「希望の灯りの大きさは人それぞれ」希望の灯り マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
希望の灯りの大きさは人それぞれ
ポスターに描かれている夜明けのビジュアルから期待して鑑賞しました。
感想はと言うと…ちょっと思ってたのと違うかなw
ドイツの巨大スーパーマーケットで働いている従業員達の日常を描いていますが、それぞれが過ごし、抱える日常に何か劇的な事件が起きるなんて事はそんなに無い訳なので、淡々と進んでいきますが、もう淡々と進み過ぎてw、寝不足で鑑賞すると睡魔に襲われます。
試用期間の新人で派手なタトゥーが入っているが、寡黙で真面目なクリスティアンを主人公に上司に当たるブルーノとクリスティアンが恋心を抱く年上の女性のマリオンの3人が中心。
ホント、特に大きな事件的なのは起こらず、序盤はクリスティアンのフォークリフトを覚えるまでとマリオンへの恋心の葛藤、そしてブルーノに起こる出来事ぐらいが物語の起伏ぐらいで、笑えるポイントはフォークリフトの筆記研修の際のビデオの映像ぐらいでしょうか? ちょっとそこだけ悪ふざけな感じですw
それ以外は日常に起こる普遍を楽しむ作品なので、もうこう言う作品なんだと理解して観るのが正しい鑑賞の仕方なんですよね。
ただ、8割がスーパーマーケットの中での情景なのでやっぱり退屈になる所が多々ありなので、もっとドイツの淡々としながらも何処か思いの馳せる情景や夜明けのビジュアルを入れて欲しかったかなと言うのが個人的な感想。
日常の儚さややるせなさは多かれ少なかれ、殆どの人が持っている事なので、単にその部分だけを見せられる事で共感は出来ても、それ以上でもそれ以下でもないので、登場人物達の思いや悩み、やるせなさや心の機微に感動や葛藤にまでは至らないので、そこでドイツの風景を描き出す事で国は違えど、思い悩む事は同じだなぁと言う感情移入出来たポイントになったのではと思います。
スーパーマーケットと言っても、日本で言う所のコストコみたいな巨大スーパーなので、日本と違う所も多々ありで営業時間中に店内にお客の間を掻い潜って、フォークリフトが走り回るなんて、ちょっと考えられないし、廃棄物を貪り食う事や、恋心を抱く相手の家に忍び込んだ事がバレても許されるなんて事があるかぁ!と言う突っ込みも流されるくらいに淡々と進んでいくのがある意味凄い作品。
それでも、こう言った何気ない事を描くドラマの作品を鑑賞する時間を過ごす事の贅沢さを改めて気付く事も出来たりする訳ですし、この作品を鑑賞する為に初めて柏の「キネマ旬報シアター」に行ったのは良いきっかけになったので、いろんな意味できっかけになる(なった)…様な気がする作品ですw