「かなり虚無」アナと雪の女王2 tikさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり虚無
恋愛の難しさ、過去の清算、別れと再会などなど。複雑なプロットが同時並行しそれぞれの印象や説得力は薄い。
その割に展開は読めてしまうので驚くべきことは何もなく、予定されていた展開が都合よく現れるのを確認するだけの無感動な作業だった。
4属性精霊や水の記憶が伝承がどうたらと意味深に解説するシーンが多いが、後付としか思えない設定を真剣に聞けという方が無理だ。
ディズニーにありがちな言葉足らずのコミュニケーションで物事がこじれていく展開が繰り返され頭が痛くなる。まぁエルサは境遇的にコミュ障なんだろうな~…。
クリスはメインプロットに特段関わることはなく、終始恋愛シーンとピンチに駆けつける都合のいい男として描かれる。なんというか、機能的に「男」であるだけの平面的な存在だった。
肝心のミュージカルシーンは前作レリゴーの魅力である孤独感と力強い歌の対比構図が再現こそされているものの、同じ料理を立て続けに食わされるかのごとく同様の自己解決が繰り返されるため内容がどうでもよくなってしまう。
全体的に整合性は怪しいが特に終盤、アナが女王になることに果たして国民達は納得しているのだろうか。。ダムを決壊させたことは知らされず、独断で王位継承されたように受け取れる。王政とはそういうものだろうけど…
王家の過去が美化されたように今回アナによって国を滅ぼしかねない行為も隠蔽され、歴史は繰り返されるというメッセージなのかもしれない。深いなぁ(棒)
また前作に増してエルサが微妙に孤立したまま終わる。
どこかの誰かと結ばれてほしいわけでもないが、何らかの気持ちのいい答えを出してほしかった。
モブ達までやたら結ばれるため、なおさらエルサが孤独な後味の悪さが際立つ。
生まれながらにして特殊だったエルサは結局山に帰った方がいいとでもいうことだろうか。
作中明らかに一番頑張っていたエルサは報われたのだろうか。
最後までずっと悲しそうな眉をしていた気がする。
オラフはああ言っていたものの、ハッピーエンドならもうちょっと笑っていてほしかった。