「ビジュアル面は満足、内容には物足りなさ。」ダンボ しずるさんの映画レビュー(感想・評価)
ビジュアル面は満足、内容には物足りなさ。
昨今の、やたらと過去名作アニメを実写化しようというディズニーの動きが腑に落ちない。現代技術を駆使して夢の世界を可視化するのはいいが、どうせならオリジナル脚本で新しい物語を見せて欲しい。
ストーリーはごくごく普通。実写化するにあたって、ティモシーの存在や魔法の羽の扱いなど、メルヘンテイストはやや薄められ、幻想世界の中に巧妙に教訓を潜ませる、寓話的文法の妙が失われてしまっている気がする。
ボルト親子の家族愛も、ダンボ達にほだされて協力的になってくる周囲の人間の心情変化も、描き込みが足らず上滑りしている感じ。
ティム・バートンの魅力の一つである毒気もあまり感じない。同じサーカスでも、ビッグフィッシュのような怪しさはない。
無論、ターゲット層や物語内容の違いである事は理解しているが、それを期待して見に行くと、やや物足りなさは感じる。
美術面では、ティム・バートンらしい、カラフルでおもちゃのようなテイスト満載で大満足、
サーカスや遊園地のデザイン、OPのサーカス列車など、どれも素晴らしかった。
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