ブリグズビー・ベアのレビュー・感想・評価
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世界が広がる瞬間
○作品全体
世界の広がりというのは必ずしも物理的な広がりだけではない。自分の一部となっているものが自分の知らなかった何かに触れることで違う意味をもつことも世界の広がる瞬間だ。
監禁されていたジェームズがテレビを見たりパーティに行って様々なことに驚くシーンも面白いが、スペンサーとブリグズビーベアについて話したり、映画の特殊効果の存在に触れてブリグズビーベアへの考えが変わっていくシーンが興味深かった。自分の一部になっている作品を誰かと共有できる喜びみたいなものが、ジェームズの表情や仕草から伝わってくるのがとても良い。
作品全体で見るのであれば人の輪の広がりみたいなものが中心となっているのだろうけど、個人的には自分の内だけにある熱意を共有できた瞬間の喜びであるとか、意見交換によって熱意が次のステップへ発展していく様が素敵な作品だなと思った。ブリグズビーベアが嘘番組であったと一度否定されてもなお、好きな物は好きな物として自分の中に存在する心強さみたいなものを感じる作品だった。
○カメラワークとか
・序盤、初めて自室に入るジェームズのカットが良かった。余白の多い空間と胸から上だけ映るジェームズ。ここはジェームズの居場所じゃないというのがにじみ出てるような。
思いがけない傑作
それまで自分の中の全てだったブリグズビーベアが、実は誘拐犯の父による作品だったと知る
開けた世界にはブリグズビーベア以外の全てがあるが、ブリグズビーベアはない
絶望してもおかしくない状況で、主人公はブリグズビーベアの作者が元父であることに興奮する
そして続きは誰が作るのかと。誰もいないなら僕が作ろうと。
初めてブリグズビーベアの良さを共有できる友達もできた
一緒に劇場版を作ってくれるし、これまでの話をネットにアップして広めてくれもした
閉ざされた世界での救いや教育としての物語
(主人公は新しい父とのバスケより、よっぽどブリグズビーや映画作りに夢中)
そして作者の罪によらない物語
(昨今名作の監督がセクハラなりで問題になってたりするが、作品の価値はそれによらないと言うかのような)
監督の作品観が滲み出ていていい
そして映画作製の楽しさ、温かさがいい。
うわぁ、この映画好きだわ〜。
うわぁ、すごいいい映画!観終わって、心があったまる幸せな気持ちになったなぁ。ちょっとウルっとしちゃった。
ジェームスの素直さと、好きな事や物に対する真っ直ぐな気持ちと、その一生懸命さに胸が打たれた。好きな事してる時間ほど至福な時は無いよね。
それでも人の目が気になって、自信をなくしちゃう事もあるけど、人の評価なんか気にせず自分の信じた事を続ける事に意味がある。
スペンサーのトイレでの言葉にグッときた。
「他人の評価なんてどうでもいいさ、君はやり遂げたんだ。」
自分も頑張ろうって思えた。
ブリグズリーベアもかわいいし、Tシャツかわいいから、買おう。
ほのぼの
ホッとするようなほのぼのストーリー
両親だと思っていた人は誘拐犯だった、という重い話のはずだが、重さは微塵もない。
少ししんみりしたシーンもあったが、基本的には、純粋な?楽観的な?主人公が大好きなブリグズビーベアの続きを自分で作るというお話。
友達からのおすすめ
2023年で見た映画の中のトップ3だったらしい。
新しい世界
25年も外の世界に触れず、両親(実は血の繋がってない誘拐犯!)と3人だけで暮らしていたジェームス。周囲には人も住んでないし、家の外は空気が汚れていると教えられている。友達もいない彼は、週に一度渡されるビデオテープを楽しみにしていた。そのビデオのタイトルが、「ブリグズビー・ベア」。
誘拐されて、25年何事もなかったのがすごい。病気になったら。けがしたら。天災に遭遇したら。ジェームスが反抗したら。巧妙に様々な困難をクリアした、テッドとエイプリルは、ある意味すごい。しかも、体操させたり、道徳を植え付けたり、架空ネット上とはいえ人と交流させたり、教育プログラムは侮れないレベル。このエネルギーをもっとまともな方向に使えば良かったのにねぇ。
突然環境が激変して、相当困ったであろうジェームス。一方探し続け、待ち続けた息子でも、変わった言動に戸惑う両親。妹だって突然兄と言われても、ついていけない。こういう場合、他人の方がけっこう付き合いやすい。ジェームスにとって、世界の全てだったブリグズビー・ベアを、面白いと言ってくれたスペンサー。映像方面に進学するスペンサーの助力で、ブリグズビー・ベアの続きを、自ら作ろうと決めた。さあ、ここからまっしぐらに青春ストーリーへ!
