「吹っ飛ぶくらい好き!!!」メリー・ポピンズ リターンズ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
吹っ飛ぶくらい好き!!!
「クリーチャーに慄き脂汗と涙まみれになった母」と「笑顔の色白美人」のギャップにたじろぎつつ。エミリー・ブラントって凄い。いや、女優さんて誰もかれもが、凄いと思う。
話は変わるが、「プー」は最初から最後まで、ずっと切なさを感じながら見てました。この「メリポピ」は「幸福感」。何なんだろう、この違い?「プーは哲学でメリポピは教訓」。「抽象」と「リアルな生活感」の差。これが本日のところの答えです。もっと細かく言うと、プーは「哲学をファンタジー化しヌイグルミに演じさせる」。メリポピは「色白美人が微笑みながら可愛い子供達との冒険の中で教えを諭す」。どっちも良いけど、プーの方が感動は深かった、いや感銘か。
本編の方はと言うと。ディズニー品質で緻密に造り込まれた画に目を奪われてる間に、一曲目の歌が流れだし、「そうだメリポピはミュージカルだった!」ってことを思い出します。紙芝居は、VFXを駆使した「ファンタジア音劇」だけじゃ無く。古き良き時代の「舞台ミュージカル」あり、「ストリート」あり、もう、うれしくて楽しくてたまらん!「帽子と杖」だよ、それだよ、それだよって、勝手に一人で盛り上がり。「街灯ポールダンス」に熱狂し。もう、この時点で、「あと何回見ようか?」が問題になってる俺でした。
「子供も楽しめるミュージカル」の伏線配置はあっさり、かつ、どえらく早い段階で仕込まれますが、いや、切り紙貼り紙されますが、それだけじゃ無く。最後に止めを刺すのはミュージカルのレジェンド、ディック・バン・ダイク!1925年生まれなんんだと。歌えるし、踊れるんです、これが。また、メリル・ストリープもマンマ・ミーアに続いて歌って踊ります。カッコ良いって、この役。
ラ・ラ・ランド、GSM、今年はメリポピ。年甲斐もなく言わせてもらうと、幸せです。
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(2/7追記)
メリー・ポピンズは「夢を叶えてくれる魔法使い」じゃなくって「教育係」。いや、むしろ「全てお見通し」の上で、あえて試練を与えてる。株券を魔法でゴミ箱に「片付けて」ジョージーに捨てに行かせたり、ジャックに命がけのタワー・クライミングをさせたりする。
「無くなり様のないものは、無くならない」
母親を慕う気持ち、妻への想い、子供達への愛情、長年住んだ「Old Friend」への愛着。カタチあるものは、いつか失われる(従妹のトプシーに頼まない限りは!)。カタチの無いものは、心の中にいつまでも生き続ける。
バンクス家の危機に現れた教育係は、安易な助けの代わりに試練を与え、「無くなってしまいそうになったもの」を「無くなり様の無いもの」に換え、桜吹雪の吹くロンドンの空に去って行きます。子供達の記憶に、メリー・ポピンズは「無くなり様の無いもの」として残ってくれるはず。だが。ジョージーだけは危なっかしくて不安。
bloodtrailさんへ
コメントありがとうございます。
プーさんとメリーの違い。
強いて言えば、あとは自分の気付きと自分の力で何とかしなさい、というのがプーさん。
時には人の力を借りてもいいんだよ、というのがメリーポピンズだと思います。