「「文化革命の中に生きた青春群像劇」ではなく「時代変化についていかれない不器用な2人の恋物語」」芳華 Youth YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
「文化革命の中に生きた青春群像劇」ではなく「時代変化についていかれない不器用な2人の恋物語」
携帯電話が世界中にいきわたり、”すれ違い””想いをよせる”恋がなくなってしまった現代に
素朴な恋を魅せてくれる大陸国映画
注目すべきはテレサテンさんの歌う曲を肯定し、映画で重要な役割さえ与えている事です。
傷つきながらも、新たな変化に置いていかれる主人公シャオピンが月明かりの下で ひとり踊る姿は悲しい。
それは鄧小平書記長の「改革開放路線」への移行に、寂しさを感じているシャオガン監督そのものだった。
都会の垢に汚れた私が観ていて、自分が恥ずかしくなるくらい美しいプールのシーンや
室内にある布の魅せ方等に代表される照明や背景色では
繊細な色合いまで気を配っている事が感じられ
その美しさの中に、この映画の中に秘められたメッセージの全てが詰められている。
主題歌や美しい各所の演出シーンは他映画で見覚えがある気もするが
それでも美しく仕上げらたカメラワークは観ている者を飽きさせない作りになっており
監督の力量は素晴らしい。
この映画を観たら、いかにも大陸国映画「サンザシの樹の下で(監督チャン・イーモ)と見比べてみたくなります。
コメントする
YAS!さんのコメント
2019年6月26日
部屋の中は昼夜問わず、控えめな用明をいくつか使用しているようだし、
水を使うところでは、極僅かスローにして綺麗に魅せている。
プールに飛び込む最高のシーンではその両方を駆使しているようだ。