ニセ父テッドのファニーボイスを聞けるだけでも、見ごたえのある作品(笑)。じんわりほんわか、笑って泣ける小品。
フジテレビの放送を録画視聴。
ブリグズビーとの友情
偽親や本当の家族の細かい葛藤など必要最低限にして
語りすぎることなくどこまでも優しい世界をみせてくれた
ブリグズビー
異常者の作った洗脳番組、キャラクター
一般的に見たら気持ちが悪いもの
ジェームズは外の世界に出ても
ブリグズビーの素晴らしさを信じた
ジェームズからすれば現実の世界への解放は
宇宙人に捕獲されたようなもの
この世界が正しくて
間違った世界で生きていた
押し付けられるジェームズが辛かったけど
実の家で育っていたら全く違う人間になったはず
もしかしたら真面目なお堅い仕事をしていたかもしれない
この世界の多くの大人は夢を捨てて生きていく
この世界をジェームズには理解しがたいけど
色々と理解しようとした上で
それでも諦めず物語の先を、夢を掴もうと
作ることを心から楽しんでいるジェームズに
周りの皆は心を動かされる
理解しようとする周りの人が沢山いたから
こんなに優しい作品に仕上がったのだと思う
ジェームズがブリグズビーと目を合わせ頷くラスト
君を信じて良かった
そうお互いを称えあってるように聞こえた
温かい作品。
みんな良い人すぎてリアリティはないけれど、ただただ見ていて温かい気持ちになる映画も大切だなと思う。
25歳で初めての世界にすぐ適応したのも上映時間から仕方ないかな。自分を作ったブリグズビーの続きがないのであれば作ってしまおうという発想は凄く良い。あれだけ賛辞を得れるかは別として、ジェームズの心の整理のためにも必要なことだった。スペンスの友達の理想像感がかなり最高。
元父との再会に冷たすぎる感は否めない。誘拐犯でもジェームズの中では育ての親になるはずなのでもう少し何かあってもいいような気はした。
もっと子供向け映画だと思っていたから、良い意味で裏切られた。逆に子供と見るには難しいけど、どこか希望を持たせてくれるような作品。
タイトルなし
赤ん坊の頃に誘拐され、それ以来、外の世界と断絶し、誘拐犯夫婦の作った教育テレビに出てくる熊のSFブグリズビーだけを見て育った青年。解放後も、ブグリズビーの続編を求め、自ら映画を作ろうとする。実際であれば恐ろしい話だが、周囲の人は皆温かいし、軽いタッチで描かれ、実の家族は複雑だろうが、一緒に映画を作ろうとする。誘拐犯父親がマーク・ハミル、精神科医クレア・デインズは気付かなかっな。
新しい世界で会おう!
誘拐され、25年もの間外界との接触を一切断絶されていた男性が主人公の作品のくせに声を出して笑いたい映画
だって仲間と映画を作りながらはしゃいでいる姿は本当に楽しそうなんだもん!ヲタクがはしゃぎやがって(笑)微笑ましい!
