劇場公開日 2019年3月8日

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「爆発音、そして銃声音」ウトヤ島、7月22日 ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0爆発音、そして銃声音

2019年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

2011年7月22日、ノルウェーの首都オスロとオスロから40km離れたウトヤ島
での連続テロ事件の事実を基にしている、フィクション映画です。
ノルウェーの首都のオスロ政府庁舎を爆破したことで、8人が死亡しました。
ウトヤ島での乱射したことで、69人が死亡しました。
テロ事件の動機は、移民政策への反対です。
ウトヤ島では、労働党青年部の恒例のサマーキャンプが行われていました。
労働党は、移民に対して寛容な政策を掲げていたので、狙われたということです。
ウトヤ島から対岸までは、500mの距離があります。

日本に例えるなら、首相官邸と江ノ島で起きたテロ事件という感じです。

犯人は、ほとんど、映っていません。
犯人が人を射殺するシーンもありません。
爆発音、そして銃声音で、恐怖を伝えるという映画です。
映倫区分は,[G]なので誰でも鑑賞できます。
この事件に興味のない人が鑑賞しても、意味はないと思います。
私は、この事件に興味があったので、鑑賞しました。
ウトヤ島での乱射事件を体験できるような映画の作り方は良いです。
お勧めできる映画ではないのですが、ヨーロッパの背景を理解したいと思う人
だけにお勧めします。

犯人の極右思想を持つキリスト教原理主義者のアンネシュ・ブレイビク
(当時32歳)は、爆弾の原材料である爆薬と化学肥料を購入するために、
鉱山会社と農場を購入しています。
犯人は、ウトヤ島で使用した拳銃と自動式ライフル銃と大量の弾丸を合法的に
入手しています。
犯人は、この連続テロを用意周到に計画し、準備しています。
まず、ノルウェーの首都のオスロ政府庁舎を爆破し、警察関係者を陽動し、初動
を遅らせたと感じました。
次に、ウトヤ島に渡り、警察官の制服を着て、爆破テロの捜査を口実に、人を
従わせ、次々と射殺しました。
犯人は、警察に電話し、投降し、逮捕されました。

中東、アフリカでの戦争で難民が生まれ、ヨーロッパで移民として生きています。
ヨーロッパで、この難民や移民を巡り、対立が起きています。
英国が、EUから分離するのも難民の流入を防ぐことが目的です。

今後、日本は、外国人労働者を増やすようです。
特定の技能や経験を必要としない単純労働は、外国人労働者のおかげで、
仕事は奪われ、賃金が下がり、不満に思う日本人は増えると思います。
専門的・技術的分野において活躍する熟練労働者は、高い賃金を得て、
不満に思う日本人は増えると思います。
外国人労働者は、日本での労働に不満を持つ人は増えると思います。
行き場のない不満を持つ労働者は、バイトテロ等を起こしても不思議は
ありません。
労働者は、賃金を支払えば何も言わずに働く機械ではありません。

パンフレットには、ウトヤ島の地図があり、解説はありませんが、
カヤ達がいた場所は、何となくわかります。
犯人が上陸したであろう桟橋からは、最も離れた場所です。

ノリック007