未来を乗り換えた男のレビュー・感想・評価
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第七の十字架は読んだが
『捨てられた者と捨てた者 どちらが先に忘れる?
捨てられた者は忘れないって嘘よ。捨てられたら、歌になり、同情される。
捨てた人は孤独なだけ。歌もない。』
言うまでもなく、何を捨てたか?何だけど、言わずもがな。原作者の人生を。僕は傑作だと思うけどなぁ。
ウンディーネの監督なんだ?良かった良かった。
トーキング・ヘッズの
”ROAD TO NOWHERE”♥
スパイク・リーの映画思い出した。
原題 Transit
製作年 2018年
製作国 ドイツ・フランス合作
劇場公開日 2019年1月12日
上映時間 102分
映倫区分 G
中断してレビュー読んでから戻って見直しました。
最初に見出してナチ関係の映画かと思ったら…あれ?現代にナチ?よく分からん、しかもすっごく淡々と進んでくし暫く見てからこれ混乱する前にネタバレした方が良さそうと思いレビューを見てから舞い戻りました。
そして見終わった感想は、現代の難民問題の原因を「戦争や貧困等の様々な原因」→「ファシズムによる迫害」と置き換える事で沢山ある原因や時の政府の姿を1つに単純化して社会問題を政策だったり経済だったりの大きな視点から、実際に今振り回されている人達の視点まで降ろして問題定義した話なんではないかと理解。
その辺に何となく納得してから見たら、日本にいるとこういった状況は遠いけれど難民問題を抱える国の人達なんかにはもっと生々しいお隣さんの話なのかなと思えました。
三人称で主人公を呼ぶナレーションもお互い状況を語り合い確認し合うもかなりあっさりとした亡命希望者の関係も根無草の不安感やアイデンティティの喪失といったポッカリとした虚しさがあり淡々とした展開に後こういった人達が何人いるのか分からない先がどうなるかも分からないな恐怖感がじわじわくる。
いやでもこれかなり独特な空気感だったし見方を決めないと入って行けなかった〜そして見て良かったけど疲れた。
Transit
けたたましく響くサイレン。日本人の我々には耳馴染みのない音が突き刺さり、この映画は始まる。そのサイレンこそが、劇中で仏警察から逃れようとする人々の「恐怖」の象徴なのではないか。
アンナ・ゼーガースの『トランジット』を原作としている為、「迫害」「排斥」が大きなテーマとして描かれているが、その他の詳細な設定は語られない。その代わりに、そういった特徴を持つ映画は、劇中の世界が我々の生活する世界と何ら変わりのない、平行した世界であることを無言で「説明」しているのだと思う。かつ、観る者は語られない部分へ己の想像力を働かせる余地があるだろう。
パリやマルセイユの街並みや風景は、迫害されている人々の、想定される心情とは裏腹に清々しく、美しい。その対比がより一層、惑わされてはならないと、ゲオルクやマリーといった彼らの複雑な心理状態へと集中させる。昨今のヨーロッパを取り巻く移民排斥問題は深刻なようで、移民排斥運動は激化し、生きていかねばならないのに、明日の生活すら保証されていない移民たちは行き場を失うがゆえに、不法滞在を余儀なくされる。多文化主義といえば聞こえはいいが、実情は様々な問題を孕んでいて、日本でも移民を受け入れる動きが見られるが、この映画を観た後では素直に首を縦に振れなくなってしまった。もはや他人事ではないと思わされる。
もう存命しない夫を探すマリーと、意図せずその夫に"乗り換えて"しまうことになったゲオルクの構図も面白い。ヴァイデル氏の姿は劇中には一度も登場しないのであるが、マリーがゲオルクを見かける度に顔を覗き込んだり、共にメキシコへ発とうとするのは、夫とゲオルクが似通っていて、どこか重なる部分があるからなのだろうか。それに応えるかのようなゲオルクの姿勢の根拠は、マリーへの愛なのか、同じ移民として心を同期させているのか。いつものカフェで来るはずのないマリーを待つゲオルクを見ると、前者であってほしいと思い、どこかこの物語に救いを求めている自分がいる。
『棄てた人は孤独なだけ・・・』
