「『モアナ』と『もののけ姫』を8:2で割った感じ。自然や聖なるものと...」アナと雪の女王2 iNahoさんの映画レビュー(感想・評価)
『モアナ』と『もののけ姫』を8:2で割った感じ。自然や聖なるものと...
『モアナ』と『もののけ姫』を8:2で割った感じ。自然や聖なるものとの調和はよくあるテーマですが、そこに母という古典的モチーフも加えられ、よくまとまっています。
ディズニーがこれから目指す道がなんとなく分かりました。『モアナ』に引き続き悪役らしい悪役は出てきません。精霊たちは異質なものではあるけれど悪としては描かれず、おじいさまは既に故人だし影が薄い。意図的に"悪"という存在を扱うことを避けているようにみえます。
話のテーマも勧善懲悪というより問題を解決するには過去を見据えないとね、という曖昧で現実に即したものです。これは子供たちに、童話のような善悪二元論(悪を倒せば善が成される)ではなく、現実的な問題解決法を提示することを目的としているのではと思いました。ディズニーはかなり時代に合わせて方針を柔軟に転換してきていますね。
ラストのご都合主義的というか、『もののけ姫』とは違い結局何の犠牲もないところは、ディズニーの限界というよりディズニーってこういうもんだよねと思って楽しむべきなのでしょうね。しかし最近のディズニーは本当に誰も殺さない……
技術面では『モアナ』から水表現の進化におどろきます。アニメと実写映画の境がどんどん無くなっていると思います。しかし背景があまりにリアルなのに、人物たちはアンバランスなディズニー絵柄のままなので違和感があるかも。モアナのほうが背景もいい意味で"アニメーションくささ"があったので、画面全体の統一感がありました。
あとクリストフの歌の場面で必死に笑いを堪えてたんですが、劇場で誰も笑ってなくてちょっと寂しかった…歌は全部素晴らしかったです👍日本語版は聞いてませんが英語で韻を踏む箇所がどの歌も結構多いので再現できてるんだろうか…という感じ。