めて超常現象がピークになった後お姉さんがいなくなって物語が終わるのだがおそらく少年のオアヤマ君は歯科助手のお姉さんに恋心を抱いていて空飛ぶペンギンは精通の比喩表現なのだと思った。私が小学生のころはそういうお姉さんはいなかったのでこの作品には共感できなかった。少年の恋の芽生えを表現した映画に「崖の上のポニョ」があるがあれも海の生物が登場していた。海の風景には生命の誕生をイメージさせる雰囲気がある。陸は父で海は母のイメージだと思う。両作品は幻想的なアニメーションは魅力だがストーリーがいまいちなのは共通している。アニメ映画「崖の上のポニョ」は幼稚園児の宗介と人魚ポニョの恋の話だ。海にいるポニョが陸にいる宗介に会いたくなって大嵐と大波を起こして宗介に会いに行くシーンはアラレちゃん(1980年代の大人気テレビアニメ「ドクタースランプ アラレちゃん」の主人公)のような疾走感がすごかった。このポニョの疾走は宗介への激しい愛をわかりやすく表現した名シーンである。このシーンは「愛」とは「会い」であり、愛とは会うことなのだと納得感がすごい。会いたくなることが愛なのである。それに比べてこの「ペンギン・ハイウェイ」はペンギンが疾走するがわかりにくくストーリーが謎すぎて盛り上がりがいまいちだった。(感想おわり)