「驚きの映像とちょっとした不満」アナと雪の女王2 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
驚きの映像とちょっとした不満
毎回ディズニー作品の映像の完成度には驚かせられるのだが、この作品でまた一段と進化したようだ。どれほどの時間と労力とアイデアを費やして作り出されたのか想像もつかないほどだ。それはリアリティを極限まで追求しながら、すべてをファンタジーの世界にしてしまうディズニーの専売特許と言っていい。
ミュージカル仕立ての演出も素晴らしい。楽曲もすべて印象的だし、動きや表情、カメラ割なども計算されていてとても楽しめる。
ディズニーお得意のメッセージ性もふんだんに織り込まれている。全体に前向きな愛にあふれている。アナとエルザの姉妹愛、両親や身近な仲間たちに対する愛をはじめ、相対することになる「精霊」達とも愛で結びついていく。また今回は敵対する二つの民族の融和がテーマにもなっているが、その原点は両親の愛だったりする。そして一歩踏み出す勇気の大切さをアナとエルザの行動が教えてくれる。
良い所は満載なのに、こんなにも感動に乏しくて印象に残りにくい作品になっているのはどういうことだろう。一番の要因は、物語に必然性が感じられないことだ。「謎を明らかにしていく冒険」というテーマに引きずられてどんどん進行していき、観客を見事に置き去りにしていく。落ち着くところに落ち着いた感を出しているエンディングだが、何か納得いかないのは自分だけだろうか。
コメントする