洗骨のレビュー・感想・評価
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背伸びしない身の丈の脚本が大好き
どんな理由で、どこの誰に期待されてるのか全く理解できない、ゴリ押し新人監督が多い中。特に小難しい話をするでも無く、偉ぶった講釈たれるのでもなく、ラリった頭で無理矢理捻り出した世界観を見せられるでもなく。身の丈で背伸びをしない話が、すごく良かった。
伝統を引き継いで、命を紡いで、血縁の温かさに救われて。
笑いを取るのに高尚なセンスなんか要らない。泣かす場面はシンプルで判りやすいほど入り込める。ゴリさん、二作目にも期待してます。
気になるところは、やっぱり画で。ちょっと子供っぽい感じがするところが目についてしまって。コップに人物を写してる所とか。それと、「人物ドアップ」が多過ぎると思う。肩から上で頭頂部は切れてるサイズの。で、人物だけで背景はボケてる。TV画面サイズなら、それでも良いと思うけど、劇場のスクリーンなら、もっといろんなものを同時に映し込めて、色んな表現ができるのに。「洗骨前夜」から、画の作りと表現が変わります。撮ってる人が変わったんじゃないかと思うくらい。洗骨前夜以降の画は好き。
何らかのイニシエーション(通過儀礼)?!
一般化はできないが、日本人の多くは、葬儀の後は「法要」という形で、亡くなった人に別れを告げていく。
それに対して、「洗骨」という風習に驚きを感じた。4年後の洗骨という儀式の意味までは深く理解することはできなかった。その風習が形成されてきた土地柄、経緯にも、大いに関連することなのだろう。
廃れゆく風習と家族を結びつけた良い映画
正直沖縄にまだこの風習が残っているとは知らなかったので
興味が湧き、観に行きました。
ガレッジセールのゴリさんが本名名義で監督し、
以前公開した短編映画を元に作ったそうです。
家族に愛されていた母の死をきっかけに湧き上がる家族内の問題。
様々な場面でリアルな風習と沖縄あるあるが垣間見れつつ、コメディを盛り込み重くなりすぎない感じでよかったです。
なんですが、、
ちょっとコメディ部分を散りばめ過ぎてたかな…。
もうちょっと減らして、面白いとこだけを残す感じで良かったと思います。
この映画を観たことでゴリさん監督の「沖縄を変えた男」も
一度鑑賞しようと思いました。
日常の中に生命は巡る
沖縄の珍しい風習をストーリーの中心にして、都会と島、昔と今、それぞれの家族のあり方がユーモアのある優しい視点で描かれていると思いました。目が腫れるほど泣きました。沖縄の音楽や民族衣装はさりげなく日常の中に入っているけど、観光案内のビデオみたいにわざとらしくなく、かえって印象に残りました。これがデビュー作!?とは信じられない日本映画の王道。
しみました
死と誕生、家族が続いていく上で必ず訪れるイベント。
悲しみの緊張は、半歩ずれると、思わず笑ってしまうもの。(古くは伊丹十三の『お葬式』とか)それを笑いを織り込みながら、良い話に仕上げていました。恐るべし、ゴリ(笑)
色々としみるシチュエーションもあり…。
最近観た映画の中では、すごく良かった。
家族の物語
正直、この作品のこと知らなくて、映画館に行って、ストーリーを読んで、観てみようかな…って感じでした。粟国島が本当にある島だということも知りませんでした。きっと、この洗骨って儀式も、本当にあるんでしょうね。映画を観るまでは、「おくりびと」のように、その儀式が、ずーっと収められているのかと思っていましたが、違いました。洗骨の儀式を中心に描いてあるけど、家族の物語でした。それも、とてもいい感じの家族の物語。しかも、ゴリさんが監督だからでしょうか、ちょいちょい笑いの要素もありました。Q太郎が出てきたときは、可笑しくて、可笑しくて…。叔母さん役の大島蓉子さん、とても良かったですね。いかにもオバちゃんなんだけど、水崎綾女ちゃんのこと怒りながらも、他人に中傷されるとかばってくれたりして…。すごく強い味方でした。洗骨という儀式は、個人的には、二度も悲しい思いをするのは嫌だなぁと思いました。でも、映画の中でもありましたが、神秘的な儀式なのかもしれませんね。生と死に触れている作品なので、涙も出ましたが、悲しいばかりではなく、暖かい気持ちになれると思います。