昔の哲学者は言った神は死んだ、25年間そうだと信じて疑わなかったものが全て幻想だったと知ったときどうすればいいのだろう、ニーチェは世界の重さに精神を患った
彼にとってブリグズビーベアの映画制作は25年唯一の心の支えだったヒーローの最終回、お葬式だったのだろう
ブリグズビーベアとのけじめは同時に主人公の救済にもつながる、映画のストーリーはそのまま主人公の状況とリンクしていて序盤の構想では両親を宇宙刑務所から救い出す筋書きだが、完成した映画のラストは鉄腕アトムの最終回にも似て未来のためにブリグズビーベア自らの命と引き換えに世界を救う
医者に言われて無理矢理閉じ込めたり忘れ去ったりするのではなく正しく葬ることで新しい世界でも力を貸してくれるだろう
ブリグズビーベアの宇宙一代叙事詩の世界観を考え出した妄執的な誘拐犯役を演じるルークスカイウォーカーでお馴染みのマークハミルも花を添える
どんな時も諦めないブリグズビーベアの教えを胸に生きていこうと思う
溢れる多幸感
人生が嘘で塗り固めてあったとしても、主人公にとっては本物であり、それを他者にも共有していき最終的には絆へと歩みを進める。そのシークエンスが眩いくらいに多幸感に溢れていた。過不足ない良い作品とはこういうことだなあ…
世間からみたら誘拐犯の育て親は、その罪を肯定することは出来ないけれど、主人公にとっては掛け替えのない親であった筈だし、物語を生んでくれた親でもあった。
犯罪者の作ったものだからという理由で取り上げるのではなく、純粋に物語を楽しんで共有して周りを巻き込んでいく姿に、作者がどうしようもない奴でも(法に触れていなければ)作られた物語や音楽には罪はないというのは現実世界でも言える事だと感じました。
にしても、マークハミルってちょっとずるいなー
本人の楽しいという物に抵抗があったとしても、真に打ち解ける為に理解して受け止めてあげる姿勢って大切ですね。
説得力
ベアー愛が強すぎるが故の行動には笑えたが、それ以前の、なぜ誘拐されたのか、監禁生活の意味などが全く描かれていなかったので、モヤモヤしたままスタートして終わってしまった。
セラピスト?はつくものの、助け出されてから「本当の」家族と生活するまでがあっという間なのはアメリカ的なのか。「普通の生活」に慣れるまでのリハビリもなくて。
失われた時間を取り戻そうとする家族愛の映画として観ればいいのかも。
刺さったー!
ザックリ過ぎで脚本の細部が脱落した字幕。主人公を賞賛する人々を聴衆として面前に並べるラスト。難点は、それくらいで。後は素晴らしかった!
子供向けトラ劇場なら知ってるし、クマ劇場もありそうなもんだが、彼らはおそらく、自慰行為の制限の進言、なんてこたぁしないだろう。君の人生丸抱え、な熊劇場の教えは、こういう人間に育って欲しいと言う、偽親の期待に他ならず、人として間違っていることを教えたりしていないのだろう。ジェームスは、至ってまともだ。いや、むしろ純粋で可愛くさえある。
吹いたり、泣いたり、笑ったり、心配したり。切なくなったり、嬉しくなったり、滲みてみたり。ほっとした、にんまりした、寂しくなった、はしゃいでみた!描かれる感情の変化のスピード感が、ジェームズの成長の早さと感受性の豊かさを実感させてくれるから、共感も深くなる。
家族総出でクマ劇場。そのクマは偽親にも繋がっている。人を繋ぐのは愛だと言うベタなメッセージは、クマの形をして、いつもジェームズのココロの中にある。
グッズ欲しい‼︎
Tシャツはあったけど
小物でブリグズビーグッズが欲しい〜
なんと
誘拐されてたなんて
びっくりしました‼︎
しかも
偽パパがビデオ製作(笑)
なんかサラっとしてましたが
スゴイ内容ですよね
ブリグズビー全巻見たい‼︎
ツッコミは浮かぶけどトータルでは面白くおもった。
マークハミルが自作自演の教育番組を25年も作り続けて誘拐した子を育てたっいうのつかみが最高ってのと、
元の家族に戻されてから、妹の同級生と仲良くなっていくところがすごーく好みだったです。
あ、演劇好きすぎる刑事も忘れちゃいかんね。わらったわー。
でも突っ込みどころはいっぱいある。
カウンセラーの偏見強すぎね?なんか物語を進めるために誇張されたように思って興ざめ、とか
両親に対して、ブリグズビーに固執する息子を、そんなに責めなくてもいいやん、その世界が全てやったんやで?と思ったり(最終的には協力的になるんやけどね)、
誘拐犯の父は、なんで最後まで父みたく振る舞うんかね?とか、
番組に出てた女の人を探すくだりが、がちストーカーやんこっわ!
