「泣かされたなー」アナと雪の女王2 ようへいさんの映画レビュー(感想・評価)
泣かされたなー
前作よりもキャラクターが少し大人になっていて、CGなのにもしくはそのCGだからこそなのか、しっかりと成長したキャラクターを描き分けてるのは流石。内容に関しては、エルサが母からのメッセージを受け取り暗い海を渡りアートハランに向かうシーンなどは個人的に亡き母を投影して泣きじゃくってはおりましたが、実際ストーリーはよくわからなく、一つの疑問が頭に浮かぶ頃には次の展開に進展していき、その圧倒的な映像にもっていかれて力技で帳消しになる、ということが次々と起こる。つむじ風のゲイルはなんだったのか、海の中に引きずり込もうとしていた水の馬はなんだったのか、そしてゲイルはつむじ風なのに水の馬になったのはなぜなのか、なぜアートハランでエルサは凍ってしまったのか、俺がバカだから分からなかっただけなのか、そもそも内容が分かりずらかったのか。色々と疑問は残るが概ねそれでもかなり楽しめる内容ではあった。
しかし、圧倒的に前作に劣ることが一つある。「楽曲」である。
今作もミュージカルとしては素晴らしい楽曲が次々と流れるが、前作にあった「レット・イット・ゴー」はもちろん、「雪だるまつくろう」「生まれてはじめて」「扉をあけて」などカリスマ的な名曲は残念ながら今作には一つもない。前作においては一本の映画の中に口ずさみたくなるような上記の名曲が全体にわたって散りばめられていてディズニーの本気度が伺えたのに対し、今作は見終わった後に口ずさんだメロディは皆無だった。たしかにいい曲はあったし、今回の内容には沿った曲の数々ではあったのだが、どれも印象には残らなくどんな曲だったかを振り返れないのだ。ミュージカル映画である以上前作の完成度の高さは楽曲の良さにあり、今作は良くも悪くも続編止まりの楽曲に収まった形である。とはいえ、内容的にはファンを喜ばすのには十分な内容であったし、今回は泣かされるシーンが多かった。上映中は周りから鼻をすする音がいたるところから聞こえていて、自身もハンカチ持って来ればよかったくらいに涙ポロポロで、まさかアナ雪で泣かされるとは思わなかった。