来た。観た。ヒージャーもわんも泣いた。
やっと長野県に上陸した「洗骨」。
たった2週間の上映に会社を休んで駆け込みました。
厨子甕に改葬するために肉親みんなで洗骨するんですよね。今はおもろ町に移転した県立博物館に厨子甕はたくさんありますね。
火葬が普通になっても、今でもやっぱりみんなで故人の話をしながら体の一つ一つを確かめながらお骨を拾うし、
子どもたち孫たちに骨を洗ってもらうって、こんなに幸せなことってあるだろうか。
だから、しっかり家族を守って生きたい!と強く思ったよ。
奥田瑛二、さすが。
安藤サクラや娘婿に負けてない。
ウチナーのおかーたちも大したもんだ。なりきった大島のおかーにもぶっ飛んだが、古謝美佐子ネーネーもいい歌を作ったね。あの長い髪には長野県の館内にもどよめきが起きました。
ゴリ、ありがとうね。
頑張ったね。
お兄ちゃん、ありがとう
神聖な儀式をのぞかせてもらえた、心が洗われる映画。
大島芳子さんが場を盛り上げてくれます。
しんみりすると、芸人さんがなごませてくれるんですが、私としてはしんみりしたまま進めて欲しかった。
じっくりと考えさせられる作品でした
もともとこの因習に興味があって見たのですが、文化風習の観点だけでなく、物語としてとても興味深く楽しむことができました。
見終わった後にじんわりと余韻が広がって。。家族や人との関係、先祖への思いなどをじっくりと考えさせられる作品でした。
役者さんは演技派と個性派がそろっていた中で、ひときわ主演の奥田さんが印象的で素敵でした。
格好いい・渋いといった印象の強い奥田さんがとてもなさけないダメ親父で、みっともなくてかわいくて、新しい一面を見ました。強い印象なのに物悲しくて優しい目がとても素敵でした。
思いがけない役者さんの魅力と素敵な映画に出会えてよかったです。
知らなかった
英学映画を見て思うこと。
今まで知らなかったことを体験できること。
今回の洗骨も然り。
タイトルだけを聞くと。
怖いとう言うか悍ましいと言うか。
でも人を失って、喪失の消化、再生する背景を垣間見ると必要に感じられる。
沖縄独特の笑いがあり、見終わった後にあったかい気持ちになれる。
ゴリ凄い。
監督伊達じゃないですね。
無性にナビィの恋が見たくなった。
粟国島、一緒だよね?
お笑い要素、いるかな?
「洗骨」を見てしまいました。
奥田英二は骨のある役者ですね、存在感が半端ない。
ストーリー等、映画のルックスはとても素晴らしいと思う。
照屋監督も、デビュー作としては十分。
ただかなり大きな問題をこの映画は抱えている。
それは、話と笑いのギャップが大きすぎて、笑えない・雰囲気台無しという状況になってしまっている点です。
真面目な話の中に笑いを混ぜ込むことは全然ありだと思うけど。出てきたときが頂点といういわゆる"出オチ"は映画ではやってはいけない。なぜなら、それ以降笑えないから。
お話の部分が80点だとしたら、Q太郎を筆頭とする笑いの部分は-70点ほどだと僕は思った。
洗骨みた
短編は観てない。子供を産む瞬間なんて誰もが泣くズルい。そして文化庁推薦って…
いまも風葬がある事を知らなかった。そしてそのあとに骨を洗う。それだけで劇的だ。骨を洗う姿は泣いた。私は母親を16の時亡くしたけれど同じ事を出来ただろうか。勿論父親は6歳で病死した。ろくでもない父親が今の私と被った。現実にろくでもない私母親と生きる子供ら。子供と観たかったな。
出産シーンは現実味帯びてて
馬鹿に出来ない作品だ。少しズルいと思う所はあるとしても。
ちょこちょこ気分を害してしまいました…
テーマはとても素晴らしいと思うのですが、
ちょこちょこデリカシーが足らないというか、
気分を害する事が多く、、、低評価すみません。
例えば笑いについて言うと、「芸」として人前でやるような笑いのやり取りは、日常の会話に持ち込むには強すぎて、前後の機微が台無しになる、感情の流れが破綻するのです。
ツッコミは舞台の上でバシッと決まればドッと笑いが起きますが、日常の人間関係の中でバシッと言うと、相手の心を傷つけても平気な人間のように映ります。
