「今回はオーソドックスなファンタジー」アナと雪の女王2 しずるさんの映画レビュー(感想・評価)
今回はオーソドックスなファンタジー
前作を見逃していて、先日TV放映でようやく見る機会を得た。
お好きな方には申し訳ないのだけれど、なんでこの映画あんなに大ヒットしたんだ?と思った。
つまらなくはないけど、普通。むしろちょっと不満。自分より他人を思うような愛、とのメッセージは読み取れるが、特に姉のトラウマの克服、【愛】という便利な言葉で誤魔化されたような消化不良感。
結局「Let It Go」のメガヒットに引っ張られた形なのかなぁと、ちょっとガッカリしていたのだが…。
続編の今作は良かった!
旅の中で自らの宿命や使命と向き合い、克服して成長するという、ファンタジーの文法に沿った物語になっていたし、姉妹の両親の死の真相や、何故片方にだけ魔法の力が備わったのかという、前作で曖昧だった謎にも、キチンと説明をつけてくれた。
結局、2作揃ってようやく一つの物語だった訳ね。
アンデルセンの雪の女王はすっかり何処かにいっちゃって、殆どもののけ姫だったけれど。自然との共存という落とし所も、昨今の世界情勢を鑑みて、価値のあるメッセージと思える。
決着をどうつけるのかと、途中は結構ドキドキしたけれど、全てが幸せに前向きに終わるのも、ディズニーらしくていい。オラフではないけれど、「ハッピーエンドって大好き!」
ミュージカルナンバーも、前作に増して素敵な曲ばかりだった。
台詞や演技の元のニュアンスが見たい、特にミュージカル映画は原語で聞きたいので、英語は堪能でないくせに、洋画は必ず字幕で見る派なのだが、好きな声優さんの演技が気になって、今回数十年振りに吹き替えで鑑賞した。
目当ての声優さんは勿論、姉妹を吹き替えた松さん神田さんも、歌も演技も非常に堪能で驚きのレベルだった。
たまにはこういう、声の職人芸を楽しむのも悪くないな。