原作未読、原題『トランジット』 文学性溢れる作家性の強い作品である。そしてかなり観る人の力量が試される様な内容であろう。というのも舞台設定が『架空』であり、現在に於いてドイツが又ファシズムに陥り、ヨーロッパ中を占領しようとしている中でフランスに逃げた亡命者がひょんなことからメキシコへ高飛びを画策する話であり、それだけでもかなり飲み込み難い話ではある。そして輪を掛けてそこで謎の女性が何度も目の前に現われるというサスペンス要素に変化していく。初めの段階である程度時代設定を頭に入れておかないと、実際に映っているシーンでの戦争中というイメージとの乖離がありすぎて戸惑う。なのでなるべく早く思い込みのリセットをしなければならない。それ程の不思議な設定なのだが、その行間というか描かれていない部分を自身のイマジネーションで埋めていくと意外と面白くなる。占領が進んでいるのに市井の人達の変わらぬ生活、しかし忍び寄る不安感が映像にシミとなってぬぐい取れず消せない感じがヒシヒシと伝わる。そもそも正義感の強い主人公が偶然と周りの人間の勘違いから生まれるチャンスを図らずも転がり落ちてくる具合も面白い。妻の名前や遺稿のラストの文節の伏線も、物語とのリンクと相俟って綺麗に回収されているのも良い。
主人公の心情を吐露する件も、まるで死んだ作家が思っているかのような重ね合わせで文学的だ。
そして後半はラブストーリーへと変貌を遂げるというのも興味深い。色々なタイミングで現われるという謎の女で伏線を作っておいての、その女への恋心、しかし物語だからこそ起こり得る偶然の関係性、それ故蟠りが解けず悩む心情もスクリーンに映し出す。
『棄てられた者と棄てられた者、どっちが先に忘れる?』との投げかけも又詩的な響きである。棄てた者は棄てたことに罪悪感とあり得たかも知れない未来への未練、そして寄り添い理解してくれる人がいないことへの同情の皆無故の孤独感に苛まれる。ラストの機雷での沈没というオチも又、強烈なパンチでストーリーを否応なしに盛り上げる良く出来た作りである。カメラのレンズの広角を動かすように、移民問題から恋愛、ファシズムなど、縦横無尽に切り取る演出が面白い作品である。
まあまあだった
フランスにドイツ軍が侵攻して来ているというのだが、機動隊みたいな連中がうろうろするだけで戦闘場面などはなく、あまりに戦争の匂いがしなかった。現代ヨーロッパの戦場が見れるかと思っていたので、表現がしょぼくてがっかりした。話もあまり盛り上がらなかった。今時、パスポートを写真を貼り替えて偽造できるものなのだろうか。
状況把握に時間かかった
この映画、予告も知らず前情報何にもなしで見てしまって、最初結構いつの時代?って困惑した。
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時代設定は現代だけど、架空の世界の話で現代なのに第二次世界大戦中のファシストだかなんだかのような言葉が出てくる。
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なんか今の難民問題と昔のユダヤ人迫害とかかな?を融合させてるらしい。
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自分なんならタイトルも「未来を塗り替えた男」だと思ってたからさぞかし歴史の難しい話だと思ってたからかなり肩透かし食らった(笑)(笑).
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「未来を乗り換えた」んだからもちろん主人公は他人になりすまして亡命して、亡命先で好きになった女の人は実は自分がなりすました人の奥さんでしたって話。
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物語はカフェの店員の語りで進んでくんだけど、最後まで誰が話してるかはわからない。だから実はこのテーブルが話してるんでは?.
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とファンタジー的なワクワクする話を想像してたんだけどそこも普通に人間だったっていう2度の肩透かしを喰らいました(笑).
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