それを、役のキャラクター関係なく誰にでもやらせているもんだから、それまでの心の通い合いのリアリティが吹き飛んでしまい、度々フィクションを見ている現実に引き戻されます(叔母さんは唯一それをやっても不自然でないキャラクターだったと思います)
目先の小さい笑いのために、人の感情の根っこの部分を描くことを捨てているように感じました。
店長の人物像やふたりの関係性も、その場その場で面白いだろうやり取りを優先しているために、一貫性がなくなっていて、わざわざ嘘をついて妊娠までしたことの説得力がなくなっています。
出オチの一瞬には最適なキャスティングだったと思いますが、その後、人間ドラマになっていく事が出来なかった。
これも小さい笑いを優先して、人の心の機微をスルーすることの積み重ねが原因と思います。
ただそれはこの監督の経歴だから生まれる持ち味でもあると思うので(北野映画にも、笑いに関する感覚は独特のものがありますよね)、欠点ではなく、そういう作家性だと捉えることもできると思います。私は好みではありませんが、気にならない人もいると思うので。
また、新旧の生命の交代を象徴的に描きたかった意図はわかるのですが、風化したご遺体に触れた手を消毒もせず新生児を取り上げるのは流石に衛生的なことが気になりすぎて、感動という気分ではありませんでした。
そして、父親に切らせる必要がありますかね?不快でした。
父親が自信を取り戻す方法なら他にいくらでもあると思うのですが…
〈良かったところ〉
洗骨という儀式はとても貴重で意義深い伝統だと感じましたし、これからも残っていって欲しいと思います。
この映画は、その点に貢献できるのではないかと思うので、星はその評価と、素晴らしい名優さんたちの評価です。
噂好きの島民2人が協力する場面を作ったことにgood job!出来すぎてるとは思うけど、後味が良かったです。
無事に産まれて、赤ちゃんの泣き声が聞こえた直後の、安堵と嬉し泣きの声や表情はとても良かったです。
家に帰って翌日も、エンドロールで流れていた地元の歌が耳に残って離れなかった。
お笑い芸人のゴリが監督・脚本ということで、随所に笑いが散りばめられ...
お笑い芸人のゴリが監督・脚本ということで、随所に笑いが散りばめられていたのだけど、正直ちょっとしつこいw
そのシーンの空気感に入り込みそうになると小笑いがブッ込まれてくるので浸れず。
特になんでQ太郎チョイス?あんな画だけで笑いをとる人にさらにネタブッ込まれたら色々気が散るわ。
役どころ的には必要だと思うから、普通のちょっと小心な優男くんとかで良かったんじゃないかなと思う。
話自体はとっても良くって、作品冒頭で「洗骨」については肯定的な意見も否定的な意見もあると言っていて、その時点で私は否定的だったけど、実際の洗骨シーンを観たら肯定派に寝返った。
あと、最初は叔母さんは敵かと思っていたらめちゃめちゃ頼りになるし、すごく信頼に足る人物だった!
エグかったかな
笑ったり泣いたり面白いけど疲れました。
沖縄フリークとしては美しい海と三線、神秘的な風習、素敵な場面もたくさん描かれていて嬉しいですし、よくぞ初監督でここまで作り上げことは拍手ですが。
ありきたりのようで、ダメダメすぎる家族。奥田瑛二、こんなにおじいちゃんだったっけ、、やりすぎでしょう。
洗骨の場で陣痛、出産。生と死の表現をこんな単純な対比で描くなんて、ちょっとトラディショナルな男の発想なのかな、陳腐。
しかも、自然分娩なら出産で会陰切らないで産めよ~って細かいけど突っ込みたくなる。人間の自然の力をもっと信じてほしいな、こういう映画なんだから。エグい。
最後の「照屋エミに捧ぐ」もいらないかな。入れなくたって背景は想像できるものです。
意図的なものを感じすぎてちょっと引くし、映画の余韻にひたれない。
前半は店舗よく笑いと涙と人情でよかったんですが。
心に染み入るものがある
死者との決別を自覚して受け入れることは、実は自分を見つめなおし肯定すること。火葬より洗骨風習の方がそう考えやすいかも。
実の母親の四十九日を終えたばかりの我が心には、いろんなことが沁みる。
ペーソスが効いていて、なかなかの作品である。
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