とか色々ん?って思いました(忘れたけど)。
でも、物語を希求する気持ちはわかるの。わたしにも虚構がどうしても必要だから。
あと、作ったものを晒す怖さね。
あの震え。みてもらいたいし、いいと思って作ったし、頑張った。でも怖い、受け入れられなかったらどうしよう、怖い。
あの気持ちが切実に伝わった。
きっとこの映画を作った人たちの、震えなんだろうなって思った。
うん、荒さも感じたけどよかったよ。お疲れ様、がんばったねって気持ちでした。まぁ偉そうだこと。
ルークが諸悪の根源?
映画を作るのが楽しい!それをみんなに観せるのがおもしろい!
ビジネスコンテンツ、仕事、労働としての映画作り?
ビジネスとしての映画も大事だけど、色んな事を忘れてない?
ちょっと原点回帰しようぜーという作品・・・なのかもしれない(苦笑)。
どんな映画にする?
そもそも、なぜ!こんな事になった?
その張本人をリスペクトしつつ暗黒面を粉砕しよう!
張本人のひとり、ルークスカイウォーカーをキャスティングだー(苦笑)。
こんなシナリオだ。
素朴な映画作りを通して、暗黒面(ミラクルヒットで儲かった事から派生した悪癖)と訣別する・・・ベイダー卿とルークのように。
映画作りを阻止するのはCIAのクレア・デインズ(『HOMELAND』)。
設定は決まった!
一部、モノラル1チャンネル!
に泣きそうになったーーー
m(__)m
触るのは1日2回迄
ライムスター宇多丸氏の映画評で観に行く動機になったのだが、実はそれまでこの作品の存在自体知らなかったのだ。それはひとえにこのタイトルの読みづらさ。“グリズリーベア”とゴチャゴチャになってしまい、多分記憶からゴミ箱へ棄ててしまったのであろう。
そして、観終わった後の評価の180度の転換は久しぶりに味わった作品である。アメリカ映画の良心がギッチリ詰まった内容で、心温まるという表現しか当てはまらない作品だ。
最後のジェダイでのルークスカイウォーカーの台詞は、今作品の台詞の方が良かったのではないかと思う素敵な金言である。『信じるべきは予言より家族だ』、『忘れるなよ、強くあれ』等々。マーク・ハミルは確かに今作品では輝いていた。
コンセプトとしたら『浦島太郎』の話なのだろうか。戻ってみたら何もかも変わっていた、いや、元々過ごしていた世界が虚構で、帰ってきた世界が本当。それはジム・キャリーの『トゥルーマン・ショー』を彷彿させる。勿論自覚と無自覚は違うのだが・・・
ディテールの部分の甘さや少々のご都合主義は、あくまでもハートフルコメディとしての作りなので余りそこをクローズアップはしない。それ以上の偏愛を落とし込んでいるところが今作品の正にチャーミングなところだ。主役の男の魅力がどんどん周りを引寄せ、味方にいなっていく。だれもが腫れ物を触るような態度を現わしているのに、それでもガンガンと前のめりに自分の信じた道を突き進む姿はそれだけで清々しい思いになるのである。それはおぞましいこととはいえ、あのテレビシリーズを一人の人間の為だけに作った男への畏敬の念さえ感じ取ったのかも知れない。だからこそ、その世界観を成就させることの方が、彼の成長を促す唯一の方法であることを悟ったのである。それは、ラストの映画上映後の幻のブリグズビービアが、腕時計型装置に手を掛け消えていったように、主人公の一つの達成を表現したハートウォームな演出で全てを語っている。
大変素晴らしい作品なのだが、とにかく宣伝が余りにも少なすぎて、世に広めることが出来なかったのが非常に残念だ。
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