「ありのままから心のままに~未知の『アナ雪』へ」アナと雪の女王2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ありのままから心のままに~未知の『アナ雪』へ
説明不要。日本では2014年に公開され、歴代3位(255億円)のスーパーメガヒットを記録したディズニー・アニメの待望の続編。
あのフレーズの主題歌を聞き飽きたというくらい聞き、同時上映の短編は微妙で、某キャラ担当の俳優の不祥事による降板などあったりしたが、日本では今年一番のヒットはほぼ間違いナシの期待と予想を遥かに超える猛スタート!
再び“アナ雪旋風”を巻き起こしそうな、世界中がこの続編を待っていたんだね。
公開されたばかりの超話題作なので、当然ネタバレはNGのレビューになります…。
(↑それにしても、今年この書き出し、何本目だろう…?)
ディズニー・アニメで初めて姉妹愛を描き、ハッピーエンド。
そこからどう話を作るのかと思ったら、
エルサは何故、魔法の力を持っているのか…?
前作でもそれには触れず、子供の頃から魔法の力を持っていて、そういう設定だとすんなり受け入れてたけど、
言われてみれば確かに。
なるほど、そう来たか。
扉が開かれ、平和に幸せに暮らすアナやエルサたち。
そんなある日エルサは、自分だけに聞こえる不思議な歌声を聞く。
その歌声に導かれるように、未知の旅へ…。
アレンデール国の外の霧に包まれた森。
5つの精霊。
自身のルーツ。
亡き両親の秘密。
過去の真実。
『アナ雪』の世界も掘り下げれば、まだまだ広がる。
前作がシンプルならば、続編はちょっとタッチが変わるのが常。
今回は、ちょっぴりミステリアスでダークでビター。
前作より年齢層はちょっと上な感じ。
それはそれで新たな試みだが、ストーリー的には前作の方が分かり易くて良かったかも。話に盛り上がりやメリハリがあり、悪役も居て、シンプルな感動があった。
勿論今回の新たな冒険、新たな物語も悪くないが、前作の姉妹愛ストーリーのような主軸がちょいと不明瞭で、何をメインにしたかったのか…?
個々の向き合うもの、二つの国の未来…全て引っ括めての大団円だが、今回は小さな子供にはちょっと難しいかも…?
『アナ雪』の最たる魅力の一つ、音楽。
今回の主題曲の「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」はすでにあちこちで耳にしているが、中盤でエルサが力強く歌う「みせて、あなたを」は前作のあの名曲に当たるようなハイライト・シーン。
今回の新曲も全く以て悪くないが、音楽も前作の方が魅力的だったかな、と。あのフレーズの名曲は勿論の事、「生まれてはじめて」や「雪だるまつくろう」も良かったし。
しかし、それは仕方ない。前作の話や音楽は何度も見て聞いているので、愛着がある。
今回はまだ一回しか見てないので、愛着沸いてくるのはこれから。今回も何度も見て聞けば…。
事実、見終わってから頭の中でリピートされる「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」が魅力的になりつつある。
映像技術はさらに進歩。霧に包まれた森は幻想的で、終盤エルサが辿り着いた地は神秘的。
新キャラでは、5つの精霊。中でも、“火の精霊”は新たな人気マスコットキャラになりそう。
でもやはり、
アナ、エルサ、クリストフ、スヴェン、そしてオラフ。
もうすっかりお馴染みになったメインキャラたち。
アナのお転婆さは変わらないが、ラストではある行動力を魅せる。
今回もまた美しさと陰を魅せるエルサ。ラストの新しいドレス姿は、またまたコスプレが流行りそう。
そして、ちょっと大人になったオラフ。登場すると楽しい安心感と笑いと、今回も感動を…。
姉妹愛。
仲間や友情を超えた家族のような繋がり。
今回プロポーズしようとするクリストフとアナの関係も。
彼女たち彼らの新たな姿を見れただけでも…と言うより、これが見たかったのだ。
近年で最もと言うくらいの待望作であり話題作なので、見た人の意見はすでにそれぞれ。
「最高!」「満足!」の声も、「期待外れ」「前作の方が良かった」の声も、どちらもその通りだと思う。
それらの声は、見た人皆がそれぞれの形で『アナ雪』が好きだから。
個人的な感想は、今回も良かった。前作が好きならば、今回もきっと楽しめるだろう。
“ありのまま”から“心のままに”。
未知の『アナ雪』へ。